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浅尾慶一郎 ·自由民主党 ·環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

衆議院本会議(2025-05-08)での発言

第217回国会 ·第第24号号 ·3,509字
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 仙田議員から、本法律案と二〇四〇年度の電源構成との関係についてお尋ねがありました。  今般の環境影響評価法の改正により講じる措置は、事業の位置や規模が大きく変わらない工作物の建て替え事業に係る環境影響評価手続について、環境配慮は維持しつつ、一部の調査を不要とするなど適正化を図るものです。  このような措置を通じて、適切な環境配慮が確保された地域共生型の再エネの導入が促進されること等により、二〇四〇年度の電源構成の実現に資するものと考えています。  次に、環境影響評価手続における事業者負担の軽減についてお尋ねがありました。  本法律案では、建て替え事業に係る配慮手続を見直しておりますが、これに加えて、既設の発電所の稼働中に実施した調査結果等を効果的に活用すること等により、配慮書手続以外の手続についても環境影響評価の評価項目の絞り込み等を図ることが制度運用上可能であると考えています。  今後、建て替え事業の事業特性を考慮した評価項目の絞り込み等に係る技術的な考え方の整理など、更なる効果的、効率的な環境影響評価を実現するための取組を進めてまいりたいと考えています。  次に、環境への配慮が不十分な事業者への対応についてお尋ねがありました。  環境影響評価法では、事業者が行う環境影響評価に対し、環境大臣が環境保全の見地から意見を述べる機会を確保しています。  事業者による調査や環境保全措置等が不十分であると判断される場合については、環境大臣から追加的な調査の実施や事業計画の見直しも含めた意見を述べ、免許等の実施権者は環境大臣意見を勘案した意見を述べた上で、この意見を踏まえた最終的な環境影響評価の結果を免許等の審査に反映させることで、適正な環境配慮を確保していきます。  また、環境大臣意見では、事業活動によって重大な環境影響の懸念が生じた場合における環境保全措置についても必要に応じ求めてまいります。これにより、稼働中の風力発電事業についても、事業者が適切な環境保全措置を講ずるよう促してまいります。  次に、環境影響評価を実施していない風力発電事業の建て替えを本法律案の手続の見直しの対象とすることの妥当性についてお尋ねがありました。  既設工作物と位置や規模が大きく変わらない工作物を新設する建て替えの事業については、過去に環境影響評価を実施しているかどうかにかかわらず、既存事業が現に環境に及ぼしている影響に関する調査結果を活用することで、より効果的、効率的に環境配慮をすることが可能であることから、本法律案による手続の見直しの対象としています。  仮に、既存事業の環境影響を調査した結果、現に重大な環境影響が発生しており、かつ、建て替え後の事業においても当該環境影響の回避、低減が十分になされないような場合には、環境大臣から、立地も含めた事業計画の大幅な見直しを求める意見を述べることで適切な環境配慮を確保してまいります。  次に、環境影響評価法の対象にならない事業が累積することによる環境影響についてお尋ねがありました。  我が国の環境影響評価制度は、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業については法律により手続を義務づけ、比較的規模が小さい事業については、地域的な特性を踏まえ、自治体の判断に応じて条例により手続を義務づけることにより、国と自治体が一体となって事業における環境配慮を確保する仕組みとなっており、環境影響評価法の規模要件を下回る事業については、必要に応じ条例によって規制されることとなると考えています。  その上で、環境影響評価法の対象にならない規模の事業も含め、各事業において、地域全体の環境に配慮し、累積的な環境影響を把握した上で、回避、低減を図っていくことも重要であり、引き続き、我が国における累積的な環境影響評価に係る技術的な考え方等について検討を進めてまいります。  次に、本法律案による特例の対象となる火力発電事業の考え方についてお尋ねがありました。  環境影響評価法では、環境負荷を可能な限り回避、低減するベスト追求型の環境影響評価を行うことを基本的な考え方としており、御指摘のような、特定の環境負荷に関する一定の目標値を設定し、それを満たすかどうかといった観点で特例の対象となるか否かを判断する仕組みとすることは、必ずしも適当ではないと考えています。  このため、特例の対象はあくまで工作物の出力や開発される土地の面積等の規模によって規定することとし、建て替え事業によって生じ得るCO2の排出等の具体的な環境影響については、環境影響評価手続の中で事業者に調査、予測及び評価をさせるとともに、環境大臣が環境保全の見地から適切に意見を述べること等により、環境負荷の回避、低減のための検討が適正になされることを確保してまいりたいと考えています。  次に、いわゆる環境影響評価図書の継続公開に当たっての運用についてお尋ねがありました。  環境影響評価図書は、事業者のウェブページ等ではなく、環境省が管理運営するウェブページにおいて一元的に公開するなど、事業者により負担のかからない形式で継続的に公開することを念頭に置いています。その上で、今後、業界団体等の意見等もしっかり伺いながら、制度の施行に向けて、効率的、効果的な運用方法等を検討してまいりたいと考えています。  次に、いわゆる環境影響評価図書から得られる情報の積極的な活用についてお尋ねがありました。  環境影響評価図書に含まれる情報に関しては、希少な動植物種の生息、生育地のような機微の情報も含まれていること、事業によって、調査手法や調査時期等が異なり、データの粒度や精度等が異なっていること、事業者自らが取得した情報も含まれており、事業者が保有する知的財産権の侵害やデータ提供による不利益が生じるか否か等について慎重に検討をする必要があること等に留意する必要はありますが、御指摘のとおり、環境影響評価手続で得られた環境データを適切な形で、より利便性の高い形式で活用できるようにしていくことは、環境保全の観点から重要であると認識をしております。  環境省では、事業者が作成した環境影響評価図書に含まれる環境保全措置や地域の生物種等の情報を環境アセスメント事例全国マップとして整備、公表するなどして、事業者に情報提供を行ってきたところであり、引き続き、こうした方策を通じて環境影響評価図書を積極的に活用してまいります。  次に、本法律案の対象となる原子力発電所の考え方についてお尋ねがありました。  原子力発電所の設置に当たっては、放射性物質の放出による影響等を含め、その安全性については、独立性の高い原子力規制委員会において、科学的、技術的根拠を基に、厳格に審査が行われるものと認識しています。また、発電所の設置に伴う土地改変、温排水の排出等による環境影響については、配慮書手続を含む環境影響評価手続の実施を通じて、適切な配慮を確保していくこととなります。  その上で、原子力発電所の建て替え事業については、改正法案で定義する建て替えの要件に該当するもの、具体的には、既存工作物を除却又は廃止するとともに、既存工作物と同一又は近接する区域に同種の工作物を新設する事業であれば対象となりますが、建て替えの要件の詳細については、今後、技術的な検討を経た上で政令で定めることとしています。  なお、今回の改正は必ずしも環境影響評価法上の手続を緩和するものではなく、既存事業の環境影響を考慮した環境配慮の内容を配慮書に記載させる点も含めて、配慮書手続を建て替え事業の特性を踏まえて適正化するものとなります。  いずれにしましても、建て替えの要件の検討のため、丁寧な情報収集に努めてまいりたいと考えています。  最後に、本法律案によって措置する事項以外の現行制度の課題と今後の対応方針についてお尋ねがありました。  環境影響評価制度に対しては、中央環境審議会からいただいた答申においては、本法律案によって措置する事項のほか、環境影響評価の対象となる風力発電事業の規模要件の見直し、累積的な環境影響への対応といった事項等が制度の課題とされています。  これらについても、関係者の御意見を丁寧にお聞きするなどしながら、引き続き、下位法令の見直しや技術的な考え方の整理などの取組を着実に進めてまいります。(拍手)

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