○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に反対、修正案に賛成の立場から討論します。
食料の安定供給の確保は国家の最大の責務ですが、WTOやTPPなどの農産物自由化圧力などによる安価な海外農産物の輸入増の一方で、長引くデフレ基調による農産物価格の低迷、収益性悪化で、農業従事者や農地の減少など農業生産基盤の弱体化が進み、食料自給率はカロリーベースで現在僅か三八%にまで落ち込んでいます。
また、地球規模での気候変動や国際情勢の不安定化などにより世界の食料事情は一変し、いつでもどこからでもお金さえ出せば食料は手に入る、そんな時代は既に過去のものとなりました。
だからこそ、自助努力と競争力強化で強い農業を目指すという世界の潮流とは乖離した方向性を見直し、農政の憲法である食料・農業・農村基本法改正で生産基盤強化につながる理念と政策を打ち出すことを強く期待しておりましたが、政府の危機感が全く感じられない内容にとどまりました。
以下、具体的に反対理由を申し述べます。
第一に、口では国内の農業生産の増大はこれまで以上に重要と言いながら、条文に反映されていません。立憲民主党と共同提出した修正案に盛り込んだ食料自給率向上や食料供給能力の維持向上の明記を改めて求めます。
第二に、国内人口減少よりもずっと著しい農業者減少の理由を国内人口減少に矮小化するなど、背景にある原因を的確に捉えることなくして真の解決策は打ち出せないからです。最大の原因は、農業ではもうからないからであり、坂本大臣が当時、答弁でにじませた農業者の自助努力ではなく、直接支払制度など所得確保に向けた的確な指針と具体策こそが必要です。
第三に、合理的な価格の実現があたかも農業生産現場にとって再生産可能な価格であるかの幻想を強調していることです。食料生産のコストが全て価格に反映されるのは理想にすぎず、市場に左右され価格が決まるのが現実であり、再生産に必要なのは価格ではなく所得であることを明記していただくよう改めて求めます。
第四に、効率的かつ安定的な農業経営を営む者と、それ以外の多様な農業者を分けて論じ、後者は経営所得安定対策の対象外にするなど、地域の分断を生む政策に執着している点です。消防団活動やPTA活動など、地域活動の担い手や伝統や文化の継承者など、お金に換えられない価値、役割を評価し、全ての農業者をひとしく支える農政への転換が必要です。
第五に、本法案での農村の振興に関する基本認識には大きな誤りがあることです。令和二年策定の現行食料・農業・農村基本計画での認識は改正後も変わることはない、つまり、農業生産のみならず多面的な役割を発揮する場、地域の資源を生かした産業を生み出す場であり、極めて幅が広い役割を農村が期待されている点を確認する大臣の答弁をいただきました。しかし、条文からはそのことが全く読み取れないどころか、事務方からは、農村振興の基本理念をうたった六条は、農業に関連するということを極めて限定的に書いていると答弁される始末でした。
第六に、水田は、地域に不可欠な多面的機能を有しているだけでなく、主食である米の生産基盤として我が国の安全保障の要であり、畑地化推進の姿勢が鮮明に打ち出されたことにも危惧を抱かざるを得ません。法案からの畑地化の削除を改めて求めます。
以上のようなことから、修正案の提出をさせていただきました。是非、委員の皆様には、修正案に賛成をいただきたいことをお願い申し上げ、改めて政府案への主な反対理由を申し上げ、私の討論とさせていただきます。
舟山康江 の他の発言
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 言っていることも分かるんですけれども、でも、私、もっと一般的に、今おっしゃっていただいたような、例えば政府は国内の食料安全保障の確保のためにとか、国内の生産基盤の維持…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 改めて確認しますけれども、そういった生産調整の有無というところが今回違うだけであって、中身的には政府の責任は何ら変わらないということは断言できるということで、もう一度…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 ありがとうございます。
私は、今の御答弁、すごく重要だと思うんですよね。最終的にやはり需要を満たすためのいわゆる供給責任は国にあると。その上で、それに向けて主体的…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 ありがとうございました。
そして、需要に応じた生産についてですけれども、これは、需要量を超える主食用米の生産について、これ需要の減少を前提とするとかではなくて、先…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 もう生産現場は待ったなしですからね、先ほどのデータを見ても分かるとおり。そういった中で、是非、あれ駄目これ駄目、野党の提案だから駄目ではなくて、やっぱりいろんな可能性…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 それは分かっているんです。
ただ、今現状、水田農業に関しては、主食用米だけではなくて、やはり今も、平成三十年以降現在も、いわゆる需給見通しを示して、それをやっぱり…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 価格は市場で決まる、そのとおりなんですけれども、今のままでいくと、ちょっと懸念する事態が起きかねないのかなという気がするんですね。もちろん、そういった需要の拡大に努め…
2026-06-18 · 参議院農林水産委員会
○舟山康江君 いや、もう規模は、今規模がそうなっているのは分かっていますよ。
ただ、今おっしゃっていただいたように、担い手でしょう、認定農業者でしょう、それ以外も広げるべきじゃ…
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