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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2024-04-19)での発言

第213回国会 ·第第13号号 ·2,097字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 松沢成文議員の御質問にお答えいたします。  安全保障情勢の認識についてお尋ねがありました。  国際社会が複雑かつ多様な課題を抱え、また、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、日米の固い結束と日米同盟の重要性は一層高まっていると認識をしています。  そうした中で、今回の首脳会談では、私から、国家安全保障戦略に基づき、防衛力の抜本的強化に取り組んでいること等を説明し、バイデン大統領から改めて強い支持を得ました。  その上で、バイデン大統領とは、抑止力、対処力の一層の強化のため、米軍と自衛隊の相互運用性の強化など、安全保障・防衛協力を拡大、深化していくことで一致をいたしました。  アジア太平洋における戦争抑止策についてお尋ねがありました。  アジア地域は、欧州と比較して域内各国の同質性が低く、NATOのような集団的安全保障体制が成立しづらいといった分析などもありますが、いずれにせよ、我が国としては、アジア地域の多様性やASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っていること等も踏まえ、日米同盟を基軸としつつ、様々な対話の枠組みを重層的に活用していくことが現実的であると考えています。  その上で、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、同盟国、同志国間のネットワークを重層的に構築するとともに、それを拡大し、抑止力、対処力を強化していく方針です。  防衛装備移転三原則等についてお尋ねがありました。  我が国においては、三木内閣の政府統一見解以降、国際紛争等を助長することを回避するため、実質的には全ての地域に対して輸出を認めないこととなっていた一方で、その時々の個別の必要性に応じて例外化措置を講じ、個別判断により海外移転を認めてきました。  しかし、明示的なルールが存在していなかったため、安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとなり、それまでの例外化の経緯を踏まえ、包括的に整理をし、二〇一四年に防衛装備移転三原則を定めたものであり、それ以降も安全保障環境の変化等に応じて見直しを行ってきています。  また、積極的平和主義の下、防衛装備の海外移転は地域における抑止力の向上に資するものである一方、紛争中の国への支援については、一日も早く紛争を止める観点で、国際社会とも連携した多様な取組が考えられます。  こうした装備品の性質や防衛装備移転に関する我が国のこれまでの歩みなどを踏まえて、現に戦闘が行われている国に対する自衛隊法上の武器の移転については制限を設けているところです。  こうした制限の中で、我が国として、ウクライナの要請に応じ約百両の自衛隊車両を提供するなどの支援を続けており、引き続き、ウクライナに寄り添い、できる限りの支援、行っていく考えです。  日本たばこ産業株式会社、JTのロシア事業についてお尋ねがありました。  日本たばこ産業会社、JTの今後の事業展開については、国際的な活動を行う上場企業として、現在のロシア、ウクライナ情勢や国際社会の動きなどを踏まえ、同社の自主的な経営判断により適切に対応していくべきものであると考えておりますが、その上で、同社のロシア事業については、既に新規の投資やマーケティング活動等を停止しており、現在、同社グループ経営からの分離を含めた選択肢の検討が行われているものと承知をしています。政府としては、こうした検討の状況について注視をしてまいります。  ジェノサイド条約についてお尋ねがありました。  我が国は、ジェノサイドのように国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した者が処罰されずに済まされてはならないと考えています。  御指摘のあったジェノサイド条約の意義については私も認識しておりますが、同条約を締結するためには、条約上の義務と国内法制との関係を整理する必要があります。同条約の締結に向けて検討を進めているところでありますが、関係省庁間の協議を更に深めるべく指示をいたします。具体的な時期については、この協議の進展の中で決まってくるものであると考えます。  憲法改正についてお尋ねがありました。  内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての具体的な議論の進め方等について直接申し上げることは控えなければならないと考えておりますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、憲法改正は先送りできない重要な課題であり、総裁任期中に憲法改正を実現したいという思いはいささかも変わりはありません。  今年の党の運動方針では、条文起草のための機関を各会派の理解を得て設置をし、憲法改正原案を作成し、国会の発議を経て、国民投票における過半数の賛成に向け全力を傾注することを明記しています。自民党として、この方針の下で取り組んでまいります。  時間的制約がある中でも、一歩でも議論を前に進めるべく、御党を含む党派を超えた議論を加速させるべく、最大限努力してまいります。(拍手)     ─────────────

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