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神保謙 ·公益財団法人国際文化会館常務理事・慶應義塾大学総合政策学部教授

参議院国際問題に関する調査会(2026-03-04)での発言

第221回国会 ·第第1号号 ·1,415字
○参考人(神保謙君) まず、国際法に関しての御質問がございました。  国際法がある状態とない状態を比較して考えてみると、国際法は、国、当然その全ての国際法が全ての国に対して望ましい利益をもたらしているものとは言えないし、変化していくその国際体系や国力の下でその変化に十分に対応し切れていない法的仕組みというのもたくさんあるということで、それはある意味公平ではない制度というものを内包しているというのはそのとおりだと思うんですけれども、それでも法があることによって、移ろいやすい政体、政権の関係であったとしても、その国にとっての継続性、一貫性、そしてその正当性、つまりその合理的か正当かということの判断の根拠となるのが国際法だというふうに考えています。  国際法の便益を最も受けるのは私は中小国だと思っているんですね。大国は最終的には力で何か押し通してディールをするということができますけれども、一つ一つの中小国はそれをすることができない。だとすると、法と、そして多国間主義によって自らのルールを徹底して守っていくことによって、自らの視認性というんですかね、透明性や、次の一か月後、一年後、十年後に一体何があるのかということを分かりやすくする制度というのがやはり国際的な合意を守ることによって担保されているということが非常に重要だというふうに思います。  考えてみると、去年の四月にトランプ政権が例の相互関税のまさにリベレーションデーの発表をしたときに、アジアで最も激しくこれに反発していたのは実はシンガポールなんですよね。シンガポールはいわゆる貿易依存度が異常に高い国でありますけれども、シンガポールにとって国際通商秩序が揺るがされるということがどれほど彼らの生存にとって重大かということを言う、つまり、まさにこのルールによる秩序というものによって国益が成り立っているというふうに考えている国が世界の中にはたくさんあるということなんだというふうに思います。国際法というのは常に全ての利益を担保するわけではありませんけれども、でも、多くの国際秩序を維持するために守る、共通言語としては非常に重要だというふうに思います。  この出口戦略ですけれども、これは本当に一方的に攻撃されている方が判断できることではないということだと思うんですけれども、でも、そこには、やはりその原因となっているこの核兵器、核開発をめぐる問題に関して一定の道筋を付けるということが非常に重要なポイントになるのではないかというふうに思います。  おっしゃるとおり、去年の十二月、恐らく、報道は十分ではないんですけれども、イラン国内での様々なデモンストレーションの弾圧によって相当数の方々が亡くなられたということは確実であるというふうに見ております。  このような重大な人命に関する脅威、状態が生じたときに国際社会は一体どう介入することができるのかというのは、これは冷戦後のアフリカにもありましたし、重大な問題であることは間違いないということだと思います。ただ、その際にも、やはり正統的な手続を取る、まさに国連安保理で議論をし、これが人道に対する重大な問題であるということを認定した上で入っていくということがあくまでも法の秩序を守るという点においては重要な手続ではないかというふうに、これは岩間参考人が冒頭におっしゃられたとおりだというふうに思います。

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