○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山添拓議員の御質問にお答えいたします。
米国からの国賓待遇での招待理由についてお尋ねがありました。
昨年十一月の米国サンフランシスコで行われた日米首脳会談において、バイデン大統領から、国賓待遇での公式訪問の招待を受けました。その理由についてお答えする立場にはありませんが、今回の公式訪問の発表に際し、米国政府は、日米同盟の永続的な力強さなどを強調する訪問になるだろうと述べていたと承知をしております。
今次訪問では、安全保障協力のみならず、経済、地域情勢、人的交流など多岐にわたる分野についての議論を通し、日米両国が幅広く深い信頼と重層的な友好関係で結ばれており、このかつてなく強固な友好・信頼関係に基づくグローバルパートナーとなっていることを確認いたしました。
このことからも、米国に都合の良い安保政策の大転換を進めた御褒美にほかならないとの御指摘は当たりません。
日米間のシームレスな統合及び自衛隊と米軍との一体化についてお尋ねがありました。
日米首脳会談においては、日米が共同対処を行う場合に、様々な領域での作戦や能力を切れ目なく緊密に連携させていく観点からシームレスな統合を可能にするため、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上することで一致をいたしました。
このように、日米間で様々な能力の発揮のため緊密な連携を図ることは当然ですが、自衛隊の全ての活動は、主権国家たる我が国の主体的判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われること、また自衛隊及び米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動すること、何ら変更はありません。自衛隊の指揮については、法令で定められているとおり、日本国内閣総理大臣が最高指揮官として自衛隊を指揮監督することに変わりはありません。
さらに、日米ガイドラインにおいて、自衛隊及び米軍の活動について、各々の指揮系統を通じて行動すること、また各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われること、これらが明記されており、こうした点は日米間の共通の認識となっております。
よって、日米の部隊同士が文字どおり一体化し、自衛隊は事実上米軍の指揮下で、あたかも米軍の一部隊のように扱われるといった指摘は当たりません。
日米間の合意と日米共同計画についてお尋ねがありました。
日米首脳会談においては、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上することで一致をしましたが、これは日米ガイドラインの下で策定することとしている共同計画の策定状況とは関連したものではありません。
共同計画の策定状況は、緊急状態、緊急事態における日米の対応に関わるためお示しできませんが、いずれにしても、日米ガイドラインの下で日米が行う全ての活動は、それぞれの憲法、国内法令、国家安全保障政策に従って行われます。
部隊レベルを含む自衛隊と米軍の連携についてお尋ねがありました。
御指摘の論考については承知しておりますが、政府として他国の民間シンクタンクから公表されている論考の内容の一つ一つについてコメントすることは差し控えるべきであると考えております。
いずれにせよ、日米首脳会談においては、日米が共同対処を行う場合に、様々な領域での作戦や能力を切れ目なく緊密に連携させていく観点から、シームレスな統合を可能にするため、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上することで一致したところであります。
同盟のネットワークと中国との対話についてお尋ねがありました。
今般の日米首脳会談では、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは世界のいかなる場所であれ断じて許容できず、同盟国、同志国と連携し毅然として対応をすることを再確認するとともに、日米豪、日米韓、日米英など日米を基軸とした地域のパートナーとの協力を進めることで一致をいたしました。
また、国際秩序の根幹が揺らぎ、地域の安全保障が一層厳しさを増す中、AUKUSの取組はインド太平洋の平和と安定に資するものであり、これが地域の軍事的緊張を高めるとは考えておりません。
なお、先進能力分野に係るAUKUS第二の柱に関する協力については、今後、まずはAUKUS側において具体的な検討が行われることになると承知をしており、日本としては、AUKUSのこうした動きも見ながら、今後、協力の在り方について検討をしてまいります。
これらと同時に、中国との間では、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくというのが私の一貫した方針であり、これらはお互いに矛盾するものではないと考えております。
そして次に、ミサイル防衛についてお尋ねがありました。
新たに開催する日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASにおいては、協議する対象にミサイルの共同開発及び共同生産が含まれ、今後具体的に検討される予定ですが、第三国への移転は想定しておりません。こうした装備の共同生産は、相互運用性の向上や即応性、継戦能力の確保といった観点から、抑止力の強化に資するものであると考えております。
また、ミサイル防衛、このBMDシステムに係る予算については、平成十六年度から令和六年度までの二十年間で単純に合計して約四兆円を計上してきております。この二十年間で北朝鮮は、我が国の上空を通過したものも含め、弾道ミサイル約百九十発以上を発射していることから明らかなように、BMDシステムは我が国の安全を確保する上で不可欠なものであって、地域の緊張関係を一層高める軍拡競争となるとの御指摘は当たらないと考えております。
次に、米軍艦船の共同維持整備についてお尋ねがありました。
我が国周辺に展開する米軍艦船が、維持整備のために米国本土に戻ることなく日本国内で維持整備を行うことができる場合、米軍の即応性を高め、抑止態勢の強化に資するものであると考えております。
御指摘の米国政府高官の発言意図についてお答えする立場にはありませんが、こうした取組は特定の国との戦闘を念頭に置いたものではありません。
拡大抑止についてお尋ねがありました。
今般の日米首脳会談では、我が国の安全と繁栄を守り抜くため、米国の拡大抑止を強化することの重要性を改めて確認し、二国間協力を更に強化していくこと、また、この観点から、次回の日米2プラス2の機会に拡大抑止に関する突っ込んだ議論を行うよう、日米それぞれの外務・防衛担当閣僚に求めることで一致をいたしました。
これを踏まえ、日米拡大抑止協議及び日米2プラス2でのやり取りのような様々なハイレベルでの協議を通じ、拡大抑止の強化に向けた取組を引き続き進めていきます。その上で、非核三原則を堅持するとの方針に変わりはありません。
また、従来より述べてきているとおり、核兵器禁止条約は核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておらず、唯一の戦争被爆国の我が国としては、核軍縮の現実的な取組に核兵器国を関与させるよう努力していかなければなりません。
国民の生命、財産を守り抜くため、現実の安全保障の脅威に適切に対処しながら、核兵器のない世界に向けて、現実的かつ実践的な取組を継続、そして強化してまいります。
普天間飛行場の辺野古移設及び米軍オスプレイの運用についてお尋ねがありました。
首脳会談におけるやり取りの詳細は控えますが、今回の日米共同声明において、両国は、辺野古における普天間飛行場代替施設建設を含む沖縄統合計画に従った在日米軍再編の着実な実施に強くコミットしていること、これを確認しています。
また、普天間飛行場に所属する米軍オスプレイについては、防衛省による目視情報によれば、飛行停止を解除した本年三月十四日から四月十七日までの三十五日間、午後十時から翌朝六時までの時間帯に合計二十七回の離着陸を行ったことが確認をされています。
政府としては、これまでも米軍に対して日米合同委員会合意である航空機騒音規制措置の遵守をするよう求めてきており、米側からはこの合意に基づき周辺地域への影響を局限する運用に努めているとの説明を受けておりますが、引き続き合意の遵守、これを求めてまいります。
我が国における米軍オスプレイのサイビは、災害救援や離島防衛を含む我が国の安全保障にとって重要な意義を有し、抑止力、対処力の向上に資するものであり、米軍オスプレイの配備撤回を求める考えはありません。
環境分野での米軍との協力についてお尋ねがありました。
御指摘のファクトシートにおける記述は、在日米軍の安定的な駐留のため、環境に係る協力を含む日米間の継続的な連携が重要との認識を日米間で改めて確認したものでありますが、これ以上の詳細については、外交上のやり取りであり、お答えを差し控えます。
なお、米国環境保護庁が公表した飲料水中のPFASに関する規制値の在日米軍施設・区域における取扱いについては、日本政府として予断を持ってお答えすることは困難です。(拍手)
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