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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2024-05-24)での発言

第213回国会 ·第第21号号 ·1,961字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 仁比聡平議員の御質問にお答えいたします。  賃金が上がらない要因や、抜本的な賃上げと待遇改善を進めることについてお尋ねがありました。  我が国経済は、バブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に、他国と比べて低い経済成長が続き、この間、賃金や成長の源泉である投資を抑制せざるを得ず、結果として消費の停滞や経済の体温とも言える物価の低迷、さらには成長の抑制をもたらしたことから、賃金が伸び悩んだと考えています。  政府としては、長年にわたり染み付いたデフレ心理を払拭し、賃金が上がることが当たり前との方向に社会全体の意識を一気呵成に変えていく必要があると考えています。昨年を大きく上回る春季労使交渉での力強い賃上げの流れに加え、来月からは一人四万円の所得税、住民税の定額減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現してまいります。  さらに、物価上昇を上回る賃上げの定着に向けて価格転嫁の取組の強化や省力化投資の支援等を進めるほか、持続的に賃金が上がる構造をつくり上げるために、リスキリングによる能力向上支援等による三位一体の労働市場改革を働く人の立場に立って進めるとともに、非正規雇用労働者も含め働く方々が能力を発揮し、公正な待遇を得て働けるよう、働き方改革を推進してまいります。  技能実習制度の改善や外国人労働者の在り方についてお尋ねがありました。  受入れ機関が労働基準関係法令違反に至る理由や、技能実習生が失踪に至る理由は様々であり、一概にお答えすることは困難ですが、一部の受入れ機関の遵法意識の欠如や監理団体による指導監督の不十分さ、技能実習生側の経済的な事情等が影響しているものであると考えております。また、本人意向による転籍が認められておらず、労働者の権利保護が不十分であるなど、制度的な問題も認められたところであります。  政府においては、これまでも技能実習法の制定、運用など、制度の改善や適切な運用に努めてきたところですが、今回、様々な指摘も踏まえ、制度自体を抜本的に見直し、技能実習制度に代わる制度として育成就労制度を創設することとしたものであります。  育成就労制度では、人材育成と人材確保を目的とした上で、本人の意向による転籍を認めるなどの転籍制限の緩和や、受入れ機関や送り出し機関の適正化など、制度全体を適正化するための方策をしっかりと講じているところであり、外国人が使い捨てにされるといったことがないよう、受け入れた外国人材の育成や日本人と同等の待遇確保にしっかりと取り組んでまいります。  外国人材による人材確保の在り方についてお尋ねがありました。  外国人材の獲得に係る国際的な競争が激化している状況等に鑑みると、単純に外国人を受け入れるのではなく、外国人にとって魅力ある制度を構築し、選ばれる国になることが必要不可欠であると認識をしています。  そのためには、外国人の人権を適切に保護することはもちろんのこと、賃金を含む適正な労働条件等の下、安全、安心に暮らし、働くことができる環境を整備することが重要であり、今般の育成就労制度はそのような観点から検討を踏まえた内容になっていると考えています。  また、政府としては、賃金水準の向上等のため、賃上げの促進、イノベーションや生産性向上に向けた国内投資の拡大、スタートアップの育成等に関する取組も行っているところです。  外国人から選ばれる国になるため、引き続き外国人の受入れ環境の整備に取り組んでまいります。  永住許可制度の適正化についてお尋ねがありました。  法務省においては、従前から、永住者の一部について、入管の永住許可の審査において必要とされる期間、税を納付し、許可の取得後に滞納するなどの事案があると指摘を受けており、実際に永住者に関連する審査の中でそのような事例を確認していると承知をしております。  その上で、法務省においては、このような問題に対処するため、有識者からの御意見等を踏まえ、一部の悪質な場合について在留資格を取り消すことができるとするもの、できるとするとしつつ、その場合でも永住者の我が国への定着性に配慮し、原則として他の在留資格に変更することとするなど、慎重に検討して制度を立案したものであると承知をしております。  本改正は、日本で生活する大多数の永住者に影響を及ぼすものではなく、受け入れた外国人と日本人が互いに尊重して生活できる共生社会の実現のためにも必要なものであると考えており、むき出しの排外主義などの批判は当たらないと考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣小泉龍司君登壇、拍手〕

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