○小山公述人 御質問どうもありがとうございます。
御質問、御指摘いただいた点は大変重要な点であるというふうに私も心から認識しておりますし、私がエネルギー問題を研究している中で、ある意味でいくと、ずっとその点に集中、関心を持って取り組んできたものとまさに重なるところだというふうに思います。
まず、リスクはこの後どのぐらい残るのかということのお答えですけれども、仮に今回の事象がある程度落ち着いたとしても、中東という地政学リスクがずっと存続し続けてきたところに多くのエネルギー供給を依存するということは、やはり問題というか、大きな課題である、これは率直に言ってそのとおりになっているというふうに思います。
ただ、半世紀前からその問題は分かっていたはずではないか、にもかかわらず、なぜここまで依存をしているのかについての答えが、実は非常に複雑な問題を提起しております。
これは、中東のエネルギー、例えばサウジアラビアの石油とかカタールのLNGというのは、世界の中でも最も競争力のあるエネルギーだから。要するに、経済原則、市場原理の中で我々はみんな生きていますので、競争に打ちかつためには、できるだけコストの安い、そういう供給源にアクセスしないといけない。通常時のビジネスや暮らしの中でいうと、競争力のあるエネルギー源を無視することはできない。逆に、それを無視というか、意図的にそこから離れようとすれば、我々は常に追加的なコストを支払わなきゃいけない。この覚悟と決意をどれだけ持ち続けるのかというところに問題は行き着きます。
あともう一つ、日本の場合、特に石油ですけれども、これは歴史的な経緯があります。日本は、第二次大戦に負けて、そのとき全ての精製システムを失いましたけれども、そのとき、精製業の再建というのは、いわゆる石油メジャーの技術と資本と原油の供給というのに大きく依存しました。ちょうど、折しもこのときは彼らが中東で石油の大開発をやっていた時期で、要するに、中東で大開発した石油が日本の精製システムにぴったりと合うという形で再構築された。つまり、日本の精製という観点からすると、中東の原油は最も最適で、フィットする原油になるということであります。
その点において、これは、いわゆる経済原則、市場原理に本当に委ねておいたのでは、なかなか解が見つからないということになるかと思います。
今は、中東原油の依存度は九五%になりました。この理由にはいろいろあります。一番直近では、ウクライナ危機があって、ロシアからの原油を買うのをやめた、西側の一員としてやめた。その結果として、頼るのは中東しかなかったということです。この競争力のある供給源から離れようとするのならば、まさに日本の国家を挙げて、本当に包括的、総合的な対策をしないといけないと思います。
実際、これを日本は第一次石油危機以降やってきました。ですから、原油輸入における中東依存度は九五%と高いんですが、一次エネルギーにおける石油依存度を大きく下げてきた結果として、トータルエネルギー、トータル経済の中での中東原油のウェートは大きく下がってきています。このような取組が必要だと思います。
あと、最後に一つだけ。エネルギーの外交という点でいうと、この問題は、これから先、ほかの点でも考えないといけない。例えばレアアースのようなものは、最も競争力のある供給源、ここは中国になると思います。自然体で置いておけば、これは必ずそこに依存が高まる。これは総合的、包括的な国家戦略が必要な、重要な部分だと思います。
以上です。
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