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岩渕友 ·日本共産党

参議院本会議(2025-05-09)での発言

第217回国会 ·第第17号号 ·2,949字
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、下請代金法及び下請振興法改正案について質問します。  トランプ関税による影響と不安が広がっています。五月三日、トランプ政権は、自動車関税に加え、自動車部品に対して二五%の追加関税を課す措置を発動しました。自動車部品は自動車に次いで輸出額が大きいことに加え、裾野が広く、サプライチェーンには幅広い事業者が関わっています。  衆議院の審議で武藤経済産業大臣は、取引適正化の取組に影響を与えないようにすることが重要だとして、自動車業界各社のトップに、雇用維持や賃上げの原資の確保のため、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定をすることなどを直接要請したと答弁しました。取引先の更に先まで価格転嫁できるように、各社の取組がどう具体化されているのですか。要請どおりの対応が行われているのですか。また、政府自身が雇用を守る責任をどう果たすのですか。  日本商工会議所会頭が中小企業にコストダウンの圧力を掛けないか懸念していると述べているように、取引先へのコストカット圧力、リストラ、非正規切り、賃金抑制などが大規模に起きかねません。こうしたことをさせないよう、どのような対策を取るのですか。不当なトランプ関税の全面撤回を求めるべきではありませんか。以上、経産大臣に伺います。  本法案は、我が国の雇用の七割を占める中小企業が賃上げの原資を確保できるようにするため、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させるとしています。そもそも価格転嫁がなぜ進んでこなかったのでしょうか。また、本法案で大きく進む保証はあるのでしょうか。  以下、法案について三点質問します。  一つ目は、価格転嫁についてです。  大企業の下に中小・小規模事業者がピラミッド状に連なる多重下請構造により、買いたたきなど、親企業が下請企業に不公正な取引を押し付けるやり方が横行している国は世界でも日本だけです。  昨年九月の価格交渉促進月間フォローアップ調査結果では、一次下請企業の価格転嫁率は五割を超える一方、四次請け以上の企業は約三五%程度であり、全く転嫁できなかった、又は減額された企業は四割近くに上ります。取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合は低くなっています。  本法案では、価格協議を求められた親事業者側が協議に応じないことや、必要な説明を行わずに代金を決定することが禁止されます。  群馬県桐生市で自動車部品の工場を営む下請事業者の方々から話を伺いました。工賃が二十五年上がっていない、交渉には応じないと言われ、値上げの要求さえできないという深刻な訴えがありました。  全国商工団体連合会附属の中小商工業研究所が三月に発表した下請事業者への緊急アンケートでは、自ら親事業者に価格交渉を申し出るつもりがないと回答した事業者は六割に上り、その理由として、取引が停止されると困る、仕事量が減ると困る、交渉しても価格は上がらないと諦めているとの回答が多くなっています。そもそも協議さえ言い出せないのが実態です。  下請事業者が圧倒的に弱い立場に置かれているという認識がありますか。協議すれば価格の据置きや引下げが起きないと言えますか。以上、経産大臣と公正取引委員長に伺います。  二つ目は、執行力がどれだけ高まるのかということです。  二〇二四年度、下請法違反に対する公正取引委員会の勧告件数は僅か二十一件です。この間、下請Gメンが増員されてきました。一方、下請法に基づく立入調査権など、強い権限を持つ専任の下請代金検査官は、経済産業省、公正取引委員会合わせて百八十一人で、直近五年間の推移を見ると、共に僅かしか増えていません。下請代金検査官をなぜ増やさないのですか。検査官も大幅に増やすべきではありませんか。あわせて、下請法の禁止行為違反に対する罰則の導入など、法的規制の強化が必要ではありませんか。以上、経産大臣、公取委員長、お答えください。  三つ目は、下請事業者の振興の実効性についてです。  下請振興法では、下請事業者の振興を目的に、親企業と下請企業が協力して振興事業計画を作成し、国の承認を得ることで、金融支援などの措置を受けることができるとなっています。本法案で、二次、三次といった取引段階の事業者が作成する振興事業計画も、主務大臣が承認、支援できるようになります。下請振興法制定以来、振興事業計画に基づく支援の実績は僅か十二件にすぎません。これで下請企業の振興に効果があったと言えるでしょうか。本改正で実効性あるものになるのでしょうか。以上、経産大臣にお聞きします。  次に、下請法の適用外となっている二つの問題について質問します。  一つは、国や地方自治体が行う公共調達である官公需です。官公需は中小企業にとって重要な受注機会となっていますが、価格転嫁率は五五・八%にとどまっており、価格交渉を申し入れたが予算がないと一蹴されたという声が出されています。官公需の価格転嫁における抜本的な対策、実効性ある措置が必要ではありませんか。  二つは、中小企業同士の取引適正化の問題です。本法案では、資本金による区分だけでなく、従業員が三百人を超える発注者も規制対象となります。しかし、その対象外の事業者が更に小規模の事業者に買いたたきなどを行っているという実態があります。こうした実態をどう規制するのでしょうか。以上、経産大臣に伺います。  中小・小規模事業者の賃上げには、価格転嫁だけでなく賃上げの直接支援が必要です。先日懇談した福島県の商工三団体からは、この四年で最低賃金は二割上がったけれど二割の利益を上げるのは大変だという声が出され、自分の身を削らなければ賃上げはできないという声も聞いてきました。また、東京商工リサーチによれば、中小企業の社会保険料を含む税金滞納倒産が昨年度、過去最高となっています。  岩手県、徳島県、群馬県、奈良県などで中小企業の賃上げへの直接支援、補助金がスタートし、取組を伺った岩手県では大きく活用されています。国こそ、中小企業の賃上げ補助金や社会保険料の軽減など、直接支援を大規模に行うべきではありませんか。経産大臣の答弁を求めます。  最後に、今、国民、中小企業の皆さんの最も強い要求となっている消費税減税について質問します。  特に、自営業者にとって消費税は身銭を切って納めなければならない重い負担となっています。また、インボイス制度も事実上の増税となり、課税業者にならないと取引から排除されるなど、廃止を求める声が大きく広がっています。  物価全体が高騰する下で、食料品の消費税をゼロ%にするだけでは減税効果も少なく、インボイスを温存することになります。一律五%の減税は平均世帯で年十二万円の減税となり、インボイス導入の口実もなくなります。今こそ一律五%への減税を決断するべきではありませんか。加藤財務大臣、武藤経産大臣に伺います。  中小企業憲章と小規模企業振興基本法を生かした政策への大転換を求め、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕

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