○森本真治君 私は、ただいま可決されました医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、製造販売業者等の薬事に関する業務に責任を有する役員の変更命令を発出するに当たっては、事業者の経営権にも十分に配慮し、事業者が自律的に役員体制の見直しを行えるようにあらかじめ必要な指導を徹底すること。また、役員の変更命令を発出する場合の判断の考え方や手順をあらかじめ公表すること。
二、後発医薬品製造基盤整備基金による支援を始めとした、本法に規定する医薬品の安定供給のための措置の実施状況を踏まえ、医薬品の供給不足が解消されない場合は、後発医薬品の産業構造や薬価の見直しを含め、医薬品の安定供給のための措置を検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずること。
三、条件付き承認に当たっては、承認後に行う検証的臨床試験の内容及び臨床試験成績に関する資料を提出する期限等を可能な限り具体的に定め、正当な理由なく期限内に検証的臨床試験によって有効性及び安全性が確認できなかった場合には承認取消し権限を適切に行使すること。
四、条件付き承認制度によって承認された医薬品等については、市販後の安全対策を強化することが必要であり、承認に当たっては、強化する市販後安全対策の内容を具体的に定めること。新型コロナワクチンの安全対策においては、収集した副反応情報の因果関係評価について、α(因果関係が否定できないもの)、β(因果関係が認められないもの)、γ(因果関係が評価できないもの)の三カテゴリーに分ける基準が採用されていることや、医薬品等によっては収集された副作用等の情報の九十九パーセント以上が因果関係が評価できないとされている現状を改めるため、評価基準を見直すこと。また、安全対策には医薬品副作用被害救済制度における情報も活かすこと。
五、条件付き承認制度によって承認された医薬品等については、同制度の下で承認された医薬品等であり検証的臨床試験等を経ていないことや承認条件をわかりやすく明記するとともに、医療現場や患者に十分な情報提供を行うこと。
六、医薬品等の有効性及び安全性の評価において最も信頼性の高い方法は、比較臨床試験であること、薬事承認申請に際して添付する資料を定めた一般規定である本改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第十四条第三項等の「品質、有効性及び安全性に関する資料として厚生労働省令で定める資料」は、原則として、臨床試験の試験成績に関する資料であることに変わりがないことを改めて確認すること。
七、リアルワールドデータは臨床試験に完全に代わるものではなく、薬事承認におけるリアルワールドデータの利活用には、適合性及び品質が適切なレベルで担保されたデータベースの構築とリアルワールドデータの利点と限界を十分に踏まえた基準の確立等が必要であり、引き続きリアルワールドデータの利活用のための適切な基盤の構築に努めていくとともに、リアルワールドデータのみに基づく薬事承認は慎重に検討すること。
八、薬局医薬品の製造販売業者に対し、小児用薬局医薬品の開発計画の策定を努力義務として課すに当たっては、欧米において開発が免除又は猶予されるケースがあることを踏まえ、当該規定が実効性を欠いたものとならないよう適切な運用を図ること。
九、革新的医薬品等実用化支援基金について、創薬環境の整備に資する事業に対して適切な支援が透明性をもって行われるよう、対象事業に関する基準の策定、対象事業の認定及び認定取消し等を適正に行うとともに、基金の執行状況について定期的に公表すること。また、ドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消に向けた取組を進めるに当たっては、将来にわたってこうした問題が拡大しないよう、国内における医薬品開発が速やかに行われるための適切な措置を講ずること。
十、処方箋なしでの医療用医薬品の販売についていわゆる零売規制の具体的な運用を定める厚生労働省令やガイドライン等の策定に当たっては、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の積極的なOTC化推進及び薬剤師との相談を通じて患者が主体的に医薬品を選択・購入するセルフメディケーション推進の政策方針に逆行することがないよう留意し、処方箋の交付を受けた者以外の者に対して医療用医薬品の販売が認められる「やむを得ない場合」の範囲・運用については、国民の医薬品へのアクセスを阻害しないよう十分に配慮すること。当該運用については、本改正以前より零売を行ってきた薬局等が、国民の医薬品へのアクセスに一定の役割を果たしていることも考慮し、過度な指導や規制により営業継続が困難となることのないよう、必要最小限かつ合理的な規制措置にとどめること。
十一、指定濫用防止医薬品の販売規制の具体的な運用を定める厚生労働省令やガイドライン等の策定に当たっては、国民による医薬品の適切な使用を推進する観点から、指定濫用防止医薬品の範囲、販売方法、情報提供の在り方等について、科学的根拠に基づき検討を行うこと。特に、若年層における濫用実態や、地域・時間帯・使用者によっては医薬品へのアクセスが容易ではないことを踏まえつつ、医薬品へのアクセスを不当に制限することがないよう、多様な販売形態を考慮し、濫用防止と利便性のバランスに配慮した規制とすること。当該販売規制の運用については、本改正以前より医薬品販売を行ってきた薬局等が、国民のセルフメディケーションにおいて一定の役割を果たしていることも考慮し、過度な販売規制により営業継続が困難となることのないよう、必要最小限かつ合理的な規制措置にとどめること。
十二、市販薬の濫用の背景には、生きづらさや、孤独・孤立等の社会的不安があると指摘されていることから、その対策を進めるに当たっては、販売規制のみならず、医療、福祉、教育などの分野において、関係府省間で対策を進めること。
十三、地域における薬局の役割・機能を更に整理・明確化し、国民にわかりやすいものとするとともに、地域に必要な役割・機能を持つ薬局に対し、適切に診療報酬上の評価を行うこと。
十四、国連女子差別撤廃委員会の勧告を尊重し、緊急避妊薬の全国の薬局での恒久的な販売について、面前服用を始め、年齢制限、親の同意、価格などのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する自己決定権)に関する諸課題の解消に向けた検討を行うこと。また、検討に当たっては、これまでヒアリングやパブリックコメントでしか意見を聴いてこなかった当事者、とりわけ若い世代の意見を代表する者を検討の場に参画せしめ、具体的運用の決定過程に関与させること。
十五、特定要指導医薬品に関する薬剤師による服薬指導及び情報提供について、研修受講などの条件が必要な場合には、それを満たすよう、全ての薬剤師が受講できる機会を提供すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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MCP: search_diet_speeches(speaker="森本真治")