○内閣総理大臣(高市早苗君) 中司宏議員の御質問にお答えいたします。
食料品消費税と給付つき税額控除についてお尋ねがありました。
税、社会保険料負担や物価高に苦しむ中所得、低所得の方々の負担を減らすことは重要です。給付つき税額控除導入までの間の二年間に限った負担軽減策として、食料品の消費税率ゼロについて、その実現に向けた諸課題に関する検討を加速してまいります。
このため、超党派で行う国民会議において、二年に限り、特例公債に頼らないことを前提に、検討すべき諸課題を含め、給付つき税額控除の制度設計と併せて同時並行的に議論し、結論を得ていきたいと考えております。
医療制度改革についてお尋ねがありました。
日本維新の会との合意に基づき、病床数の適正化への支援やOTC類似薬などの保険給付の見直しを行うことといたしました。
現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要だと認識しています。これらの取組を通じて、持続可能な社会保障制度の構築に向けた大きな一歩を踏み出すべく、政府・与党一丸で取り組んでまいります。
社会保障改革についてお尋ねがありました。
社会保障関係費の急激な増加に対する危機感と現役世代を中心とした過度な負担上昇に対する問題意識を共有し、持続可能な社会保障制度の構築に向けた改革に取り組んでまいります。
日本維新の会と自由民主党の連立政権合意書に掲げた政策の実現に向け、政府・与党一丸となってギアを更に上げてまいります。
令和八年度予算の規模と財政規律との両立についてお尋ねがありました。
令和八年度予算については、責任ある積極財政の考え方の下、経済、物価動向等を適切に反映したほか、危機管理投資、成長投資といった投資すべき分野に予算を増額するなど、強い経済の実現に取り組んだ結果、一般会計歳出総額は百二十二・三兆円と過去最大となっています。
こうした中でも、令和八年度予算では、予算全体の中でめり張りづけを行いました。国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させたほか、二十八年ぶりにプライマリーバランス黒字化を達成するなど、財政の持続可能性にも十分配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算とすることができたと考えております。
租税特別措置や補助金、基金の見直しについてお尋ねがありました。
責任ある積極財政の考えに基づく経済財政運営に当たっては、政府として必要な施策を国民の皆様に届けつつ、政策効果の低い租税特別措置や補助金、基金の見直しには不断に取り組むことが重要です。
日本維新の会と自民党の連立政権合意書の内容を着実に前に進めるべく、令和九年度予算編成、税制改正においては要求段階から査定段階まで一貫した対応を行うこととしており、担当の片山大臣を中心に、与党とも相談しながら、見直しの検討を進めてまいります。
補正予算を前提とした予算編成との決別についてお尋ねがありました。
私はかねがね、経済成長を実現するために必要な財政出動を行うに当たっては、特に、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするため、政府の予算の予見可能性を確保することが必要だと考えてきました。
このため、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置します。
令和八年度予算はその第一歩でしたが、今年夏の令和九年度予算の概算要求から本格的に取り組み、この約二年がかりの大改革を必ずやり抜いてまいります。
今後、今年の骨太方針に向けて議論し、政府の予算のつくり方を改めてまいります。
議員定数の削減についてお尋ねがありました。
内閣総理大臣として申し上げれば、議員定数の在り方は民主主義の根幹に関わる問題であり、各党各会派においてしっかりと議論を重ねることが重要と考えています。
もとより、自民党としては、日本維新の会と交わした連立政権合意書の内容を誠実に履行していく考えです。
いわゆる副首都構想と道州制についてお尋ねがありました。
国全体の持続的な発展のために、東京一極集中の是正に向けて、人や企業の地方分散を図ることは重要であると考えています。
また、大規模災害時の危機管理機能のバックアップ体制を構築することも重要であると考えています。
このような観点から、いわゆる副首都構想については、与党による協議体において精力的に御議論いただいていると承知しており、しっかりと議論を深めた上で、早急に結論を得ていただきたいと考えています。
なお、道州制は、地方経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の一つではありますが、国と地方の在り方を大きく変更するものであり、その検討に当たっては、地方の声を十分にお聞きし、国会における御議論も踏まえつつ対応する必要があると認識しております。
安定的な皇位継承等についてお尋ねがありました。
皇室典範は、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と定めています。
また、政府の有識者会議の報告は、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとしています。
私はこれを前提としてしっかり進めていくべきだと考えています。
皇族数が減少している現下の状況において、皇室典範の改正は先送りすることのできない喫緊の課題であり、是非とも実現していかなければなりません。
国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法は、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものであり、社会や国民意識の変化などに応じてアップデートすべきものであると考えています。
様々な観点から御質問をいただきましたが、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しており、お尋ねのあった事柄一つ一つについてお答えすることは控えさせていただきます。
我が国の安全保障政策に対する姿勢についてお尋ねがありました。
言うまでもなく、我が国の平和と独立は我が国自身が自らの判断と責任の下で守り抜いていくべきものです。
自らの国を自らの手で守る、その覚悟なき国を誰も助けてくれはしません。
安全保障環境の急速な変化に対応していくため、防衛力の抜本的強化をこれまで以上のスピード感で進めてまいります。
防衛力の抜本的強化は、何よりも、相手に攻撃を思いとどまらせ、事態を未然に抑止することにつながります。
同時に、日米同盟を基軸として、欧州の同志国とも連携し、日米韓、日、米、フィリピン、日米豪、日米豪印などの多角的な安全保障協力を深め、インド太平洋地域、さらには国際社会の平和と繁栄に貢献してまいります。
防衛装備移転制度の見直しについてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中、政府として防衛装備移転を更に推進し、地域の抑止力、対処力を向上させることが必要と考えています。
また、防衛装備移転の推進は、同盟国、同志国への販路拡大やサプライチェーン協力の拡大を通じ、防衛産業やデュアルユース技術を保有する他の産業の発展により、日本経済の成長にもつながります。
こうした考えの下、御指摘の憲法の精神との関係も踏まえ、政府として、平和国家としての基本理念は堅持しながら、どのような案件を移転可能とするべきか具体的な検討を加速し、防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現してまいります。
自衛官の恩給制度の創設と階級等の国際標準化についてお尋ねがありました。
自衛官が安心して国防という国家にとって極めて枢要な任務に当たることができるようにすることは、国の責務です。
自衛官の恩給制度の創設については、現在進めている再就職先の拡充や若年定年退職者給付金の給付水準の引上げといった施策を十分に踏まえた上で、自衛官の退職後給付の在り方の中で検討する必要があります。
自衛官の処遇改善について、国民の皆様の御理解をいただきながら、よりよい制度とするべく取り組んでまいります。
また、階級等の国際標準化につきましては、現在、防衛省において当事者である自衛官の声を聞きつつ検討を行っているところであります。スピード感を持って進めてまいります。
和平調停の能力強化についてお尋ねがありました。
国際情勢がますます厳しくなり、各地で紛争が発生する中、危機を未然に防ぎ、また、和平調停を通じて紛争の早期終結、和平の実現につなげていくことが重要となっています。
我が国として、これまでも様々な外交努力を通じて和平実現への取組を行ってきましたが、今後は、そのような取組に一層積極的に関与すべく、外務省内への専門部署の設置を含め、能力強化に努めてまいります。
米中関係と来る日米首脳会談についてお尋ねがありました。
昨年十月の日米首脳会談では、トランプ大統領との間で、中国をめぐる諸課題についても意見交換を行うとともに、日米で緊密に連携していくことを確認しました。
米中関係が日本を含む国際社会の安定に資するものとなることが重要であると考えており、来る日米首脳会談におきましても、こうした日本の立場をお伝えしたいと考えています。
国家情報会議等の権限についてお尋ねがありました。
インテリジェンスの司令塔機能を強化するため、閣僚級の国家情報会議と、それを支える国家情報局を設置する法案を国会に提出する方針としています。
これらの組織がその役割を十分に果たすことができるよう、必要な権限についてもこの法案に盛り込むことを検討しています。
連立政権合意書にある対外情報庁についてお尋ねがありました。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を守るためには、政府の対外情報機能についても充実させていくことが重要です。
対外情報を収集するための有効な組織の在り方等について、与党と緊密に連携しつつ検討を進めてまいります。
連立政権合意書にあるインテリジェンス・スパイ防止関連法制についてお尋ねがありました。
昨今の複雑で厳しい国際環境の下、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じており、まずは、そうした活動を阻止するための仕組みが求められます。
その内容については、与党と緊密に連携しながら課題や論点を整理しているところです。
連立政権合意書に掲げられたほかのインテリジェンス政策を含め、短期間に結論を得られるものばかりではないため、政府としては、与党と緊密に連携しつつ、様々な御意見も賜りながら検討を進めてまいります。
拉致問題についてお尋ねがありました。
拉致被害者やその御家族も高齢となられる中で、人命に関わる拉致問題は、一刻も早く解決しなければならない人道問題であるとともに、国家主権の侵害であり、高市内閣の最重要課題です。
昨年十月の日米首脳会談では、トランプ大統領に対し拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要です。
拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するため、金委員長との首脳会談を始め、あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開くべく取り組んでいく覚悟であります。
レアアースの確保に向けた国際的連携についてお尋ねがありました。
レアアースは我が国の産業競争力と経済安全保障の確保に不可欠であり、特定国に依存しない強靱なサプライチェーンの実現に向けて、同志国とも連携し、供給源の多角化を進めることが重要です。
これまでも、豪州での鉱山開発やマレーシアやフランスでの分離精製事業など、政府出資を通じて支援してきました。
こうした同志国と連携した供給源多角化の取組を進めるとともに、国産資源である南鳥島周辺海域のレアアースを含む海洋鉱物資源開発についても、米国との議論の場を設けるなど、戦略的な国際連携を進めてまいります。
戦没者の御遺骨収集についてお尋ねがありました。
今日の我が国の平和と繁栄は、戦没者の皆様の貴い命と苦難の歴史の上に築かれたものです。
我が国のために命を落とされた方々の御遺骨を一柱でも多く収容し、一日も早くふるさとにお迎えすることは国の責務です。
政府では、集中実施期間である令和十一年度までに、保有する三千三百か所の埋葬地などに関する情報について現地調査を実施し、その結果を踏まえて御遺骨を収集することとしています。
戦没者の御遺族が高齢化している現状を重く受け止め、御遺骨収集に尽力してまいります。
日本国旗損壊罪の制定についてお尋ねがありました。
過去、私自身が刑法九十二条改正案を起草し、自民党の党議決定や、御党関係議員の御協力の下、法案を国会に提出したこともございました。
御党との連立政権合意書の内容を踏まえ、今後、その実現に向けて、両党間で具体的な検討を進めていくとともに、政府としても、与党と連携を図りつつ、必要な取組を進めてまいります。
旧氏使用の法制化についてお尋ねがありました。
政府におきましては、これまで二十年以上にわたり、旧氏使用の拡大やその周知に取り組んでまいりました。
旧氏の使用を法制化することによって、政府、地方公共団体、公私の団体、事業者において取組が一層進めば、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすことができると考えています。
政府としましては、連立政権合意書の内容を踏まえ、与党と緊密に連携しつつ、必要な検討を進めてまいります。
成年後見制度についてお尋ねがありました。
現行制度には、判断能力が回復しない限り利用を終了できないなどの問題点があると承知しています。
今月に出された法制審議会の答申は、こうした問題点を見直す内容となっていると承知しており、政府としては、その方向で見直しを進めてまいります。
また、現時点で利用者への更なる調査の実施予定はございませんが、法制審議会の部会では、認知症の方の御家族が委員となり、認知症の御家族の会の方から話を伺い、パブリックコメントを実施するなどして、現状を把握した上で議論がなされたと承知しております。
今後の制度の運用において、本人の自己決定が一層尊重されるよう、その周知などに取り組んでまいります。
子育て支援についてお尋ねがありました。
全国どこに住んでいても質の高い子育て支援を受けられる環境を整備することは重要です。
令和八年度予算案においては、連立政権合意書や御党との協議を踏まえ、こども誰でも通園制度の本格実施などに取り組むとともに、保育料負担の軽減について、認可外保育施設などの利用料支援の給付上限額の引上げを行っています。
御党とも連携しながら子育て支援を進めてまいります。
外国人の受入れの在り方についてお尋ねがありました。
政府では、外国人の受入れに関する基礎的な調査、検討を速やかに実施した上で、省庁横断的に更に具体的な調査、検討、将来推計を行うこととしています。
今後、外国人に係る諸課題を整理した上で、政府全体での検討を推進し、外国人の受入れに関する基本的な考え方を検討してまいります。
人口減少については、少子化傾向を反転させるための対策と人口減少に対応した社会経済を再構築する対策の両面について、一貫した総合的な戦略を策定、実施するため、検討を進めてまいります。
外国人の不動産取得及び世界貿易機関のサービス貿易に関する一般協定、いわゆるGATSについてお尋ねがありました。
GATSについては、交渉当時は、サービス貿易の自由化を積極的に推進することを優先目標とし、今日課題となっている経済安全保障の観点への配慮が必ずしも強くなく、不動産取得に関する留保が付されなかったものと承知をしております。
外国人による土地取得などに関する規制の在り方については、国際約束との関係の具体的な精査も含めて検討を進め、この夏までに骨格を取りまとめる考えでおります。
選挙における妨害行為についてお尋ねがありました。
選挙が公正に行われるためには、選挙運動は自由に行われなければなりません。
それを妨害するようなことはあってはならないことであり、一般論として申し上げれば、処罰の対象になり得る場合もあると認識をしています。
表現の自由の保障と選挙の公正確保の両立については、選挙運動の在り方に関することであり、選挙制度の根幹に関わる事柄であることから、各党各会派において御議論いただくべきものと考えています。(拍手)
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