○川村雄大君 公明党の川村雄大でございます。
本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本調査会におきましては、「情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築」の大テーマの下、今国会においては四回にわたって十一人の参考人の先生方から貴重な御意見をいただきました。
我が党からの発言も踏まえまして、以下、申し述べたいと思います。
まず、「人口動態等の現状」についてでありますけれども、若年女性の社会減が婚姻減や出生減を通じて地域の自然減に結び付くという見方自体は人口学の基本に沿った考え方でありますけれども、重要なのは、合計特殊出生率のみを少子化対策の評価指標とすることの限界を示された点ではないかなと思っております。出生率が高い地域ほど少子化対策が成功しているとは限らず、若年層、とりわけ若年女性の地域からの移動に着目する必要があります。雇用形態や働き方、所得の格差のみならず、地域に残るアンコンシャスバイアスなど、なぜ若年女性がその地域を離れてしまうのかを直視し、検証すべきであるとの厳しくも温かい御意見は、今後の政策を考える上で極めて重要であると感じました。
また、高齢単身世帯の増加を踏まえて、医療、介護、福祉とどうつなげていくかも喫緊の課題であります。地域医療構想や包括的支援体制も自治体ごとの将来人口の推移を踏まえて構築すべきであります。
次に、「日本経済の現状」についてでございますけれども、長期停滞の背景には、需要面だけでなく、供給力、生産性、民間投資、人的資本投資、デジタル化の伸び悩みがあるとの見解が示されました。成長を取り戻すには、政府投資や財政支出に頼るだけでなく、民間の挑戦を後押しし、人材育成や組織改革を通じて生産性を高める必要があります。
地域産業政策では、地域の主体性や強み、民間の創意を生かしつつ、国の支援や経済安全保障上の必要性を見極めることも重要であります。
また、DXやAI利活用によって仕事の中身が変わる中で、雇用形態にかかわらず、教育訓練、所得保障、それから医療、年金につながる働き方に中立的なセーフティーネットをしっかりと構想すべきであります。
三つ目に、「地域の実情」についてであります。
地域のデジタル化は、システムを導入すること自体が目的ではなくて、住民との対話、信頼、参加を支え、新しい価値を生み出すものとして位置付けるべきであるとの参考人の御意見がありました。自治体組織についても、職員が失敗を恐れず挑戦できる、そういった文化、風土を醸成していくことが不可欠であります。
また、インフラ老朽化への対応も待ったなしでありまして、財政と人材の制約の中で、道路、上下水道、橋梁、公共施設等を全て従来どおり同じ形で維持することは困難となりつつあります。だからこそ、機能を維持しながら量や費用を抑える省インフラの考え方を国の大きなビジョンとして示すべきであり、これは地域を切り捨てる発想ではなくて、限られた資源の中で暮らしを守るための再設計であるとの御意見がありました。オール省庁で取り組むべきという御意見もございました。
地方公共団体では、人材不足、事務量の増大も深刻ですから、都道府県や国による補完、民間委託、公社や広域連携などの活用も含めて、市町村間の連携について柔軟な見直しが必要であります。
最後に、「社会保障・税財政等の展望」についてであります。
社会保障の将来像を議論するには、最新の給付と負担の見通しをまず国民に示すことが前提であります。特に医療については、高度化により保険財政が圧迫される一方、高額療養費制度は国民皆保険の岩盤であり、破滅的医療支出を防ぐ上でも重要な仕組みであって、その見直しは慎重かつ丁寧に行うべきであるとの参考人の御意見に深く賛同するものであります。
現役世代の社会保険料負担が重くなる中、所得や金融資産の状況をより的確に把握をして、応能負担の在り方を検討する必要性についても賛同するものであります。
同時に、子育て支援に対する批判の背景には、非正規雇用や低所得の若者が将来展望を持ちにくい現実があるとの指摘がありました。子育て支援を進めることと併せて、若年層、若者や単身者、非正規で働く方々の生活基盤を支える政策を強化していく必要があります。
以上、今国会における調査を踏まえて、我が党の発言にも基づいて意見を申し述べました。
公明党は、人口減少を前提に、悲観するのではなく、多様化する価値観に合わせて社会を前向きにアップデートしていくことが重要であると考えます。今後も、現場の声を大切にしながら、誰一人取り残さない未来志向の社会の構築に向けて、諸先生方の御指導を仰ぎつつ建設的な議論を進めてまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
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