○国務大臣(片山さつき君) 高村正大議員の御質問にお答えいたします。
特例公債法における責任の在り方についてお尋ねがありました。
今般の特例公債法改正法案においては、同法のこれまでの枠組みを引き継ぎ、令和八年度から令和十二年度までの五年間の発行を可能としているところですが、この授権期間中、政府は、経済・財政一体改革を推進し、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、公債発行額の抑制に努めることとした上で、毎年度の特例公債の発行額については、各年度の予算をもって国会において議決いただくこととしています。
さらに、今般の改正に当たっては、市場の信認を確保するため、授権期間における改革の姿勢を明確に示す観点から、経済・財政一体改革を推進する中で行財政改革を徹底する旨の新たな条文を設けることとしております。
こうして財政規律への配慮などを通じて、高市内閣の責任ある積極財政を進めてまいります。
次に、特例公債の授権期間と財政運営の方針についてお尋ねがありました。
授権期間については、同法のこれまでの考え方を引き継ぎ、令和十二年度までの経済・財政新生計画の期間を通じて、経済・財政一体改革に取り組み、公債発行額の抑制に努めることを前提として、安定的な財政運営を確保する観点から、複数年度の発行根拠を設けるという考え方の下、令和八年度から令和十二年度までの五年間としております。
その間の財政運営については、責任ある積極財政の考え方の下、引き続きワイズスペンディングを徹底しながら、成長率を高めていくことと相まって、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性とマーケットからの信認を確保してまいります。
次に、租税特別措置、補助金の適正化の取組についてお尋ねがありました。
今般の特例公債法の改正に当たっては、行財政改革を徹底する旨を定めた第五条を新たに設け、その一環として、租税特別措置、補助金の適正化に取り組むこととしております。
本取組については、租税特別措置や補助金について総点検を行い、政策効果の低いものは廃止するとの考え方に基づき、既に開始しております。具体的には、昨年十二月に、官房長官や関係大臣、各府省庁の副大臣に参加をいただき、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議を開催したほか、令和八年度予算、税制改正では直ちに見直し可能なものから早速見直しを行い、昨年末に見直し内容を公表するなど、担当大臣である私が中心となって取組を進めています。
また、本年一月初めから二月末にかけて、国民の皆様から見直しの提案を募集いたしました。精査前の単純集計ではありますが、計三万六千件以上の御提案がありました。少しお時間をいただいて、御提案を分析、整理の上、概要をまとめてお示ししたいと考えております。
次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスでは、こうした御提案も見直しの検討に当たり参考とさせていただきつつ、各府省庁にも御尽力をいただきながら、要求、要望段階から一貫して取り組んでいくこととしております。さらに、令和十年度以降についても、特例公債発行の授権期間を通じて行財政改革を徹底していく観点から、それまでの成果も踏まえ、取組を継続していく考えです。
次に、所得税の基礎控除等についてお尋ねがありました。
基礎控除等の額が定額であることにより、物価が上昇すると控除の実質的な価値が減少し、結果として実質的な税負担が増額するという課題への対応として、令和八年度税制改正では、基礎控除及び給与所得控除の最低保障額について、今後、二年ごとに物価の上昇率に連動して見直すことを基本とするというルールを定めた上で、直近二年間の物価上昇率を踏まえ、四万円ずつ引き上げることとしております。
これにより、足下の物価上昇に応じて適切に負担軽減を図ることができると考えております。
さらに、昨年十二月の国民民主党と自由民主党との党首間合意を踏まえ、物価上昇を先取りした特例的な対応として、働き控えへの対応と中低所得者の手取りの増加を図る観点から、課税最低限を百七十八万円まで引き上げるほか、給与所得者の全納税者のうち約八割が対象になるよう、中間層まで基礎控除の特例の上乗せを行うこととしております。
次に、設備投資の促進についてお尋ねがありました。
令和八年度税制改正では、既存の税制では対象とならないような大規模かつ高付加価値の投資を後押しするため、大胆な設備投資促進税制を創設することとしております。
具体的には、一定の規模や利益率の要件を満たす投資について、即時償却又は高い水準の税額控除ができるようにするほか、さらに、事業環境の急激な変化による影響があった場合には、対応する計画について認定を受けた企業は、最大三年間の繰越税額控除ができるようになります。
こうした税制面の対応により、新たな付加価値の創出と生産性向上による果実が賃上げにつながるという好循環をより強固なものとしてまいります。
次に、研究開発税制についてお尋ねがありました。
令和八年度税制改正では、租税特別措置である研究開発税制について、的を絞り、めり張りづけとインセンティブ強化を図る形で見直しを行っております。
具体的には、AI、量子、バイオなど、国家戦略として重要な分野における企業の研究開発を促すため、新たに戦略技術領域型を創設し、より高い控除率等を新たに設定するほか、これまでの効果検証などを踏まえ、試験研究費を増加させるインセンティブを強化する観点から、一般型の控除率カーブの見直しを行うなど、制度を抜本的に強化することとしております。
こうした見直しを通じて、研究開発投資の規模拡大や質の向上を後押しし、強い経済の実現につなげてまいります。
最後に、輸入貨物のダンピングに対して課している不当廉売関税の迂回についてお尋ねがありました。
我が国が不当廉売関税を課している貨物について、対象国以外からの輸入の増加が見られるなど、供給国や品目を変更し、課税を免れる迂回行為が疑われる事例が近年出てきております。
こうした迂回の問題に対しては、今般の法改正において、適用中の不当廉売関税と同等の割増し関税の賦課を可能とする、迅速な救済及び抑止を図る制度を創設することとしております。
このような取組を通じて、不公正な貿易取引から、ルールに基づく自由貿易と我が国産業を守ってまいる所存です。(拍手)
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