○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案に対し質問いたします。
急速な高齢化、晩婚化、晩産化といった背景から、育児と介護が重なるダブルケアに苦しむ方への支援が求められています。国民民主党は、先月、ダブルケアラーを支援する法案を提出いたしました。
ダブルケアラーへの支援に関しては、こども家庭庁の創設により、育児施策はこども家庭庁、介護施策は厚生労働省という新たな縦割り行政の弊害が生じています。また、ダブルケアの担い手は三十代から四十代と働く世代が八割を超えます。就業している方も多いと見られますが、仕事と育児、介護との両立施策は厚生労働省が所管しています。自治体では、重層的支援体制整備事業において、ダブルケアラーのように複合した課題を抱える家庭への相談支援に取り組まれているところですが、仕事と育児、介護のケアを担う当事者に対する両立支援のための総合的な支援を進める必要があります。厚生労働省の見解を伺います。
ダブルケアラーへの支援を推進するためには、まず、政府による実態調査の実施が必要です。二〇一五年度の内閣府における調査以降、政府における大規模な調査は行われていないと承知しております。早急に実態調査を行っていただきたいと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
ダブルケアラーも含め、仕事と介護の両立の困難さから、介護離職が大きな課題となっております。今回の法案では、介護離職防止策として、介護に直面した労働者への両立支援制度の情報周知、意向確認や、労働者への早期の情報提供を事業主に義務付けることなどの改正が提案をされています。
これは、前回、令和三年の本法案改正における育児支援と同様の仕組みを導入するものと理解しております。二年前の質疑でも指摘したところですが、事業主が講ずべき措置の肝腎なところの多くが省令事項に落ちており、成立後に形骸化する懸念が残ります。
周知や意向確認のタイミング、意向確認の手法、雇用環境の整備の具体的内容について、厚生労働大臣に伺います。
個々の労働者の意向が適切に配慮されるように実効性を担保していくため、労働政策審議会で改めて省令事項を詳細に審議していく必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
その上で、今回の法案では、現行の介護休業、介護休暇の拡充や、新たな両立支援制度の創設は盛り込まれませんでした。育児と比較して、介護の両立支援施策が乏しいです。今回の法案において仕事と介護の両立支援制度の根幹部分を改正しなかった理由及び仕事をしながら家族の介護に従事するビジネスケアラーに対する今後の支援策の充実策について、厚生労働大臣の見解を伺います。
また、介護休業は、育児休業と異なり、社会保険料免除の対象となっていません。政府は、育児休業は次世代育成の観点から他の被保険者や事業主の理解を得られることから免除の対象となっていると説明をしています。ですが、現在、仕事と介護の両立ができないことは日本の労働損失に有する影響は甚大で、社会全体にとって重大な課題となっており、政府が主体的に説明を行うことで介護休業期間中の社会保険料の免除について理解を得るべきです。ビジネスケアラーの生活を支えるため、介護休業期間中の社会保険料免除について検討いただきたいと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
また、経済産業省において、生産年齢人口の減少が続く中、ビジネスケアラーの数は増加傾向で、二〇三〇年時点では約三百十八万人に上り、経済損失額は約九兆円との試算を背景に、企業による両立支援への取組を促すための仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドラインが今年の三月二十四日に公表されています。厚生労働省の調査結果では、介護休業の規定について整備は進んでいるが趣旨が伝わっていないなど、雇用労働者への周知、取得を進め、介護離職防止につなげることは経済産業省との連携も重要だと考えます。経済産業省における仕事と介護の両立支援への取組状況、あわせて、ダブルケアラー支援への見解について、経済産業大臣に伺います。
次世代育成支援対策推進法について伺います。
前回の育児・介護休業法改正を背景として、次世代育成支援対策推進法に基づくくるみん認定基準が改正され、令和四年四月から男性の育児休業基準の引上げやトライくるみん認定制度の創設が実施されています。残念ながら、令和六年三月までにトライくるみん認定された企業として公表を了解しているものは僅か二件。トライくるみんの取得が進まない要因分析及び上位くるみんへの移行、企業動向について、厚生労働大臣に伺います。
ワーク・ライフ・バランスに関係する各種認定マークやシンボルマークについては、次世代育成支援対策推進法に基づく三種類のくるみん、女性活躍推進法に基づくえるぼし、青少年雇用の促進等に関する法律に基づくユースエール、そして、企業が介護離職を未然に防止するため、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組むことを示すトモニン、それぞれの法律の目的や認定制度の意義は非常に重要であるものの、乱立し、一目で分かりにくくなっております。統合して現場に分かりやすく周知することで、マークの認知度の向上はもとより、各政策目的の実効性を高めていく必要があると考えています。
統合に際しては、各府省、部局単位で細分化された縦割り行政を乗り越え、ダブルケアラーへの支援の観点も踏まえ、育児だけ、あるいは介護だけに偏重することなく、いずれの支援体制も整備することを企業に促していく制度設計が重要だと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
最後に、法案に大きく関係する育児休業を支える給付の在り方について質問をいたします。
衆議院で可決された子ども・子育て支援法等改正案において、子の出生後の一定期間に男女で育児休業を取得することで二十八日間を限度に育児休業給付率を手取り十割相当にする出生後休業支援給付や、二歳未満の子を養育するため、時短勤務中に支払われた賃金額の一〇%を支給する育児時短就業給付を創設し、子ども・子育て支援金を充当することが示されています。これらの給付については既存の制度と別体系の支援金充当事業とすることもできたはずですが、あえて雇用保険法の育児休業給付の体系に位置付けた趣旨について、厚生労働大臣に伺います。
また、雇用保険法に基づく給付として行われるのであれば、その効果や現場に与える影響の検証など今後の在り方に関する検討、これについては労働政策審議会において議論をすべきものと考えますが、厚生労働大臣に明確な御答弁を求めたいと思います。
さらに、雇用保険法に基づく給付として行われることで、育児休業給付が新たな特別会計に勘定移管された後に、雇用保険料が他の子ども・子育て支援に流用されることが容易にできてしまうのではないかと懸念がされています。流用の防止や負担と給付の関係を明確にする観点から、新たな勘定の中で、雇用保険料を財源とする給付とその他の施策はそれぞれで管理すべきだと考えます。
運用面だけではなく、法制面でも明確に担保されていることが必要と考えますが、具体的な制度設計について説明の上、雇用保険料が他の子ども・子育て施策に流用されることがないよう、明確な答弁をこども政策担当大臣に求めます。
次世代育成支援対策推進法では男性の育児休業の取得が主な議論となっていますが、長時間労働の是正や可処分所得の向上など、このほかにも重要な論点があります。そして、家庭内での無償ケア労働を前提としていることは変わりなく、育児や介護を地域や公共のサービスを含めて社会全体で支えていく視点が抜け落ちては、雇用労働以外で働く人たちへの支援にはつながりません。
何より、制度設計者が設定するニーズ対応ではなく、全ての子供に制限を掛けることのない各種支援の所得制限撤廃を実施し、子育てする人だけに伝わる詳細な制度設計ではなく、社会の誰にも届く大胆でシンプルな支援、これを実現するために、私たち国民民主党は教育国債の創設を提案して、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
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