○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
いわゆる合区の問題について述べます。
まず指摘しておきたいのは、合区は自民党の党利党略によって持ち込まれたものだということです。
この問題の出発点となったのは、参議院選挙区間の一票の格差に関する二〇〇九年の最高裁判決です。判決は、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であると指摘し、一票の格差是正のために、選挙制度の仕組み自体の見直しを提起しました。
我が党は、議員総数の削減は行わずに格差是正を実現すること、民意を議席に正確に反映させることといった基本的な見地から、得票数が議席に正確に反映される比例代表を中心とした制度にすべきだと主張しました。
さらに、二〇一二年に再度出された最高裁判決は、二〇一〇年の参議院選挙を違憲状態とし、都道府県を参議院選挙の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はないとして、再び、仕組み自体を見直すことが必要と国会に要請しました。
こうした中で、二〇一〇年に参議院に選挙制度の改革に関する検討会が設置され、当時の西岡武夫議長は、総定数を維持し、九つのブロックによる比例代表制にする案を提示しました。我が党は西岡議長案をたたき台にして議論することを提起し、各党が合意に向けた努力をしてきました。
ところが、自民党は、自らの改革案を提示しないまま先延ばしにし、二〇一五年に協議を打ち切り、突如として二つの合区を含む十増十減の改定案を提出したのです。これに対し、合区対象となる四県を中心に、地方切捨て、地方軽視という反発の声が上がりました。私たちは、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平だと反対しました。ところが、自民党などは、参議院では委員会審議を省略し、衆議院でも僅か一時間の審議だけで採決を強行したのです。
さらに、二〇一八年には、合区によって選挙区から立候補できない自民党の候補者を救済するために、比例代表選挙に特定枠制度を強引に導入しました。徹頭徹尾、党利党略の御都合主義と言わなければなりません。
自分勝手な都合により合区制度を強行してきた責任を棚に上げ、合区の解消のために改憲を主張するなど、言語道断です。改憲の理由として、地方の声が反映されないことをしきりに強調しますが、実際に自民党が推し進めようとしているのは、衆議院の定数を削減し、地方など少数の意見を切り捨てることです。民意の反映という主張がいかに空虚なものかということを如実に表しています。
日本国憲法前文は、日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動しから始まり、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう決意し、主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとしています。
選挙制度について求められるのは、この憲法の原則に基づき、民意が正確に反映される選挙制度にすることです。そのためには、都道府県を参議院選挙の選挙区の単位とすることをやめ、比例代表を中心とした制度への抜本的な改革こそ必要です。
この点に関わって指摘しておきたいのは、衆議院選挙での小選挙区制度の問題です。
一九九四年に政治改革と称して現行の小選挙区比例代表並立制が導入された下で、民意の反映が著しくゆがめられてきました。この三十年間、小選挙区制の下で十一回の総選挙が行われました。いずれの選挙でも、小選挙区において第一党は、四割台の得票率にもかかわらず、七割から八割もの議席を獲得しています。一方で、少数政党は、得票率に見合った議席配分を得られず、獲得議席を大幅に切り縮められております。議席に反映しない死に票は、各小選挙区の投票の半数に上っています。
さきの総選挙で自民党は三百以上の議席を獲得しましたが、絶対有権者比で見れば二八%の投票にすぎません。まさに、民意を反映しない小選挙区制の根本的欠陥を浮き彫りにしています。この下で、殺傷兵器の輸出や長射程ミサイルの配備など、平和と民主主義を破壊する強権政治が横行していることは重大です。
小選挙区制度を廃止し、国民主権の趣旨に沿う、民意を公正に反映する選挙制度へと抜本的に改革する議論を予算委員会や各常任委員会、特別委員会で大いに行うべきだということを述べて、発言を終わります。
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