○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
省庁別審査の最後のバッターをさせていただきます。初めてのこうした試みに敬意を表したいと思います。
ただ、見ていて、いま一つ盛り上がっていない部分もあるかなと思って、私もその一人かもしれませんけれども。やはり、単なる言いっ放しであったら盛り上がりませんから、しっかりと、予算の組替えなりで成果が出る前例ができれば、これからまた盛り上がってくるんじゃないかなと思いますから、この一回で終わらせることなく、これから定例化していただければというふうに思います。
それでは、まず、財政審の建議について。
昨年の十一月二十九日に財政制度等審議会の建議が出されまして、そこの中でこうした記述があります。現在の農業の構造的課題は、すなわち、生産、経営において多額の国民負担に基づく財政支援や種々の規制等が存在することにより、生産性向上、経営の効率化が十分に進まず、収益性の向上を通じた産業としての自立化が進まないことである。
財政支援をやっているから農業は駄目なんだというんですけれども、これは本当なんでしょうか。
私は農業経済学というものを学んでおりまして、農業経済学科は、経済学部じゃなくて農学部にあるんですね。それはなぜそうなのかということを最初の授業で私たちは習うんです。それは、まず農業というのは、需要に応じて生産できないんです。種を植えて、できる頃にはもう需要は変わっているかもしれなくて、需要があったから即生産ということができない。しかも、在庫が困難でありますから、その日一日一日、一時間一時間、出荷が遅れると、その価格が下がっていく。だから、価格形成が困難なんですね。
普通のこうした携帯電話は、皆さん、マーケットで決まっていません。大体、物が決まっていて、こういうものを独占価格とか寡占価格といいますけれども、情報が非対称性の中、アダム・スミスの神の見えざる手で値段が決まるという小学校で習うことは、農業の分野ではあっても、一般の経済ではないので。よって、公的な関与が必要であり、どのような公的関与を行うかというのを研究するのが、私がちょっとかじった農業経済というものなんですね。
だから、そういう中で、農業経済の世界では、ほとんど、財政負担があるから農業が駄目になったなんという議論は、世界中で私は行われていないというふうに思っております。
この建議の中で、二〇〇〇年度と二〇二四年度を比較して、農業者への直接の財政支援を含む公共事業以外の予算額は、食料安定特別会計への繰入れを除きほぼ同水準である。よって、農業生産の規模を比較してみると、内訳には変化はあるものの、九兆円程度の総額に大きな違いがない。つまり、予算が一定だったら、農業生産も一定だった。それから導かれるのが、農業分野の予算総額の減少が農業生産の減少につながるという明確な関係が見られない。予算が一定で生産が一定なんだから、予算を減らしたって、別に減らされるわけではない。裏を返せば、予算総額の増額がすぐさま農業の振興につながるかというと、つながらない。
これはまさに牽強付会というんですよ、こういうのを。論理的に破綻しています。予算が維持されているから、人口減少で需要が減る中で生産が維持されたかもしれないし、需要に応じて生産構造が変化したかもしれないのに、そうした政策効果を全く無視して、しかも、これは数学的にもおかしい、論理学的にもおかしい。東大法学部を出た財務官僚というのは、よくこういうことをやりがちなんですね。私は、財務官僚の致命的な欠陥じゃないかというふうにも思います。
それで、もっともらしく、横文字をこういうときは出すんですね。国際的な農業保護の水準を示す指標であるPSE、プロデューサー・サポート・エスティメートを参照すると、OECD各国との比較において、日本はPSEの比率が相対的に高い状況にある。
確かに、PSEはOECD諸国の平均より高いんですね。このPSEというのは、直接支払いと、関税等の生産者への間接的な所得移転の二つで成り立っています。後者はMPS、マーケット・プライス・サポートというんですけれども、これは日本と韓国だけ、OECDの中では高いんですね。
日本は、直接払いじゃなくてこのMPSが九割なんです、占めているのは。日本は農産物の関税は極めて低水準でありますから、MPSの大部分は、内外価格差から計算される計算上の数値なんです。日本の農産物の価格と海外の農産物の価格の差から計算、出されたものであって、ここに財政支出とかは関係ないんですよ。全然関係ないんですよ。
すなわち、PSEが高いということは、単に日本が他の先進国に比べて直接支払いが著しく低いということを示しているにすぎなくて、財政支出が多いなんてどこにも書いていないのに、そういうふうに曲解しているんです。引いている三菱総研のところを見たって、そんなことはどこにも書いていないんです。ネット上を漂う偽情報と変わらないレベルのことを財政審建議は言っている。とても学問的な裏打ちのあるものとか、最近はやりのEBPMと言われるエビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングにもなっていない。
財務大臣、本当にこれは恥ずかしいレベルだと思うんですよ、申し訳ないですけれども。私が大学で教えているとき、こういう論文が出てきたら不可にします。本当に農業経済学とかの専門家の意見を踏まえて資料を集め、作っているのか。是非コメントをお願いいたします。
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…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=福島伸享
MCP: search_diet_speeches(speaker="福島伸享")