○青柳仁士君 日本維新の会の青柳仁士です。
会派を代表し、高市総理の帰朝報告について質問します。(拍手)
まず冒頭、高市総理を始め関係閣僚及び外務省の皆様の御尽力に敬意を表します。
今回の訪米では、トランプ大統領との会談を通じ、日米同盟の揺るぎない結束が改めて確認されました。両首脳は、強固な信頼関係の下、経済、安全保障など幅広い分野で質の高い協力を具体的に進め、同盟を更なる高みに引き上げていくことで一致しました。さらに、トランプ大統領から高市総理への支持が明確に示され、同盟国として我が国及び総理の取組が高く評価されたことも重要な成果と考えます。
一方、今回の訪米において世界が最も注目していた論点の一つは、米国が求めるホルムズ海峡への自衛隊艦船の派遣に対し我が国がいかに応じるかでありました。これについて総理は、記者会見にて、法律の範囲内でできることとできないことがある旨を詳細に説明したと述べておられます。結果として派遣は受け入れなかったとの理解でありますが、正式な停戦合意に至るまでは自衛隊の派遣は困難であるとの認識を伝え、米国側の理解を得たと受け止めてよいのか、改めてお聞かせください。
あわせて、令和元年の中東情勢緊迫時における対応、すなわち、有志連合には参加せず、情報収集活動としてホルムズ海峡外に派遣した際の政府認識との連続性について伺います。当時と同様の法的整理に基づくものなのか、それとも新たな解釈や判断が加わっているのか、総理の具体的な認識をお示しください。
会談後、米国の国連大使が、高市総理がホルムズ海峡の航行の安全確保に関し自衛隊による支援を約束したと発言したとの報道がありました。これは事実と異なるとの理解でよろしいでしょうか。
日米交渉の正式なラインとは異なる立場からの発言であり、結果として国際世論に誤解を生じさせるおそれもあります。政府としてこの発言をどのように受け止め、事実関係の是正と国際社会への正確な発信を行っていくのか、政府の対応方針についてお示しください。
トランプ大統領は、インタビューの中で、イラン攻撃を日本に事前に知らせるべきではなかったかとの質問に対し、真珠湾攻撃を引き合いに出して一笑に付しました。確かに、軍事行動について事前に他国に知らしめることは現実的ではないと思います。しかしながら、今回の例示は適切とは言い難く、また、大統領の基本認識も全く異論なしとは言えないと思います。
ホルムズ海峡は我が国の生命線であり、国際的な対応への協力は一見当然のようにも思えますが、我が国の立場からすれば、事前の十分な協議なく開始された行動について、事後対応のみを求められているとの受け止めも成り立ち得ます。今後も、戦闘の収束及びその後の治安維持や恒久平和の道筋が見通せない中、受動的に紛争に関与し続けることが我が国の国益を損なう可能性は否定できません。
同盟国にとって存亡の危機ともなり得る事態を引き起こす決断を行っている以上、我が国に対して一定の説明と協議は必要ではないでしょうか。今後についても、事態の予見性が担保されない場合の協力の在り方については、判断が必要ではないでしょうか。
また、国際法上の評価は技術的に困難であることは理解しますが、一定の歯止めをかけるものとして認識を伝えていくことも必要と考えます。総理の御認識を伺います。
米国との関係においても、我が国は一方的に応じるのではなく、対等かつ誠実に、主張すべきは主張する姿勢の堅持が重要と考えます。あわせて、各国と連携しつつ、主体的に代替構想を示し、国際社会の最適解を導く役割を果たすべきです。
その意味で、今回の英仏独伊蘭日の共同声明発出における茂木大臣と外務省を中心とした我が国の貢献は、高く評価されるべきと考えます。今後、こうした多国間連携をどのように強化し、調整力を発揮していくのか、総理の御見解を伺います。
こうした多国間連携の取組の先に、ホルムズ海峡を国際的な枠組みの下で管理し、安全航行を確保する方向性を関係各国とともに目指すことが考えられます。
ホルムズ海峡は国際法上国際海峡とされ、国連海洋法条約において通過通航の自由が認められており、本来、特定国が恣意的に封鎖できる海域ではありません。また、その半分はオマーンの領海であり、イランが封鎖することは主権侵害に当たります。
安全航行協定の締結、IMOなどが関与する国際監視メカニズムの構築、主要国による多国間の航行保証等の組合せにより、ホルムズ海峡を世界の公共財として扱う枠組みは実現可能であると考えます。
これは、領有権を侵害するものではなく、最低限の国際ルールにより世界経済の生命線を守る現実的方策です。停戦や制裁緩和と組み合わせることで、関係国の受入れ余地もあると思います。
ホルムズ海峡封鎖に対する一つの解決策として、本提案について総理の御見解を伺います。
中立性と信頼性を生かした日本ならではの立場から、こうした和平に向けた創造的な提案を行い、リーダーシップを発揮していくべきではないでしょうか。
関連して、現時点において、ホルムズ海峡のオマーン側領海地域は日本の法制度上戦闘地域とみなされるか否か、政府の見解をお示しください。
また、我が党との連立合意に基づき、今月半ば、外務省に和平協定に関する部署が新設されました。政府全体で和平調停に取り組む能力を構築する第一歩として、イラン対応を含む喫緊の課題に対しても、早期に具体的な役割を担い、実効性ある貢献を果たせるようにしていくべきではないでしょうか。総理の御認識を伺います。
トランプ大統領は、日米首脳会談後の取材において、日本は必要とあれば支援してくれるだろうとしつつ、日本には憲法上の制約があると発言しました。結果として、憲法上の制約により自衛隊の艦船派遣を回避した形となりました。
一方、今後、自民党と日本維新の会が掲げる憲法九条改正が実現すれば、こうした歯止めに依拠しない交渉力が求められることになります。そのためには、米国に依存せずとも中国などからの軍事的圧力に自立的に対処し得る防衛力を備え、自らの国を自ら守る体制を確立することが不可欠です。
現状は、こうした体制の不十分さが対米関係における交渉力の制約となり、我が国の外交的主体性の発揮を妨げている側面があるのではないでしょうか。さらに、国際法に基づき主体的に判断し、対等な関係と普遍的ルールを守りつつ、国益を確保するしたたかな外交力の醸成も求められます。
そうした基本認識から、我が党と自民党との連立合意には、憲法改正や防衛力強化を始めとする一連の改革が明記されています。改めて、実現の決意について総理に伺います。
朋友相交わるは善導をもって忠告することもとよりなり。高市総理が我が党の党大会に際し贈ってくださった吉田松陰先生のお言葉は、日米同盟において日本に求められる姿勢ではないかと考えております。真の友人同士であれば、互いに真心を持って忠告し、善に導き合うのが当然のこと。その姿勢を大切にし、我が党はこれからも連立与党として、時に耳の痛いことも申し上げながら、日本と世界にとって有用な日米同盟をつくり、内政のみならず外交においても国民と国家の利益のために全力で貢献することをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
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