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浅野哲 ·国民民主党・無所属クラブ

衆議院憲法審査会(2025-03-13)での発言

第217回国会 ·第第1号号 ·1,851字
○浅野委員 国民民主党の浅野哲です。  本日の審査対象は、選挙困難事態の立法事実についてであります。私は、選挙困難事態に係る一体性要件について、任期特例の必要性についての二点について意見を申し述べます。  初めに、繰延べ投票制度について触れ、選挙の一体性の観点から意見を述べます。  私は、繰延べ投票の制度本来の趣旨は、まさに選挙の一体性の担保にあると考えています。これは、災害等の選挙困難事態が発生し、施行日に投票が行えない場合であっても、全選挙区での選挙が同時に実施されたものとみなす制度だという点において、疑いようのないことです。しかし、戦争や内乱、自然災害、感染症蔓延など、選挙が困難な状況が数か月以上の長期に及ぶような事態においては、繰延べ投票制度では選挙の一体性を担保することはできないと考えます。  憲法審査会事務局の試算によれば、東日本大震災直後の地方選挙実績に基づき衆議院選挙が行われた場合の影響を試算すると、衆議院定数の一四・八%に当たる六十九名分の議席が施行日時点で空席のままとなる見通しです。同時に、全ての議席が確定するまでに半年以上の期間を要するとの試算結果も示されました。また、今後想定されている南海トラフ地震や首都直下型地震で予想される影響は、それぞれ二八・六%、百三十三名分、二三・九%、百十一名分もの議席が施行日時点で空席のままとなる見通しです。  そもそも、国政選挙においては、衆院選直後の特別国会において首班指名選挙が行われることの重要性や、災害、紛争、感染症蔓延等の選挙困難事態に直面する地域から選出された議員がいない状態の議会に民主的正統性、社会学的代表性があるかなどの議会の正統性に関する論点が残っております。  したがって、国政選挙直後に国会が召集される時点で全ての議席が確定していることは大前提とすべきであり、その一体性が担保できないことを選挙困難事態の認定要件とすることには合理性があると考えます。  次に、任期特例の必要性についてです。  既に法制局から示されたとおり、東日本大震災や阪神・淡路大震災直後の地方選挙では、震災特例法により多くの地域で地方選挙の選挙期日が延期され、選挙が実施されるまでの期間、地方議員や首長の任期が延長されました。  一方、本審査会では、これまで参議院の緊急集会による補完論も他会派から度々主張されてきましたが、私は今回、衆議院の任期特例が必要との立場から、以下、意見を申し述べます。  まず、参議院の緊急集会は、憲法五十四条の二項、三項に規定されておりますが、同条一項には、衆議院解散の日から七十日以内に特別国会を召集することが定められています。法文構造上、参議院の緊急集会は、衆議院が解散されてから特別国会が召集されるまでの間に緊急の必要が生じた場合に、内閣からの要請に応じて開催されることが想定されていると解釈するのが適当です。  そもそも、約八十年前に帝国議会で行われた帝国憲法改正案の審議において、衆議院議員不在時に発生した緊急事態に対処する方法として、当初は閣令で対応することが提案されたものの、民主政治の徹底と国民の権利保護の観点から、内閣ではなく国民代表である参議院の緊急集会が選択されたという経緯があります。  したがって、憲法五十四条には民主政治の徹底と国民の権利保護の理念が内包されており、それを具現化するための規定として、まずは衆議院不在期間に限度が設けられたと考えることができます。この限度を超える期間、言い換えれば、現行憲法が想定する範囲を超える期間にわたって衆議院が機能しないことが想定される場合には、任期特例による二院制保持の正統性は、権力の偏在是正や固定化を回避する観点からも主張できるものと考えます。  ここで法制局に質問いたします。答弁は、発言の後、お願いいたします。  参議院の緊急集会による暫定的な対応が許容される期間について、これまでどのような議論が交わされたのか、概略を御紹介ください。  以上、大規模な自然災害や戦争、テロ、内乱、感染症蔓延など、選挙を実施することが難しい期間が一定期間以上継続する場合、繰延べ投票制度や参議院の緊急集会のみでは選挙の一体性及び議会の正統性を担保することは難しいのではないかと考えます。そのような状況下でも国会機能を維持するために、国会議員の任期特例を設けるべきであることを改めて主張し、私の発言を終わります。

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