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木原稔 ·自由民主党・無所属の会 ·防衛大臣

参議院本会議(2024-05-29)での発言

第213回国会 ·第第22号号 ·5,117字
○国務大臣(木原稔君) 水野素子議員にお答えいたします。  まず、次期戦闘機開発の必要性についてお尋ねがありました。  宇宙、サイバー、電磁波の領域や無人アセットを用いた攻撃等を組み合わせた新しい戦い方に対応していく中においても、四方を海に囲まれた島国である我が国に対する侵略は必ず空又は海を経由して行われます。  このため、航空機や巡航ミサイルによる空からの攻撃や、艦艇による海からの攻撃をできる限り洋上、遠方で阻止することが重要であり、戦闘機は、引き続き我が国防衛にとって重要な航空優勢を維持、確保し、これらの防御的な任務を遂行するための中核的装備品として、今後も引き続き防衛力において不可欠な役割を担うものと考えています。  その上で、各国が新世代戦闘機の開発や配備を進めている中で将来にわたって我が国の平和と安定を確保するためには、我が国自身として、それらの戦闘機を超える最新鋭の次期戦闘機を整備し、我が国の抑止力、対処力を高めていく必要があります。  次に、次期戦闘機を共同開発することにした理由及びそのコストメリットについてお尋ねがありました。  次期戦闘機の開発を進めるに当たって、我が国の独自開発や米国との共同開発などの可能性について十分に検討を行いました。その結果、要求性能の実現可能性、スケジュール、コスト等の様々な観点から、我が国の独自開発ではなく、英伊との共同開発が最適な選択肢であると判断しました。  次期戦闘機の機体単価は、本条約も踏まえた国際協力の詳細な在り方により今後大きく変動し得ることからお答えできる段階にありませんが、一般に共同開発では量産機数の増加による機体単価の縮減効果があると見込んでおり、今般の共同開発から最大の効果が得られるように開発を進めてまいります。  次に、GCAPが失敗し、GIGOが解散する場合の対応についてお尋ねがありました。  GIGO設立条約では、GIGOを解散する場合に、「特に第三者及びGIGOの契約相手との関係において、並びに各締約国の財政上の貢献に考慮を払った上で、解散の結果を管理する方法について定める。」と規定されており、お尋ねのようなことも含め、GIGOが解散する個別具体的な状況に応じて解散の結果を管理する方法が適切に定められることとなっています。  その上で、昨年十二月の日英伊防衛大臣会合においても、二〇三五年の開発完了に向けて、引き続き三か国が結束して様々な課題を乗り越える確固たる意志を確認しているところであり、引き続き日英伊三か国で緊密に連携しながら、次期戦闘機の共同開発を着実に進めてまいります。  次に、GIGOによる企業との契約や調達、GIGOによる情報開示及び防衛省における価格等の審査体制についてお尋ねがありました。  GIGOによる契約や調達に係る具体的内容については英国及びイタリアと協議中ですが、御指摘のような不正防止のための仕組みを含め、日英伊各国における契約や調達制度を参考にしつつ、適切に検討してまいります。また、GIGOによる情報開示については、今後、英伊及びGIGOと検討を深めていきます。  防衛省における装備品の調達については、企業から提出された見積資料の査定や過去の調達実績との比較検討等により価格の妥当性の評価を行っております。  次に、英伊と共同開発する理由及びGIGOへの追加的な締約国についてお尋ねがありました。  まず、安全保障の観点からは、日英伊三か国の協力は、今後何世代にもわたり両国との幅広い協力の礎となるとともに、一層厳しさを増す安全保障環境の中で、インド太平洋地域及び欧州地域の平和と安定に大きく貢献するものです。  また、技術の観点からは、ユーロファイター・タイフーンの共同開発等を通じ技術を蓄積している英伊とともに、優れた技術を結集することで将来の航空優勢を担保する戦闘機を開発することができます。  さらに、産業の観点からは、次期戦闘機の開発において、様々な先進技術に投資するとともに、国際的に活躍する次世代エンジニアが育成されることで、我が国の防衛産業はもとより、産業界全般への幅広い波及効果が期待できます。  GIGOは、あくまでも日英伊の三か国により設立されるものであり、現時点でその他の国の加入は想定されていませんが、一般論として、本条約上、日英伊以外の国が本条約発効後にGIGOに加入することは排除されていません。  仮に本条約発効後に新たな国がGIGOに加入する場合は、本条約の規定に従って本条約を改正する必要があるため、我が国においては改めて国会での御審議をいただくことになります。  次に、二〇二二年十二月の防衛省と米国防省による共同発表のタイミングについてお尋ねがありました。  二〇二二年十二月の次期戦闘機に係る協力に関する防衛省と米国防省による共同発表は、同月の日英伊による次期戦闘機の共同開発の公表に合わせ、英国及びイタリアとの次期戦闘機の開発に関する協力を含め、日本が行う、志を同じくする同盟国やパートナー国との間の安全保障・防衛協力に関する米国の支持を明らかにしたものです。  次に、GIGO設立の必要性についてお尋ねがありました。  先端技術を含む最新鋭の戦闘機の開発に当たっては、企業側のみならず、政府側も一元的に事業管理を行い、性能、コスト、スケジュール等の様々な要素について日常的に企業側と緊密に調整を行う必要があります。  このため、GCAPでは、戦闘機の共同開発に係る機関として、ユーロファイターの事例を参考にしつつ、国際機関を設置し、効率的な開発体制を構築することとしたものです。  次に、GIGO初代トップを選択する理由及びGIGOを英国に設置する理由等についてお尋ねがありました。  GIGOの本部を英国に設置する場合と我が国に設置する場合とでそのコスト等を比較したものではありませんが、三か国間でのバランスの取れた協業体制を構築するため、GIGOの初代トップを日本が、本部の所在地を英国が、共同事業体制の初代トップをイタリアがそれぞれ分担することで三か国で合意したものです。  その上で、我が国主導の開発を確保する上では、GIGOの立ち上げと、GCAPの将来を左右する重要な立場を担うGIGOの初代首席行政官を日本人とすることは、極めて意義があると考えています。  また、共同開発を推進していくために必要な技術や情報の共有、人員の移動を確保することは三か国にとって必要不可欠であり、GIGO本部の所在地によって影響を受けるものではないと考えています。  次に、GIGOの雇用契約についてお尋ねがありました。  本条約において、「雇用契約は、締約国の最良の慣行を反映した労働者の権利の保護を確保するものとする。」と規定されているところ、給与面も含めたGIGOにおける具体的な雇用契約の内容については現在三か国で検討中です。  いずれにせよ、同じ職責の職員の間での不平等などを生じさせることなく、派遣される職員が安んじて派遣先機関の業務に従事できるよう努めてまいります。  次に、GCAPにおける知的財産権の取扱いについてお尋ねがありました。  優れた次期戦闘機を共同開発するため、GCAPにおいては、日英伊三か国間で必要な技術やノウハウを共有します。GCAPで新たに発生する知的財産権の取扱いについては、お尋ねのような事項も含め、今後、英国及びイタリアとの協議の上、企業側との契約等に適切に反映してまいります。  三か国が重視する改修の自由をそれぞれが確保していく上でも、技術等を共有し、各国が使用できることは不可欠であることから、防衛省において必要な検討を行い、我が国としての技術の使用を適切に担保してまいります。  次に、次期戦闘機の製造についてお尋ねがありました。  お尋ねのような製造拠点等も含め、次期戦闘機の生産の在り方については現在三か国で協議中です。その上で、我が国主導の開発のためには国内に生産・技術基盤を確保することが重要であり、これを踏まえ、次期戦闘機の生産にも取り組んでまいります。  次に、GIGOにおける秘密保全についてお尋ねがありました。  我が国は、特定秘密保護法に基づき、GCAPにおいて取り扱う秘密情報を特定秘密に指定し、管理しています。GIGOにおける秘密情報の保護の体制については、三か国及びGIGOにおいて同等の秘密には同等の保護措置が与えられるようにする予定です。  また、日英伊からGIGOに派遣される職員が秘密情報を取り扱うための情報保全に係る手続は当該職員の派遣国が実施することを考えています。  次に、輸出に関する仕組みについてお尋ねがありました。  お尋ねの仕組みは、次期戦闘機の輸出を効率的に、効率的かつ円滑に行うため、日英伊三か国が各国の輸出管理についての国内法規等を理解した上で構築する輸出のための共通の手続であり、具体的な内容については関係当局間の別途の取決めで定めることとなっています。  その上で、当該仕組みは、本条約、適用のある国際協定並びに武器輸出管理制度に関する約束を含む各国の法的義務及び規則を反映するものとなります。我が国においては、我が国が参加している国際輸出管理レジームにおける約束、当該レジームの内容を反映している外為法やその運用基準である防衛装備移転三原則等が含まれます。  次に、防衛装備移転三原則及び運用指針に関し、GIGOの設置国との関係及び改正の理由についてお尋ねがありました。  GIGOの本部については、三か国間でのバランスの取れた協業体制を構築するため、英国に置くことで合意したものであり、防衛装備移転三原則及び運用指針を理由に決定したものではありません。  また、本年三月に運用指針を改正し、次期戦闘機の完成品をパートナー国以外の第三国に我が国から直接移転し得ることとしたのは、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現し、我が国防衛に支障を来さないようにするために、直接移転を行い得る仕組みを持ち、英伊と同等に貢献し得る立場を確保するためです。  これは、政府としてその必要性について与党に丁寧に説明を行い、また、国民の皆様の理解を得る観点から国会の質疑に答える形で政府から説明した上で行ったものであり、強引に改正したとの御指摘には当たりません。  次に、次期戦闘機のパートナー国から第三国への移転についてお尋ねがありました。  次期戦闘機のパートナー国である英国及びイタリアとの間では防衛装備移転に関する協定を締結しており、当該協定により第三国移転について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けております。  その上で、英国及びイタリアがGCAPの完成品を第三国に移転する際の我が国の事前同意については、事前同意を与える相手国にとっての安全保障上の意義等を考慮しつつ、第三国移転において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているか否かを含めた国際的な平和及び安全への影響、第三国移転と我が国の安全保障上の関係等を考慮して慎重に検討を行い、事前同意の可否を厳格に審査することになります。  次に、次期戦闘機の移転先の限定についてお尋ねがありました。  我が国は、相手国と我が国との間の安全保障面での協力関係、協力候補案件・分野の存在等を検討した上で、防衛装備品・技術移転協定の締結の要否を決定しています。  その上で、次期戦闘機の我が国から第三国への直接移転について、移転先国は国連憲章の目的と原則に適合する方法で使用することを義務付ける国際約束の締結国に限定しておりますが、これは最先端の戦闘機という装備品の性質を踏まえて、他国への侵略等、国連憲章の目的と原則に適合しない形で使用されることがないことを法的拘束力のある形で確保するためのものであり、適切な限定を付していると考えています。  なお、実際の移転に際しては、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国へは移転しないこととし、さらに、移転先が国際的な平和及び安全等にどのような影響を与えているか等を踏まえ、厳格に審査することとしており、国際約束を締結さえすればどの国にも移転できるとの御指摘には当たりません。(拍手)    〔政府特別補佐人近藤正春君登壇〕

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