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畑野君枝 ·日本共産党

衆議院憲法審査会(2026-04-09)での発言

第221回国会 ·第第2号号 ·1,946字
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。  私たちは、国民の多数が改憲を求めていない中で、憲法審査会を動かすべきではないという立場です。  憲法審査会は、二〇〇七年に、当時の安倍首相が私の内閣で憲法改正を目指すと意欲を示す下で、自民党などが改憲手続法を強行採決してつくったものです。その任務は、憲法改正原案を発議し、審査することです。かつて国会に設置された憲法調査会が日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うとしていたのとは根本的に違います。したがって、この憲法審査会での議論は、改憲項目をすり合わせ、発議することにつながります。  今、どの世論調査を見ても、多くの国民は改憲を政治の優先課題とは考えていません。日経新聞の三月の調査では、高市政権に優先的に処理してほしい政策課題について、多くの人が物価高対策や雇用、賃金、社会保障政策を選んでおり、憲法改正は一一%にとどまっています。  むしろ、今、国民から、憲法を守れの声が上がっていることに目を向けるべきです。昨日も、全国四十七都道府県、百五十四か所で改憲に反対するアクションがあり、三万人を超える市民がこの国会を包囲しました。国民が改憲を求めていないにもかかわらず、国会の側が改憲議論を喧伝し、国民の改憲機運を高めようとするのは本末転倒です。ましてや、条文案起草のための委員会をつくり議論を強行することは、国民に改憲を押しつけようというものです。そのような委員会は設置すべきではありません。  看過できないのは、高市首相が国会に対して改憲議論をあおっていることです。高市首相は所信表明演説で、国会における発議が早期に実現されることを期待すると述べました。内閣総理大臣が国会に早期の改憲発議を呼びかけるなど、三権分立に反して国会の審議に介入するものであり、断じて容認できないと強く指摘しておきます。  次に、国会は憲法問題をどう議論すべきかについてです。  私は、改憲のための議論ではなく、憲法の原理原則を現実の政治に生かすための議論を大いに行うべきだと考えます。それが憲法尊重擁護義務を負う国会議員が果たすべき責任だと思うからです。  今、格差や貧困の拡大により国民の生存権が脅かされています。憲法は義務教育を無償とすると定めていますが、実態はそうなっていません。夫婦同姓の強制や同性婚を認めない現行の婚姻制度は、個人の尊厳や両性の平等を侵害するものです。これらは全て憲法問題です。  憲法の基本的人権や民主主義の諸原則を生かして政治を変えていくことが私たち国会議員には求められています。そのための議論を予算委員会や各常任委員会の場で大いにやるべきです。  とりわけ今、憲法九条を始め、日本国憲法の平和主義に基づく外交努力が世界中で求められています。  アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は深刻な事態をもたらしています。両国は、イランの軍事施設だけでなく、学校や病院などの民間施設への攻撃も繰り返し、これまでに二百人以上の子供を含む二千人以上が犠牲になったと言われています。この攻撃に横須賀基地や沖縄などの米軍基地から出撃していることは極めて重大です。  イランもホルムズ海峡を事実上封鎖し、戦火は中東全域に広がっています。  日本経済や国民生活への影響も重大です。ガソリンや軽油、ナフサなど、石油関連製品の値上がりで物流や建設業、農林水産業などにも大きな影響が出ています。医療現場では手袋から人工透析に使う血液浄化装置まで不足し、国民の命が脅かされています。  今回の事態は、アメリカとイスラエルによる国際法違反の先制攻撃によって始まったものです。ところが、日本政府は、アメリカの無法な先制攻撃には一切言及せず、攻撃の中止さえ求めていません。余りに無責任な対応です。  アメリカとイランは、昨日、二週間の停戦に合意しましたが、重要なことは、停戦合意を恒久的な戦争の終結につなげることです。そのためには、アメリカが再びイランを攻撃しないことが決定的に重要です。これ以上犠牲者を増やさないためにも、ホルムズ海峡問題の解決のためにも、両国が外交交渉によって戦争を終結させることを強く求めるべきです。日本政府がそのための積極的な役割を果たすべきです。  今回のアメリカによるイラン攻撃を見ても、軍事力では絶対に争い事を解決することはできないということです。それどころか、罪なき市民や子供たちに悲惨な犠牲を強いる惨禍を生み出すだけです。今こそ憲法九条の精神を生かすべきです。  戦争を絶対に許してはならないという九条の精神に立脚した外交と政治が強く求められているということを強調して、私の発言を終わります。

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