○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史です。
ただいま議題となりました、衆議院で公明党と日本維新の会が賛成した自民党の政治資金規正法改正法案について、反対の討論を行います。
「今や、幾多の先人の努力の積み重ねにより築き上げられてきた議会制民主主義や政党政治は、その土台を大きく突き崩されかねない極めて憂慮すべき事態となっている。 政治家にとって国民の尊敬と信頼が最高の基盤であることを忘れ、政治家が政界内部にのみ配慮するようになると、国民の常識と遊離することになる。」。
これは、現状のことを言っているのではありません。平成元年、リクルート問題等による政治不信が高まる中、竹下総理から諮問を受けた政治改革に関する有識者会議がまとめた提言の一部です。平成の時代が過ぎ、令和の世になっても、またもや政治が先達の警告した憂慮すべき事態に陥ってしまっていることを遺憾に思います。
また、政治改革に関する有識者会議の提言には、政治腐敗は、つまるところ政治倫理、すなわち、国民の常識を無視するところから生じるという記述もあります。政治倫理とは国民の常識であります。
私たちは、こうした考え方に立ち戻り、政治資金の問題を始めとした諸課題について、国民の常識に照らして、どうあるべきかを議論していく必要があります。
この観点に立って、以下、自民党案に反対の理由を述べます。
反対理由の核心は、真相の究明がなされていないこと、さらに、究明のための努力がなされていないことにあります。
今回の法改正のそもそものきっかけは、自民党の一部の派閥、議員の収支報告書の不記載、虚偽記載の問題です。この不正を誰が、いつ、どのような理由で始め、行ってきたのか明らかにしなければ、再発防止策は取れません。
自民党の行った弁護士も参加された聴き取り調査の報告書を拝見しましたが、聴取事項は、収支報告書の訂正内容、不記載となっていた金銭の有無及びその内容、金銭の還付があったか否か、還付金が存在していた事実の認識の有無、還付金が記載されていなかったことの認識の有無とその理由、還付金の管理者・管理方法、還付金の使用の有無・使途、本件についての所信、これが全てです。不正を誰が、いつ、どのような理由で始め、行ってきたのかということを究明することにつながる聴取事項が全く見当たらず、真相を究明しようとする姿勢がないと断ぜざるを得ません。
事件の発覚以降、なぜかほとんどの派閥の解散が行われました。自民党内において、派閥の存在が問題なのではなく不正が問題なのではとの議論があったと聞きます。同感であり、なぜ派閥を解散したのか、いまだ理解不能です。
また、パーティー券購入の公開について、十万円超であるべき、いや、五万円超であるべきとの議論も行われてきましたが、それが再発防止に資する議論なのかと、これまたいまだ違和感が拭えません。こうした理解不能な対応や議論の迷走は、真相の究明がなされていないことが生み出した混乱ではないでしょうか。徹底した調査を行い、その上で法改正を行うことを求めます。
以上で反対の理由は尽くされていると考えますが、次に、改正法案の問題点を述べます。
政策活動費についてです。
この本会議で衆議院で公明、維新が賛成した自民党案が可決されれば、今まで政治資金規正法に明記のなかったいわゆる政策活動費が法律に規定されることになります。
この法案には、十年後に領収書を公開する、年間の上限額を設定するなどの日本維新の会の意見を踏まえた内容が盛り込まれています。十年後であっても領収証の黒塗りは否定されない。罰則はその要否を含めて検討する。十年後の領収証で脱税が発覚しても、最長七年の時効が成立しており、罪に問われることはない。国民の常識に照らして、透明性向上に値する納得いく制度とは到底言えません。
また、政策活動費を必要な支出とする一方、年間の上限額を設ける理由は何かとの問いに、透明性の確保のためと意味不明な説明がなされました。必要な支出なら、限度額など設けずに正々堂々と支出すればよいのではないですか。こんな法改正をすれば、政策活動費というものに対する国民の不信を逆に高めることになりかねません。これまでのいわゆる政策活動費として支出する方がまだましと言えるのではないでしょうか。
また、不正の再発防止策と言えそうな国会議員関係政治団体の代表者の責任強化についても、国民民主党の提出法案にあるような、収支報告書の提出を会計責任者のみならず代表者の国会議員にも義務付けるというシンプルかつ実効性あるものではなく、確認書の交付が導入されるのみです。確認書を出すに当たり、入出金の具体的な流れをどこまでチェックすべきかが不明確であり、形式的な確認書を出しただけで罰則を免れることとなるのではないかといった指摘まであります。これが本当に不正に対する抑止力になるのか、甚だ疑問です。
しかしながら、ただ一つ評価できる点もあります。今回の法案の附則十三条では、私たち国民民主党が主張してきた、犯罪があった場合の政党交付金の交付停止について、「交付をしないこととする制度を創設するため、必要な措置が講ぜられるものとする。」とされています。
一方、外国人のパーティー券購入禁止や自分の政党支部への寄附による節税の禁止については「検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」とされ、措置を講じるのか、講じるのだか講じないのだか、分からない規定になっています。
それに対して、政党交付金の交付停止は、制度を創設するため必要な措置を講じることを断定をしております。私たち国民民主党の提案を明確に法案に取り入れたことを評価します。今回の法案全体を撤回し、この部分だけの改正を行われることを強くお勧めを申し上げます。
今回の法改正のそもそものきっかけは、自民党の一部の派閥、議員の収支報告書の不記載、虚偽記載の問題です。この不正を誰が、いつ、どのような理由で始め、行ってきたのか、それを今明らかにしないまま、派閥を解散することで目先を変え、実効性があるのか疑わしい法改正を行っても、政治不信が解消されるとは思えません。
徹底調査の上で、国民の常識に基づいた法改正をすることを求め、反対討論を終わります。(拍手)
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