○内閣総理大臣(岸田文雄君) 井上哲士議員の御質問にお答えいたします。
政治資金収支報告書の不記載に関する事実の解明についてお尋ねがありました。
報道された議員の言動等の一つ一つについてコメントすることは差し控えますが、御指摘の事実解明については、これまでも、我が党による外部の弁護士も交えた聞き取り調査や国会における政倫審の開催など、様々な関係者によって取組、様々な取組が行われてきたところです。また、これらの結果、事実関係の整理が一定程度進むとともに、一定の場合には、会計責任者のみならず議員本人の責任も強化するべきなど、具体的な政策課題も明らかになってきたところです。
引き続き、できる限りの事実確認等に努めること、これは大切ですが、今回の事案の概要を踏まえ、政治資金規正法の改正を含む再発防止策に早期に取り組むことも大変重要であると考えております。
なお、お尋ねの証人喚問については、これまでの関係者による取組の状況等も踏まえつつ、国会で御判断いただくべき事柄であると考えております。
日米の指揮統制機能の連携強化、AUKUSとの協力及び防衛技術協力と本法案の目的についてお尋ねがありました。
まず、日米共同声明で発表した日米それぞれの指揮統制の枠組みの向上については、国家防衛戦略等に基づく自衛隊のこの統合作戦司令部の新設を踏まえ議論を進めているものであり、米側から求められたものではありません。
また、AUKUSが示した先進能力分野における協力については、米英豪との連携強化に向け、今後具体的に検討を進めていく考えです。
その上で、本法案の保護対象は、重要経済基盤の保護に関する情報であり、防衛装備に係る諸外国との技術協力への対応を想定したものではありません。
本法案と特定秘密保護法のシームレスな運用についてお尋ねがありました。
今回、特定秘密保護法の改正は行わないため、特定秘密の範囲が拡大するとの御指摘は当たりません。
特定秘密保護法は、その別表の四分野に該当する情報であって、漏えい時に安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるものを保護する制度です。また、現行の特定秘密保護法の運用基準には、経済安全保障分野の情報でもあるサイバー攻撃の防止を別表四分野のうちの特定有害活動の防止に関する事項ないしテロリズムの防止に関する事項の細目として掲げており、特定秘密には経済安保分野は含まれないわけではないと考えております。
これに対し、本法案は、漏えい時に安全保障に支障を与えるおそれがあるものの、特定秘密保護法が対象とするものより一段低い機微度の経済安全保障上の重要情報を保護する制度です。
政府としては、経済安全保障上の重要情報を二つの制度で保護していくに当たり、これを確実なものとする観点から、二つの制度をシームレスに運用していくことが重要であると考えている次第です。
適性評価対象者数の規模についてお尋ねがありました。
適性評価を受ける人の数については、公表されている秘密文書を含む行政文書ファイルの数を起点に大胆な仮定を重ねて、まず初年度に想定される指定件数を見積もり、さらに、例えば特定秘密を取り扱う者との重複の可能性など種々の諸要件を捨象して推計した結果として、数千人程度であり、数万人という単位にはならないだろうということを説明したものであって、あくまでも現時点における一つの目安としてお答えしたものであります。
議員はこの法案を軍事に結び付けるかのような御質問をされていますが、本法案が保護の対象とするのは、我が国の国民生活や経済活動にとって重要なインフラや重要物資のサプライチェーン保護に関する情報です。そのため、議員が指摘したことを理由として、本法案の適性評価対象者が大幅に増加するようなことはないと認識をしております。
そして、適性評価における調査についてお尋ねがありました。
本法案に定めのある本人以外の者への質問や公務所等への照会について、その具体的な手続等は、特定秘密保護法の例を参考にしつつ運用基準の中で明確にすることを想定しており、有識者の意見をお聴きしつつ今後検討してまいります。
この点、特定秘密保護法では、公務所等に照会することがあることは告知書で本人にあらかじめ知らせて、書面により同意を得ることとしております。
警察や公安調査庁に対する照会も、一般論としてではありますが、実際に照会しているかどうか、何を照会しているかは、調査に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えは差し控えます。
また、その上で、一般的に申し上げれば、照会が行われた場合には、回答後、当該情報が記録された文書は関係法令に基づき適切に廃棄されることとなります。
なお、企業において、上司が適性評価を受けることを求めた場合においても、それに同意しないことが許される状況が実質的に確保されることが重要であると考えており、そのための本人への事前説明の内容や段取りについて対応の在り方を検討しているところです。
また、同意しなかった者が、その後、これを理由として不利益な措置を受けることがないよう、今後策定する運用基準などにおいても具体的な禁止行為を明示することなどの措置を検討していく予定としており、これらの措置を通じて実効性を担保できると判断しており、罰則を設ける必要はないと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
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