SEISAKU DB トップ
SEISAKU DB
植田和男 ·日本銀行総裁

参議院財政金融委員会(2025-06-03)での発言

第217回国会 ·第第15号号 ·1,545字
○参考人(植田和男君) 私ども日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。  まず、最近の金融経済情勢について御説明いたします。  我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引上げに伴う駆け込みの動きが見られますが、基調としては横ばい圏内の動きを続けています。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しています。こうした下、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな増加基調を維持しています。先行きについては、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、我が国企業の収益なども下押しされる下で、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられます。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していく下で、成長率を高めていくと見込まれます。  物価面ですが、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続く下で、既往の輸入物価上昇や米など食料品価格上昇の影響もあって、足下では三%台半ばとなっています。先行きについては、これまで物価上昇率を押し上げてきた既往の輸入物価上昇やこのところの米などの食料品価格上昇の影響は減衰していくと考えられます。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は、成長率が高まる下で人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、私どもの展望レポートの見通し期間後半には物価安定の目標とおおむね整合的な水準で推移すると考えられます。  こうした見通しをめぐるリスク要因としては様々なものがありますが、特に各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向をめぐる不確実性は極めて高く、その金融・為替市場や我が国経済、物価への影響については十分注視する必要があります。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有していると判断しています。  次に、金融政策運営について御説明申し上げます。  日本銀行は、五月の金融政策決定会合において、無担保コールレート・オーバーナイト物を〇・五%程度で推移するよう促すという金融市場調節方針を維持することを決定しました。先行きについては、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえますと、展望レポートでお示しした経済、物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。その上で、こうした見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性が極めて高い状況にあることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考えています。  今後とも、日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。  ありがとうございました。

植田和男 の他の発言

2026-04-09 · 参議院財政金融委員会
○参考人(植田和男君) 片山大臣のお答えとほぼ同じでございますが、財政政策のROEへの影響については様々な可能性があって、一概には評価は難しいと思います。  ただ、一般論として申…
2026-04-09 · 参議院財政金融委員会
○参考人(植田和男君) 財政支出に伴いまして、市場金利が上昇してクラウディングアウトが生じる可能性はあると思います。  ただ、現状では、短中期のゾーンを中心に実質金利ははっきりと…
2026-04-09 · 参議院財政金融委員会
○参考人(植田和男君) 我が国企業のROEでございますが、委員の御指摘のとおり、個別の企業間のばらつきは大きいんですが、全体として平均して見ますと、米欧の企業と比べて低い水準、低め…
2026-03-30 · 衆議院予算委員会
○植田参考人 お答えいたします。  私ども、金融政策は為替相場を直接コントロールすることを目的としたものではございません。しかし、当然のことながら、為替相場の動向は我が国の経済、…
2026-03-30 · 衆議院予算委員会
○植田参考人 為替相場の動向も含めて、現下の様々な金融経済情勢を動かしている要因が、持続的にインフレ率を二%に安定的に誘導するという私どもの目標に照らしてどういうインプリケーション…
2026-03-30 · 衆議院予算委員会
○植田参考人 長期金利は、先行きの経済、物価情勢あるいは金融政策、財政政策に対する市場の見方などを反映して変動するものでございます。先行き二%の物価安定の目標が達成される確度が高ま…
2026-03-26 · 参議院財政金融委員会
○参考人(植田和男君) ちょっと具体的なイメージが取りあえず湧きませんので具体的になかなかお答えしにくいですけれども、現在でも国債以外にETFをある程度の金額保有しております。で、…
2026-03-26 · 参議院財政金融委員会
○参考人(植田和男君) 現在大量の国債を日本銀行が保有しておりますのは、しばらく前までインフレ率を引き上げるために、目標に近づけるために大規模な金融緩和という政策を行っておりまして…

API / MCP 利用

国立国会図書館 国会会議録 API を構造化

REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=植田和男
MCP: search_diet_speeches(speaker="植田和男")