○内閣総理大臣(高市早苗君) 小池晃議員の御質問にお答えいたします。
不記載の問題についてお尋ねがございました。
自民党における旧派閥の政治資金報告書の不記載に関する問題により政治への信頼を損ねることになったことについては、自民党の総裁として、国民の皆様に改めて深くおわびを申し上げます。
自民党としては、国民の皆様の信頼をいただけるよう、政治とお金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいるとともに、国民の皆様のために誠心誠意働き、成果を出し続けていくよう取り組む決意でございます。
企業・団体献金の規制についてお尋ねがございました。
企業・団体献金でございますが、企業、団体にとって献金は自らの政治的意見を表明するための重要な活動であり、憲法と最高裁判例により政治活動の自由の一環として保障されているものです。そのため、更なる規制の強化については、企業、団体の政治活動の自由に関わるものでありますので、必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えます。
その上で、政治資金の在り方については、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しながら、真に公平公正な仕組みとなるよう不断に検討していくことが重要だと考えております。
この度の政権発足に当たりましては、我が党と日本維新の会との間で、企業、団体からの献金、政治団体からの献金、受け手の規制、金額上限規制、機関誌などによる政党の事業収益及び公開の在り方などを含め、政党の資金調達の在り方について議論する協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、私の任期中に結論を得るとの合意を行い、国民に信頼される政治資金の在り方について検討していくことといたしました。
今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を進めてまいる所存です。
アベノミクスについてお尋ねがございました。
大胆な金融緩和を含むアベノミクスは、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。
他方、その後、新型コロナウイルス感染症の影響で雇用状況が悪化したこと、いわゆる第三の矢としての民間投資を促す成長戦略の成果が十分でなかったことなども踏まえて評価する必要があると私は考えます。
こうしたアベノミクスの評価も踏まえつつ、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することによって、所得を増やす、消費マインドを改善する、そして事業収益が上がるという好循環を実現することにより、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
いわゆる失われた三十年についてお尋ねがございました。
我が国の経済につきましては、一九九〇年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレにより、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制し、結果として、需要が低迷しデフレが加速するという悪循環が生じたものと認識しております。消費税だけを切り出して、いわゆる失われた三十年の原因について論じるということは適当ではないと考えております。
また、消費税は、納税者の皆様に御負担をいただく一方で、福祉目的化されて以降、社会保障給付という形で家計に還元されているということにも十分留意する必要があると考えております。
いずれにしましても、高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することにより、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
消費減税より有効な物価高対策についてのお尋ねがございました。
この内閣として最優先に取り組むことは物価高対策であり、暮らしの安全を確実かつ迅速に届ける必要がございます。
早期に効果が見込まれる施策として、一人二万円から四万円の所得税減税、年末のいわゆるガソリン税の暫定税率廃止までの間、既存基金を活用した補助を年内から進めてまいります。
加えて、所信表明演説でお示ししましたいわゆるガソリン税、軽油引取税の暫定税率の廃止、寒さの厳しい冬の間の電気・ガス料金の支援、地域のニーズにきめ細やかに対応する重点支援地方交付金の拡充、これは、困窮されている御家庭に対して地方から支援をしていただいてもいいという内容のものです。そして、医療機関や介護施設の賃上げや経営改善支援といった様々な施策も含め、策定中の経済対策に盛り込むことといたしております。
消費税のインボイス制度についてお尋ねがございました。
インボイス制度については、今の複数税率の下では、事業者が仕入れ税額控除において差し引く金額を正しく計算できるようにすることで、消費税の課税が適正に行われることを確保するために必要であると考えております。
法人税等についてお尋ねがありました。
法人税については、近年の与党税制改正大綱において、法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ず、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされているものと承知しております。
政府としましては、この与党税制調査会の御議論を踏まえまして、引き続き、法人税の在り方については検討してまいります。
また、租税特別措置については、今般の自民党、日本維新の会の連立合意において、租税特別措置及び高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものは廃止すると盛り込まれていますので、政府としても適正化を進めるよう、関係大臣に指示をいたしました。
金融所得課税につきましては、税負担の公平性のほか、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにするということも重要です。こうした観点を総合的に検討する必要があると考えております。
米政策についてお尋ねがありました。
国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠です。そのためにも、生産者の再生産が可能で、かつ消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことが重要だと考えます。
平成三十年から、国による個々の農業者に対する米の生産数量目標の配分は行っておりませんが、高市内閣としましても、輸出の促進や米粉の消費拡大など国内外の需要拡大に取り組みつつ、引き続き、生産者自らの経営判断により生産に取り組みやすい環境を整備するなど、米の安定供給に必要な取組を推進してまいります。
直接支払を含む農業者への支援の在り方につきましては、新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の在り方を検討していく中で、現場の実態を調査、検証し、議論を深めていく考えです。
医療機関や介護施設の赤字と対応についてお尋ねがございました。
診療報酬や介護報酬の改定は、これまでも、社会経済の変化や医療機関等の経営状況、医療・介護保険制度の持続可能性の観点などを総合的に勘案して決められてきました。
こうした中で、近年、物価高騰や賃金上昇などによって経営状況に影響が生じていると考えています。国民の皆様の命を守り、安心して必要なサービスを受けていただくために、経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援は急を要します。
このため、診療報酬、介護報酬について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たずに経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を講ずるなど、スピード感を持って対応いたします。
患者負担の見直しによる影響や社会保障に対する国庫負担についてお尋ねがございました。
社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要です。
このため、OTC類似薬を含む薬剤自己負担や高齢者の負担の在り方の検討を進めていくに当たっては、医療機関における必要な受診を確保し、子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の患者負担などに配慮しつつ、丁寧に議論をしてまいります。
あわせて、国民の皆様が安心して必要なサービスを受けていただくために、診療報酬については賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、先ほど申し上げましたが、報酬改定の時期を待たずに医療機関の経営改善につながる措置を講ずるなど、スピード感を持って対応します。
そして、人口減少、少子高齢化を乗り切るためには、社会保障制度における給付と負担の在り方について国民的議論が必要でございます。このため、国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
日米首脳会談におけるやり取り、日米地位協定や在日米軍等についてお尋ねがございました。
先日、トランプ大統領は初の対面での首脳会談を行いました。日米同盟は日本の外交・安全保障政策の基軸でございます。同時に、日本は、米国にとり、インド太平洋における不可欠なパートナーでもあります。
今回の会談では、沖縄の在日米軍施設・区域や日米地位協定については取り上げませんでしたが、日米同盟について幅広くかつ率直に議論を行い、大きな成果を上げることができました。
その上で、在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠です。沖縄県を含む基地負担軽減に引き続き取り組んでまいります。
普天間飛行場の辺野古移設についてのお尋ねでございますが、普天間飛行場については、辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づいて、着実に工事を進めていくことが、その一日も早い全面返還を実現し、危険性を除去することにつながると考えております。
その上で、普天間飛行場代替施設の建設事業については、有識者の助言を得つつ、十分に技術的検討が行われ、飛行場として問題なく建設可能なものであると承知しております。また、工事費については抑制に努めてまいります。
様々な機会を通じて地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、辺野古への移設工事を進めてまいります。
防衛力強化と安全保障のジレンマについてお尋ねがございました。
これだけ急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえて、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要です。そのため、まずは現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することとしました。
今後、防衛力の具体的な内容、これを実現するための防衛費の水準については、我が国の主体的な判断の下、具体的かつ現実的な議論をしっかり積み上げてまいります。
その上で、政府としては、社会保障や教育を含め、各種の施策も必要な予算を確保した上で防衛力の強化を進めていく考えであり、防衛力強化が暮らしも財政も平和も破壊するとの御指摘は当たりません。
また、安全保障のジレンマを防ぐため、諸外国に対して自国の安全保障政策の具体的な考え方を明確にし、透明性を確保することが重要でございます。我が国の安全保障政策についても、透明性を確保しながら進めてまいります。
地域の平和に向けたASEANとの協力についてのお尋ねがございました。
現在、この地域においては、ASEANが地域協力の中心としての役割を担い、東アジア・サミットを始めとして、多層的な地域協力の枠組みが生まれております。我が国としては、引き続き、こうした枠組みに積極的に参画し、その強化に取り組みます。
また、自由で開かれたインド太平洋の実現のためにも、アジア諸国を始め、幅広いパートナーとの連携の強化に全力で取り組んでまいります。
ありがとうございました。(拍手)
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=高市早苗
MCP: search_diet_speeches(speaker="高市早苗")