○内閣総理大臣(高市早苗君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
冒頭、内閣総理大臣就任に対し御祝意を賜り、ありがとうございます。早口で四十問御質問をいただきました。
来年度予算と、これまでの政策の在り方からの転換についてお尋ねがございました。
高市内閣における重要な政策転換の本丸は、責任ある積極財政です。
令和八年度予算については、責任ある積極財政の考え方の下、経済、物価動向等を適切に反映したほか、危機管理投資、成長投資といった投資すべき分野に予算を増額するなど、強い経済の実現に取り組んだ結果、一般会計歳出総額は百二十二・三兆円と過去最大となっています。
こうした中でも、令和八年度予算では、予算全体の中でのめり張りをつけました。
御指摘のように、国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させたほか、二十八年ぶりにプライマリーバランス黒字化を達成するなど、財政の持続可能性にも十分配慮をしております。
今後とも、責任ある積極財政の考えの下、投資すべき分野に大胆に投資するなど、強い経済の実現に取り組むとともに、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
責任ある積極財政及び国債管理政策についてお尋ねがございました。
高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、それを次の世代に引き継いでいくこととしており、それが今を生きている国民と未来を生きる国民に対する責任でもあると考えています。
今後も、市場動向や経済指標を常に十分に注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
今後、そのための具体的な指標も明確化してまいります。
国債管理政策については、市場のニーズを踏まえた安定的な国債発行を行うため、証券会社等との意見交換の場である国債市場特別参加者会合や、銀行や生命保険会社等の機関投資家との意見交換の場である国債投資家懇談会の開催などを通じて、市場関係者との緊密な対話に努めております。
このような既存の枠組みも有効に活用しながら、引き続き、安定的な国債発行に万全を期してまいります。
利子率を上回る成長率を維持するための戦略についてお尋ねがございました。
我が国の潜在成長率は主要先進国と比べて低迷していますが、圧倒的に足りないのは資本投入量、すなわち国内投資です。
その促進に徹底的なてこ入れをします。そのための責任ある積極財政です。
高市内閣は、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切ることで成長率を高め、併せて金利上昇に目配りすることで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
所得税の基礎控除についてお尋ねがありました。
令和八年度税制改正における所得税の基礎控除の引上げのうち物価上昇を超える特例的な引上げは、働き控えへの対応と、中所得、低所得の方々の手取りの増加を図る観点から、一定の所得制限を設けた上で、給与所得者の全納税者のうち約八割が対象となるよう、中間層まで負担軽減を行うこととしたものでございます。
こうした中、令和八年度予算においては、予算全体の中でめり張りづけを行い、国の一般会計において、御指摘の二十八年ぶりのプライマリーバランスの黒字化を達成するに伴って、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させるなど、財政の持続可能性に十分配慮をし、マーケットからの信認の確保を図っているところでございます。
住民税の控除額の引上げについてお尋ねがありました。
個人住民税の基礎控除等については、令和八年度与党税制改正大綱において、地域社会の会費的な性格や、地方税財源への影響等を総合的に勘案し、自治体の皆様の意見を踏まえつつ、必要な対応を検討することとされております。
政府としても、このことを踏まえて検討してまいります。
控除額のインフレ調整についてお尋ねがありました。
所得税の基礎控除等については、令和八年度税制改正においても物価に連動して引き上げることとしており、今後も同様に、二年ごとに、消費者物価の総合指数の上昇率に基づき調整した額を基準として見直すことを基本とすることとしております。
また、個人住民税については、地域社会の会費的な性格を踏まえ、所得税の諸控除の見直しのほか、地方税財源への影響や税務手続の簡素化を総合的に勘案し、地方公共団体の意見も踏まえつつ、必要な対応を検討してまいります。
なお、基礎控除が原則全ての納税者に適用されるものであるのに対し、最低賃金は給与所得者の一部にのみ適用されるものであることに鑑みれば、基礎控除を最低賃金に連動して調整するということは適切ではないと考えております。
扶養控除についてお尋ねがありました。
いわゆる年少扶養控除については、平成二十二年度税制改正において、所得控除から手当へという考え方の下、子ども手当の創設に伴い、所得控除が廃止された経緯等もよく踏まえる必要があると考えております。
年少扶養控除を含めた個人所得課税の各種控除の在り方については、所得再分配機能の適切な発揮、子育て世帯の負担への配慮などの観点から、児童手当制度等の歳出面を含めた政策全体での対応も勘案しつつ、包括的に検討を行う必要があると考えております。
障害児福祉についてお尋ねがありました。
全額公費による現金給付である特別児童扶養手当などの所得制限は、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度趣旨や、他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものであり、適正に運用してまいります。
また、障害のある子供が十八歳を迎えた後も、地域で安心した暮らしができるよう、障害者総合支援法に基づく生活介護サービスなどで支援しています。
この点、令和六年度報酬改定では、御指摘の成年後の夕方の預かりや居場所のニーズに対応するため、時間を延長して支援を行った場合の加算を拡充しており、必要な支援に努めてまいります。
食料品の消費税率ゼロの実施時期についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、超党派で行う国民会議で議論を行い、具体的な実施時期を含めて結論を得て行おうとしている段階であり、現時点で結論を先取りするということはいたしません。
野党の皆様の協力が得られましたら、夏前には国民会議で中間取りまとめを行い、必要な法案の早期提出を目指します。
なお、システム対応等の事業者の準備が課題の一つであるということを踏まえて、私から経済産業大臣に対しては、消費税率の変更に柔軟なスマレジシステムの普及に早急に着手するよう指示をしたところでございます。
食料品の消費税率ゼロの税法上の位置づけについてお尋ねがありました。
お尋ねの点について、政府・与党としては、飲食料品に係る消費税について、仕入れ税額控除を維持し、課税が累積することを防ぐため、非課税取引ではなく、引き続き課税取引とした上で、二年間に限り、消費税率をゼロにすることを想定しております。
食料品の消費税ゼロの対象品目についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについて、政府・与党としては、施政方針演説でも申し上げたとおり、現在、軽減税率が適用されている飲食料品を対象として実施することを想定しています。
その上で、外食など他の取引への影響など、実施に向けて検討すべき諸課題については、超党派で行う国民会議で結論を得てまいります。是非ともお待ち申し上げております。
食料品の消費税率ゼロを二年間限定とすることについてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、改革の本丸である給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進める方針でございます。
このため、今後、超党派で行う国民会議において、二年に限り、特例公債に頼らないことを前提に、検討すべき諸課題を含め、給付つき税額控除の制度設計と同時並行で議論をしてまいります。
なお、一〇%の標準税率について、政府として、更に引き上げるということを検討している事実はございません。
食料品の消費税減税について、還付申告が新たに必要となる事業者への影響、外食産業や農家への影響、税の三原則との関係、地方財政への影響、財源確保の見通しといった様々な論点についてお尋ねがございました。
御指摘いただいた諸課題については、十分認識をしております。今後、国民会議に御参加いただける野党の皆様とも真摯に協議を行い、一つ一つ結論を得てまいります。お待ちいたしております。
日銀の保有するETFと外国人の消費税免税措置についてお尋ねがありました。
日銀の保有するETFは、金融政策の一環として日銀が買い入れ、保有しているものであり、その扱いについては、日銀の金融政策決定会合において決定する事項とされていると認識をしております。
その上で、日銀において、昨年九月に、市場への影響にも配慮して、売却ペースを含め処分の指針が決定され、本年一月より売却が開始されたところであります。
なお、外国人旅行者向けの免税制度は、実質的に輸出取引と変わらない点に着目して消費税が免除される仕組みであり、本年十一月からのリファンド方式への移行に向け、事業者の準備も進められている中でございますので、免税措置を取りやめることについては、慎重な検討が必要でございます。
国民会議での議論と食料品の消費税減税の関係及び単一税率への消費税減税についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、党派によりその主張が様々であり、実施に向け検討すべき諸課題があるとの指摘も数多くいただいております。
また、消費税の在り方は、金利や為替などの金融市場への影響、社会保障や地方財政への影響を含め、国民生活に深く関わるものであり、国民会議でしっかり議論を進めていく必要がございます。
今後、まさに、こうした諸課題について、超党派で行う国民会議で議論を行おうとしている段階でございます。御参加いただける野党の皆様とも真摯に議論を行った上で、結論を得てまいります。
なお、食料品消費税率ゼロは、食料品等の物価高の中で、中所得、低所得の方々の負担を減らすためのものであり、それに代えて、一〇%の標準税率を八%まで引き下げることで単一税率とすることについては考えておりません。
インボイスにつきましては、諸外国の状況を見ますと、消費税に相当する税制を有する国、地域が百七十以上ある中で、それらにおいては、仕入れ先において課税されていることの証明が必要という理由から、単一税率の場合であってもインボイス制度が導入されていると承知をいたしております。
このように、インボイス制度は、消費税の仕組みを適正、公平に運用するために本来必要な仕組みであることを踏まえて検討する必要があると思います。
社会保険料還付つき住民税控除の御提案に関するお尋ねがありました。
御提案については、現時点では、制度の詳細が分からないため明確なことはお答えしかねますが、恐らく、住民税の控除額を見直した上で、それによる税負担の軽減幅が小さい方については、社会保険料負担を上限として還付することで、中所得、低所得の方の負担軽減を図るための御提案と受け止めました。
中所得、低所得の方の税、社会保険料をトータルで見て負担軽減を図るという方向性については共有しております。一方、地域社会の会費としての性格を有する住民税や地方財政への影響をどう考えるか、社会保険制度における給付と負担のバランスとの関係をどう考えるのか、対象とする所得の範囲をどうするのか、執行体制や安定財源をどのように確保するのかといった課題の整理も必要と考えられます。
今後、こうした点につきましても、具体的に御提案いただけますなら、考えられる有力な手法の一つとして、是非とも国民会議で一緒に議論してまいりましょう。
年収の壁・支援強化パッケージについてお尋ねがありました。
御指摘の被扶養者認定の円滑化について、健康保険組合の調査によると、年収百三十万円を超えた被扶養者のうち約三割の方が利用されているなど、働く方々が壁を意識せず働いていただける環境づくりにつながっています。
このような環境づくりを一層支援するため、昨年七月にはキャリアアップ助成金の拡充を行ったほか、本年四月からは被扶養者の認定方法の見直しを行うこととしています。
令和八年度予算案では、年収の壁への対応を含むキャリアアップ助成金全体で一千二十二億円を計上しており、できる限り多くの方に利用いただけるよう、取り組んでまいります。
また、いわゆる百三十万円の壁については、できる限り被用者保険への移行を促していくことが重要であり、被用者保険の適用拡大を着実に実施していきます。
後期高齢者医療制度の拠出金と窓口負担割合についてお尋ねがありました。
後期高齢者医療制度は、国民皆保険の下で、高齢者と現役世代の負担の明確化、公平化を図りつつ、疾病リスクの高い高齢者の医療給付費について、公費約五割、現役世代からの支援金約四割、高齢者の保険料約一割と負担し合う、支え合いの仕組みでございます。
後期高齢者医療制度の拠出金に対し新たな財源を投入することについては、公費、支援金、保険料の役割分担を含め、丁寧な検討が必要と考えています。
また、後期高齢者の窓口負担割合の在り方についても、自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書なども踏まえつつ、丁寧に検討を進めてまいります。
高額療養費制度における外来特例の在り方についてお尋ねがありました。
外来特例については、患者団体の方も参画した専門委員会の議論も踏まえ、本年八月以降、自己負担限度額を見直すこととしています。
また、その対象年齢の在り方についても、今後、高齢者の窓口負担の見直しと併せて具体案を検討し、一定の結論を得ることとしています。
社会保険料負担についてお尋ねがありました。
現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要だと認識しています。
個々の保険料負担の増減について一概に申し上げることは困難ですが、令和八年度予算においては、診療報酬改定などによる経済、物価動向などへの的確な対応や現役世代の保険料負担の軽減のための社会保障の制度改革に取り組むこととしています。
御指摘の子ども・子育て支援金につきましては、歳出改革等による実質的な社会保険負担軽減効果の範囲内で構築されることが法定されております。これまでの歳出改革努力の効果と併せて見れば、実質的な負担増とはならないものと考えています。
また、その他の保険料率抑制として、雇用保険料率の〇・一%の引下げや協会けんぽの医療保険料率を全国平均で〇・一%引き下げることなどを予定しています。
日本維新の会の公約の現役世代の社会保険料を六万円引き下げることのお考えについて、政府として述べることは控えますが、現役世代の保険料負担をできる限り抑制できるよう議論を進めてまいります。
年金積立金を活用した年金保険料の引下げについてお尋ねがありました。
二〇二四年の財政検証における公的年金制度の財政の見通しでは、人口や経済、積立金の運用の現状や今後の見通し等を総合的に勘案し、マクロ経済スライドによる給付水準の調整により、長期の財政均衡を図ることとしています。
こうした中で、年金積立金を活用して時限的に年金保険料を引き下げることについては、将来世代の給付水準の低下につながり得るため、適当ではないと考えております。
薬価改定についてお尋ねがありました。
薬価改定については、市場実勢価格を適時適切に反映して国民負担を抑制することが重要であると同時に、近年指摘されている、革新的な新薬の開発力の強化や、暮らしに不可欠な薬の安定供給の確保につながるものとする必要がございます。
このため、診療報酬改定のない年も含め、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった要請にバランスよく応えることのできる薬価改定の実施に努めてまいります。
なお、革新的新薬を生み出す創薬基盤、インフラを強化するため、令和七年度に革新的医薬品等実用化支援基金を設置するなど、企業の研究開発を支援してまいります。
介護従事者の処遇改善についてお尋ねがありました。
介護人材の確保に向けて、処遇改善は重要であると考えています。令和七年度補正予算による緊急的な対応に加え、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度介護報酬改定を実施することとしております。
今般の措置を通じて、介護分野の職員の他の職種と遜色のない処遇改善に向けて取り組んでまいります。
就職氷河期世代対策などについてお尋ねがありました。
就職氷河期世代への支援については、就労、処遇改善に向けた支援、社会参加に向けた段階的支援、高齢期を見据えた支援の三本柱に沿って、今年度内を目途に新たな支援プログラムを取りまとめます。
また、孤独・孤立対策については、政府として、重点計画などに基づき、孤独、孤立の予防を目指した取組を推進しております。
孤独、孤立に陥りやすい若者について、十万人を対象とした大規模な実態調査を令和八年中に実施し、的確かつ効果的な施策の展開につなげます。
ヤングケアラーにつきましては、関係省庁によるプロジェクトチームを本年一月に立ち上げ、来年度のできるだけ早期にヤングケアラーへの支援の充実など更なる支援策を取りまとめ、一層の支援に取り組んでまいります。
教育国債についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力であり、そのためには、イノベーションを興すことのできる人材が不可欠です。
このため、大学改革を進めるとともに、科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する新技術立国の実現を目指して、博士課程の学生への支援を含め、必要な予算を確保してまいります。
なお、教育国債とするか否かは未定ですが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、引き続き前向きに検討してまいります。
奨学金の債務負担軽減についてお尋ねがありました。
奨学金の返還については、令和二年度から給付型奨学金等による支援を拡充するとともに、返還の猶予や毎月の返還額を減額する制度などにより、負担軽減を図っています。
御指摘の奨学金債務の免除や軽減については、例えば、教師について、教職の高度化に対応し、大学院レベルの優れた人材を確保することを目的として、令和七年度より教職大学院修了者等を対象に全額免除を開始しています。
その他の職業分野の免除や、返還者一般を対象とした債務の免除や軽減については、返還を完了した方や職業間の公平性、返還金を次の世代の学生への奨学金の原資としていることなど、検討するべき課題があることを踏まえる必要があると考えております。
AI時代における人材育成戦略についてお尋ねがありました。
国力、特に経済力の基盤となるのは人材力であり、DX、AI化の進展といった産業構造転換に対応した人材育成が必要です。
このため、高校、大学を通じた文理分断からの脱却、そして、専門高校の機能強化、高度化、高専、大学における理工、デジタル系人材の育成の重視など、産業界、地域の高校、高専、大学、地方自治体が協働し、産業イノベーション人材を育成する取組を進めてまいります。
米国最高裁による判決を受けた対応についてお尋ねがありました。
我が国としては、今般の判決の内容及び措置の影響等を十分に精査しつつ、米国政府の対応などや、日米間の合意に与え得る影響について、高い関心を持って注視していきます。
その上で、戦略的投資イニシアティブを含めた日米間の合意は、日米相互の利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるものです。
我が国として、合意を着実に実施していく考えでありまして、同時に、米国に対しても、合意を着実に実施するよう求めていきます。
その上で、関税の還付に関しては、今後、米国の下級裁判所において改めて審理されることとなると承知をしております。
政府として、米国と意思疎通を継続してまいります。
いわゆるスパイ防止関連法制や国家情報戦略についてお尋ねがありました。
政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務であるとの認識の下、政府として、まずは、インテリジェンスの司令塔機能を強化するため、今国会に国家情報会議や国家情報局を設置する法案を提出する予定です。
その上で、昨今の複雑で厳しい国際環境の下、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じております。そうした活動を阻止するための仕組みも求められます。
現在、与党と緊密に連携しながら課題や論点を整理しているところですが、短期間に結論を得られるものばかりではないため、様々な御意見も賜りながら、検討を進めてまいります。
また、国家情報戦略という名称とするかは未定でございますけれども、国家情報会議におきましては、政府の情報活動に関する基本方針を定めることを検討しております。
政府の情報活動が国民の皆様にとっても理解しやすくなるよう、努めてまいります。
シェルター整備の方針と台湾有事の際の邦人保護についてお尋ねがありました。
シェルターの確保に関し、政府は、全国的に、堅牢な建築物や地下施設を緊急一時避難施設として令和七年四月一日現在で約六万一千か所を指定し、人口カバー率は約一五〇%超となっております。
沖縄県の先島諸島の五市町村では、一定期間滞在可能な特定臨時避難施設の整備も進めております。
政府としては、今年度末までにシェルター方針を策定し、より一層、国民保護の実効性向上に取り組んでまいります。
海外において緊急事態が発生した場合の我が国の個々の対応について、個別具体的な国、地域名を挙げて明らかにすることは、事柄の性質上、差し控えます。
その上で、邦人退避の一般的な考え方について申し上げれば、まずは、極力、商用定期便が利用可能なうちに、邦人の出国、出境又は安全な場所への移動の確保に努めます。
商用定期便での出国、出境が困難又はそれだけでは不十分となった場合には、チャーター機を含めて、あらゆる可能性を追求しながら、最も迅速かつ安全な手段を活用し、邦人の退避支援に最大限努めます。
その手段の一つとして、自衛隊法の要件に該当する場合には、自衛隊機による在外邦人等の保護措置又は輸送を実施することが可能でございます。
南鳥島沖のレアアース泥及び今後の海洋資源開発の推進についてお尋ねがありました。
南鳥島周辺海域における採鉱システム接続試験において、初めて水深約六千メートルもの海底から船上にレアアース泥を引き揚げることに成功したことは、経済安全保障や海洋開発の観点からも意義のある成果であると考えます。
レアアース泥の開発を含む海洋資源開発については、海洋基本法に基づき、内閣総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部において第四期海洋基本計画を作成して具体的な取組を進めており、国家プロジェクトとして、府省庁横断で強力に推進してまいります。
原子力及びフュージョンエネルギーへの投資強化についてお尋ねがありました。
政府としては、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する考えです。
このため、昨年十二月に改定したGX実現に向けた投資促進策を具体化する分野別投資戦略に基づき、次世代革新炉及びフュージョンエネルギーについては、早期の社会実装に向け、官民で一兆円以上の投資を進めてまいります。
分野別投資戦略で示した官民投資を実現する具体的な投資促進策については、夏の成長戦略の取りまとめに向けて、官民投資ロードマップの中でお示ししていきます。
暗号資産の税制改正の施行時期についてお尋ねがありました。
暗号資産取引に係る分離課税の適用時期については、本特別国会に提出されている所得税法等の一部を改正する法律案において、今国会に提出予定の改正金融商品取引法の施行日の翌年一月一日からの開始としているところです。
今回の課税見直しの適用時期については、改正金融商品取引法の施行に当たり、関連する政令等の準備や関係事業者に対する周知等に一定の期間を要することに加え、改正金融商品取引法を踏まえ、暗号資産取引業者や自主規制機関にて利用者保護等の体制整備に一定の期間が必要であるということを考慮したものでございます。
政府備蓄米の水準回復と米政策の在り方についてお尋ねがありました。
不作時に備えた政府備蓄米は、食料安全保障の観点から不可欠であり、米の安定供給を図りつつ、備蓄水準を回復させることが重要です。
このため、昨年中止した政府備蓄米の買入れを再開することとし、これから作付を行う令和八年産の米、約二十一万トンの買入れを適切な時期に行えるよう準備を進めるとともに、今後の需給状況等を見定めた上で、これまでに放出した備蓄米の買戻しを行うことにより、百万トンまでの備蓄水準の回復を進めてまいります。
また、米政策については、食料・農業・農村基本計画に即して、輸出促進や米粉の消費拡大など国内外の需要を創出し、その拡大を図りつつ、国内主食用、輸出用、米粉用など多様な米の増産を進めてまいります。
その上で、直接支払いを含む農業者への支援の在り方については、基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の在り方を検討していく中で、現場の実態を調査、検証し、議論を深めてまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
恐縮ですが、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しており、政府として、具体的な条文の在り方について見解を述べるということは控えたいと思います。
また、現行憲法について、自衛隊が憲法九条二項に規定する戦力に当たるかとのお尋ねについてですが、憲法九条二項は、陸海空軍その他の戦力の保持を禁止しています。
この規定は、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持することを禁止する趣旨のものであると解されていますが、自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であることから、陸海空軍その他の戦力には当たらないと考えています。
安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。
安定的な皇位継承等の確保は、先送りすることのできない喫緊の課題であり、是非とも皇室典範の改正を実現していかなければなりません。
国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。
政府としましては、国会における議論を経て、速やかに法改正に取り組んでまいります。
選挙制度改革についてお尋ねがありました。
選挙制度の在り方については、国会において御議論いただくべき事柄であり、内閣総理大臣として意見を申し上げることは差し控えたいと思います。
企業・団体献金についてお尋ねがありました。
政治資金の在り方については、各党各会派において丁寧に議論されるべきものであると考えております。
いわゆる特別市と副首都構想についてお尋ねがありました。
第三十四次地方制度調査会に対しては、私から、大都市地域における行政体制の在り方についても諮問を行いました。
今後、調査会において、特別市に関する事項も含め、具体的な審議事項を決定した上で議論が行われるものと考えています。
また、副首都構想については、お尋ねの副首都の要件を含めて、与党による協議体において精力的に御議論をいただいていると承知しておりますので、しっかり議論を深めた上で、早急に結論を得ていただきたいと考えております。
国会のデジタル化についてお尋ねがありました。
国会での議論の在り方については、国会においてお決めいただくべきものであり、各党各会派での御議論を期待しております。
御指摘のあった国会のデジタル化など、今の時代にふさわしい姿への改革は、政府にとっても業務の効率化に資するものであります。お求めがありましたら、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=高市早苗
MCP: search_diet_speeches(speaker="高市早苗")