○内閣総理大臣(高市早苗君) 和田政宗議員の御質問にお答えします。
安定的な皇位継承についてお尋ねがございました。
安定的な皇位継承等の確保は先送りすることのできない喫緊の課題であり、是非とも皇室典範の改正を実現していかなければなりません。
国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。
政府としては、国会における議論を経て、速やかに法改正に取り組んでまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法は、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものです。
内閣総理大臣といたしましては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しております。
旧氏使用の法制化についてお尋ねがございました。
旧氏使用の運用は拡充されつつありますが、旧氏使用を法制化することにより、政府、地方公共団体、公私の団体、事業者において旧氏の単記も可能とすることを含めた取組が一層進めば、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じている方を更に減らすことができると考えています。
なお、旧氏使用の拡大は、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編製単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすものであります。御指摘の選択的夫婦別氏制度とは異なるものと考えております。
政府としては、与党と緊密に連携しつつ、法制化を含めた制度面やシステム面の基盤整備の検討など、旧氏使用の拡大の取組を進めてまいります。
いわゆるLGBT理解増進法についてお尋ねがありました。
いわゆるLGBT理解増進法では、その第一条において、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的とする。」とされております。
全ての人がお互いを尊重し、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる共生社会を目指した取組を進めることは重要です。
政府としては、この法律に基づき、家庭や地域との連携を図りつつ、児童生徒の発達段階に応じて、多様性に対する理解を育む取組などを進めております。
日本国旗損壊罪の制定についてお尋ねがありました。
今国会の政府提出予定法案には入っておりませんが、自民党、日本維新の会の連立政権合意書の内容を踏まえ、今後、その実現に向けて、両党間で具体的な検討を進めていくとともに、議員立法を含めて必要な取組を進めているところと承知をいたしております。
いわゆるスパイ防止法の創設についてお尋ねがありました。
昨今の複雑で厳しい国際環境の下、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じており、まずは、そうした活動を阻止するための仕組みが求められます。
現在、与党と緊密に連携しながら課題や論点を整理しているところですが、短期間に結論を得られるものばかりではないため、様々な御意見も賜りながら検討を進めています。
各党から国会に提出された個別の法案について、内閣総理大臣としてコメントすることは差し控えますが、いずれにしても、外国によるいわゆるスパイ行為を防止するため、我が国においてどのような方策を取ることが有効かつ適当であるか、丁寧に検討してまいります。
外国人及び外国系法人による土地取得規制についてお尋ねがありました。
外国人による土地取得については、国民の皆様の間に、安全保障、不動産価格等の様々な観点からの不安の声があります。
まずは、外国人による不動産取得の実態を把握することが重要であります。不動産移転登記の申請時に国籍を把握できるようにするなど、速やかに実施できることから作業を開始しました。
また、外国人による土地取得などに関する規制の在り方については、GATSを含む国際約束との関係の具体的な精査を含めて検討を進め、この夏までに骨格を取りまとめる考えです。
コーポレートガバナンス改革等についてお尋ねがありました。
議員が言及された家族主義経営や公益資本主義といった考え方には様々な定義があり得ると認識しておりますが、例えば、企業は単に株主の利益のみを追求するのではなく、社員や取引先の利益にも配慮し、社会全体をよりよいものにしていくという使命を持つべきといった考え方はその一つだろうと思います。
我が国のコーポレートガバナンス改革の取組は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から組み立てられているものであり、そうした考え方と完全に一致するものではありませんが、企業には、従業員を始めとする様々なステークホルダーとも適切に協働することも求めているところです。
現在、コーポレートガバナンス・コードの改定に向けた検討を進めているところですけれども、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業投資がより積極的に行われるよう、株主への還元を含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させてまいりたいと考えております。
消費税の段階的廃止などについてお尋ねがありました。
消費税については、社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されております。一律に減税した上で、段階的に廃止した場合、年金、医療、介護、少子化対策という国民の皆様の暮らしに深く関わる行政サービスにも影響が出かねません。
このため、政府・与党としては、超党派の国民会議を設置した上で、改革の本丸である給付つき税額控除の実施を見据えた二年間に限ったつなぎとして、食料品の消費税率ゼロを検討することとしております。
その際、御指摘の外食産業等への影響も含め、各党派により指摘された諸課題についても国民会議で議論を行い、結論を得てまいります。
国民会議についてお尋ねがありました。
政府・与党としては、食料品の消費税率ゼロについては、給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進める方針です。
このため、今回、これら二つの課題を国民会議で同時並行で議論をすることとして、消費税が社会保障の重要な財源であることを認識しつつ、かつ、給付つき税額控除の実現に賛同いただいている野党の皆様に、政策責任者を通じてお声がけすることとしています。
国会で議論すべきとの御指摘については、野党の皆様の御協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行い、必要な法案を国会に提出することを考えておりますので、その段階で、国会での十分な御審議をお願いすることとなるものと考えています。
防衛特別所得税の創設についてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛力の強化は必須です。
その実現のためには、安定的な財政基盤の確保が必要であることから、令和五年度与党税制改正大綱等で示されてきた既定の方針に沿って、防衛特別所得税を創設することとしております。
ただし、その際、現下の家計を取り巻く状況に配慮し、足下で家計負担が増加しないよう、復興特別所得税の税率を引き下げることとしております。
同時に、復興財源の総額を確実に確保する観点から、復興特別所得税の課税期間を十年間延長することとしております。
介護、障害福祉分野における処遇改善についてお尋ねがありました。
介護、障害福祉分野における処遇改善は重要であります。令和七年度補正予算による緊急的な対応に加え、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護、障害福祉サービス等報酬改定を実施することとしております。
今般の措置を通じて、介護、障害福祉分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善に向けて取り組んでまいります。
出産、育児支援策についてお尋ねがありました。
政府としても、御党同様、出産、育児支援が重要であると認識をしております。
このため、政府としては、三・六兆円規模のこども未来戦略の加速化プランに基づき、児童手当の抜本的拡充などにより、経済的負担の軽減など、子供、子育て政策を抜本的に強化してきています。
さらに、若い世代が将来の経済的な見通しを持てるよう、強い経済の実現により、若い世代の所得を増加させるとともに、妊婦健診や出産に係る費用など、妊娠、出産に伴う経済的負担の軽減に取り組んでまいります。
医療保険を通じた出産の支援についてお尋ねがありました。
現行の出産育児一時金には、支給額を引き上げても、出産費用の上昇により、実際の妊婦の方の経済的負担の軽減につながらないという課題がございました。
そのため、妊娠、出産に伴う経済的負担を軽減するための法案を今国会に提出する方向で検討を進めています。
その際には、分娩を取り扱う施設の経営状況なども考慮しつつ、妊婦の方々が地域で安心して安全に出産できる環境を確保してまいります。
特定技能、育成就労制度の受入れ見込み数についてお尋ねがありました。
お尋ねの約百二十三万人は、一号特定技能外国人と育成就労外国人を合わせた令和十年度末までの受入れの上限ですが、この数字は、一号特定技能外国人についてはこれまでの受入れ上限数を、育成就労外国人についてはその前身である技能実習生の在留者数を、それぞれ下回る数となっています。したがって、御指摘の現在の受入れ上限の二・三倍になっているという御批判は当たりません。
また、この上限数は、御指摘のAIやデジタル技術を活用した生産性向上や国内人材確保の取組を考慮したものでございますので、日本人の雇用に影響が生じないよう設定したものとなっております。
東日本大震災の被災地の現状と課題についてお尋ねがありました。
宮城県、岩手県など地震、津波の被災地域においては、ハード整備はおおむね完了した一方で、御高齢の方も含めた被災者の心のケアなど、中長期的な対応が必要な課題があると認識しております。こうした課題に丁寧に取り組んでまいります。
原子力災害の被災地域におきましては、避難指示の解除の時期などによって復興の状況が大きく異なっております。
地域の状況に応じて、生活環境の整備、産業、なりわいの再生などの取組を進めてまいります。
航空機産業の育成についてお尋ねがありました。
世界の旅客需要は、今後二十年間で約二倍となる見通しであります。航空機産業は大きな成長が期待できる産業です。
また、裾野が広くて、多くの中小サプライヤーが関わっており、我が国にとって大変重要な産業です。
航空・宇宙分野は日本成長戦略の戦略分野の一つでありまして、夏の成長戦略の取りまとめに向けて、航空機産業の育成につながる具体的な投資促進策について、官民投資ロードマップの中でお示ししていきます。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=高市早苗
MCP: search_diet_speeches(speaker="高市早苗")