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高市早苗 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2025-12-08)での発言

第219回国会 ·第第9号号 ·2,895字
○内閣総理大臣(高市早苗君) 石垣のりこ議員の御質問にお答えいたします。  ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢、また国際秩序の維持と人権の擁護における外交努力においてお尋ねがありました。  ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、このような力による一方的な現状変更の試みは、どこであれ許してはなりません。我が国は、一日も早くウクライナの公正かつ永続的な平和を実現すべく、国際社会と緊密に連携して取り組んでいます。  ガザ情勢について、トランプ米国大統領のガザ紛争終結のための包括的計画を契機として、当事者間で成立した合意はガザ情勢の解決に向けた大きな進展です。我が国としましては、イスラエルを含む全ての関係者に対し、包括的計画の着実な実施を強く求めるとともに、二国家解決の実現に向け、積極的な役割を果たしていきます。  このように、自由で開かれた安定的な国際秩序が大きく揺らぐ中で、同盟国である米国はもちろん、同志国と連携し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化や人権の擁護に積極的に取り組んでまいります。  責任ある積極財政とトラス・ショックについてお尋ねがありました。  責任ある積極財政という考えは、プロアクティブな先を見据えた財政政策ということであり、決していたずらに拡張的に規模を追求するものではありません。ワイズスペンディングの考え方を徹底し、国民の皆様の暮らしを守り、強い経済をつくるために戦略的な財政出動を行います。  今回の補正予算の財源については、税収の上振れや税外収入などを活用してもなお足りない分は国債発行により賄うこととしていますが、当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は昨年度を下回る見込みであり、財政の持続可能性にも十分配慮した姿となっています。  トラス・ショックについては、経常収支や国債の国内保有比率などについて我が国の状況とは大きく異なっており、同様の状況が我が国において直ちに生じるとは考えていません。市場の動向を注視しつつ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。  防衛費増額についてお尋ねがありました。  総合経済対策に定めたとおり、我が国を取り巻く安全保障環境が一層急速に厳しさを増していることを踏まえ、現行の国家安全保障戦略などの下での取組を可能な限り加速させる必要があります。  このような中、令和七年度補正予算案には、防衛力の強化のための事業として、自衛隊における人的基盤の強化やドローン対処器材の整備などの自衛隊の活動基盤の強化、自衛隊の装備品の納入の安定化や早期納入の確保、米軍再編の着実な実施などを計上していますが、いずれも今年度中に実施すべき緊要性のある事業です。  これらのうち防衛力整備計画対象経費については、決算剰余金の活用により、その財源を確保しております。そして、これらに必要な経費を含む安全保障関連経費について、令和七年度当初予算と合わせた合計額が十一兆円程度となることから、結果として国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準に達することとなったものです。  その上で、政府としては、財政の持続可能性を実現しつつ、社会保障や教育を含め、各種の施策に必要な予算を確保した上で防衛力の強化を進めていく考えです。  防衛財源についてお尋ねがありました。  防衛力強化に係る財源確保のための税制措置については、令和七年度税制改正において、法人税額の四%の御負担をお願いする防衛特別法人税を導入する、たばこ税について加熱式たばこの課税の適正化と税率の引上げをそれぞれ段階的に実施するとしたところです。また、所得税については、令和五年度税制改正大綱等の基本的方向性を踏まえつつ、引き続き検討することとされております。  現在、与党税制調査会において議論が行われており、政府としましては、与党における御議論の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。  消費税についてお尋ねがありました。  一般的に、担税力とは租税を負担する経済的能力のこととされ、具体的には、所得だけではなく、財産や消費もその尺度とされているものと承知しています。  そして、消費税は、消費に担税力を見出し、消費者がその消費額の多寡に応じて負担する仕組みとなっており、担税力に応じた税負担の配分を意味する応能負担の原則は損なわれてはいないと考えております。  その上で、消費税の税率について申し上げれば、自民党と日本維新の会の連立合意書において、飲食料品については、二年間に限り消費税の対象としないことも視野に法制化につき検討を行うとされているように、消費税率の引下げについては選択肢として排除するものではありません。  他方で、消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、現役世代などの特定の層に負担が集中することがないなどの特徴を有しており、社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されていることにも留意をする必要があります。  消費税の在り方については、こうした様々な観点から議論していく必要があると考えます。  これまでの診療報酬に関する反省と、来年度予算で物価上昇率を上回る診療報酬改定を行う重要性に関するお尋ねがありました。  これまでも、医療機関の経営状況や、物価、賃金を含めた社会経済の変化、医療保険制度の持続可能性の観点などを勘案して報酬改定を行っていますが、想定された以上に物価が上昇したことなどにより、足下で医療機関が物価や賃金の上昇等の厳しい状況に直面していると認識しています。  来年度の診療報酬改定に向けては、今般の総合経済対策において、インフレ下における医療給付の在り方と現役世代の保険料負担抑制の整合性を確保するとされていることも踏まえ、賃上げや物価高を適切に反映させることが重要と考えており、丁寧に検討をしてまいります。  熊対策の予算についてお尋ねがありました。  政府は、自治体が実施する熊対策事業への財政支援を行っていますが、今年度は熊による人身被害が特に深刻となっていることから、自治体が国民の命と安全を守るために緊急的に実施した事業に対しても、補正予算で計上した指定管理鳥獣対策事業交付金により遡って支援を行います。  また、今回の深刻な熊被害を踏まえて策定したクマ被害対策パッケージを着実に実施するため、令和七年度補正予算と令和八年度予算を活用して必要な費用を確保し、緊急的な対応から中長期的な対策まで切れ目のない熊被害対策を進めてまいります。  したがって、令和八年度概算要求については変更する必要がないと考えております。  残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣片山さつき君登壇、拍手〕

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