参議院本会議(2024-04-17)での発言
第213回国会
·第第12号号
·1,828字
○国務大臣(高市早苗君) 杉尾秀哉議員から、まずは、制度導入に対するニーズ及び民間企業のビジネスチャンスの広がりについてお尋ねがございました。
本制度を検討するに当たり昨年二月に立ち上げた有識者会議には、日本経済団体連合会や経済同友会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会といった団体からも委員として参加をいただき、事業者、就労者双方の視点から御議論をお願いしてまいりましたほか、同会議におけるヒアリングでは個別の企業の方々からもお話を伺いました。
その中で、企業の皆様からは、海外企業から協力依頼があったが機微に触れるということで十分に情報が得られなかった、宇宙分野の海外政府からの入札の際にセキュリティークリアランスを保有していることが説明会の参加要件になっており、詳細が分からず不利な状況が生じているといった声が聞かれました。
また、本法案が閣議決定されて以降、経済界から出された意見書におきましては、セキュリティークリアランスは企業が国際共同研究開発等に参加する機会を拡大することにも資することから、我が国の戦略的優位性、不可欠性の維持、確保にもつながり得る、法案は国内既存制度との整合性の確保、適性評価に当たってのプライバシーへの配慮等、経済界が主張してきた考え方を反映していることからも評価できる内容であり、同法案の早期成立を求めるといったことが言及されており、一定の評価をいただけているものと承知しております。
次に、同盟国などとの防衛産業協力の進展についてお尋ねがありました。
本法案が保護の対象とするのは、我が国の国民生活や経済活動にとって重要なインフラや重要物資のサプライチェーンといった重要経済基盤の保護に関する情報です。重要経済基盤に関するいわゆるデュアルユース技術などが本法案に定める重要経済安保情報として指定される可能性はありますが、本法案は、防衛装備品の開発などを目的としたいわゆる防衛産業協力を想定して提出したものではございません。
次に、最終的に想定される適性評価の対象人数についてお尋ねがありました。
お尋ねの適性評価の対象となる人数については、衆議院における審議の中で度々御指摘をいただいたことを受け止め、大胆な仮定を重ねながら試算したものでございます。お示しした試算は、秘密文書を含む行政文書ファイルの数を起点に、まず初年度に想定される指定件数を見積もり、これを前提に、例えば既に特定秘密保護法に基づく適性評価を受けた者との重複の可能性など、様々に考慮すべき諸要件を捨象するなど大胆な仮定を重ねて推計した結果として、数千人程度であり、数万人という単位にはならないと見積もられる旨を現時点における一つの目安としてお答えしたものでございます。
さらに、経済安全保障分野は変化が速く、重要経済安全情報の、重要経済安保情報の数も時の経過に伴って増減することも想定されることから、将来想定される適性評価の対象人数について具体的に現時点でお答えすることは困難であるということには変わりはございませんが、今申し上げた目安となる数字から大きく変動することはないものと認識をしております。
次に、対象情報の範囲についてお尋ねがございました。
本法案は、政府が保有する情報を保全するための制度を整備するものであり、民間事業者の保有する情報を政府が一方的に指定して本法案に基づく保護措置等を強いることはございません。また、重要経済安保情報に指定された情報には、重要経済安保情報である旨を表示し、それが困難な場合にはその情報を取り扱う者に当該情報について指定が行われた旨の通知をすることとしており、行政機関から適合事業者及びその従業者に対して対象情報の範囲を明示する仕組みとなっております。
最後に、労働組合の関与についてお尋ねがありました。
労使協定につきましては、有識者会議における議論を踏まえ、一律に義務付けることには慎重でなければならないと考えています。他方で、適性評価の拒否や結果を理由とする不利益取扱いを防止する観点からも、良好な労使関係の下で労使間でしっかり話し合っていただくことは望ましいと考えております。義務付けまではしないにせよ、運用基準などで労働組合の関与などの可能性について何かしら言及ができないかを検討をしてまいります。(拍手)
─────────────