○内閣総理大臣(高市早苗君) 田名部匡代議員の御質問にお答えをいたします。
私から自民党の衆議院議員への寄附についてお尋ねがございました。
本件の事実関係や趣旨につきましては、既に昨夜、Xで御説明をしたとおり、衆議院総選挙後、党所属の衆議院議員全員に対して、今回の大変厳しい選挙を経て当選したことへのねぎらいの気持ちも込め、今後の議員としての活動に役立てていただきたいと考え、奈良県第二選挙区支部として品物を寄附したものでございます。
品物は、本体価格プラスシステム料プラス送料に消費税を掛けまして一人分約三万円で、合計三百十五人分になります。私が支部長を務める奈良県第二選挙区支部の政治資金からの支出となります。政党支部から議員個人への寄附として、法令上も問題はないものと認識をいたしております。
選挙における雪の影響についてお尋ねがございました。
今回の衆議院議員選挙に際しては、大雪となった地域もある中、各選挙管理委員会におかれましては、ポスターの掲示場や投票所周辺の除排雪など、選挙の管理執行に万全を期していただいたものと承知をいたしております。政府としても、総務省を始め関係省庁が連携して、各選挙管理委員会の取組を支援しました。有権者の皆様には、気象の見通しも踏まえ、期日前投票も活用するなどして、積極的に投票に参加をいただきました。
厳しい気象条件の下での選挙でありましたが、こうした関係者の皆様、国民の皆様の御尽力により適正に選挙を実施することができたと考えており、深く感謝を申し上げます。
衆議院の解散についてお尋ねがありました。
衆議院の解散は憲法七条の規定において天皇の国事に関する行為とされておりますが、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事行為に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であると承知しています。そして、いかなる場合に衆議院を解散するかについては、憲法上これを制約すべき規定はなく、内閣がその政治的責任で決すべきものであると考えております。
選挙運動に関する新たな法整備についてお尋ねがありました。
インターネットを利用した選挙運動につきましては、各党各会派における御議論を経て、議員立法による公職選挙法の改正により解禁されたものです。インターネットの利用を含めた選挙運動に関する規制の在り方につきましては、表現の自由や政治活動、選挙運動の自由にも関わる重要な問題であるため、各党各会派で御議論いただくべき事柄と考えます。
立憲主義についてお尋ねがありました。
立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づき、憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方であり、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものと考えております。
福島県内除去土壌等の県外最終処分についてお尋ねがありました。
福島県内で生じた除去土壌等の中間貯蔵開始後三十年以内、すなわち二〇四五年三月までの県外最終処分の方針は、国としての約束であり、法律にも規定された国の責務でございます。
昨年八月の閣議、閣僚会議で決定した当面五年程度のロードマップでは、二〇三〇年頃に県外最終処分のシナリオや候補地選定プロセスを具体化し、候補地の選定、調査を始めることをお示ししています。
高市内閣では、こうしたロードマップに基づく各種取組を着実に進めることと並行して、二〇三〇年以降の道筋についても具体化させてまいります。
高レベル放射性廃棄物についてお尋ねがありました。
御指摘の青森県六ケ所村で日本原燃が貯蔵している高レベル放射性廃棄物の搬出期限については、事業者において地元との搬出期限の約束をしっかり遵守するよう、国としても指導いたします。その上で、可能な限り早期の高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現に向け、政府職員が全国の自治体を個別に訪問し、理解と協力を求めるなど、文献調査地区の拡大に向け、国が前面に立って取り組んでまいります。
実質賃金の見方、中長期的な物価高対策、円安の見方についてお尋ねがありました。
実質賃金の見方については、御指摘の施政方針演説では、毎月勤労統計におけるサンプル入替えの影響を調整し、より幅広い雇用者をカバーしている実質賃金で見ると、その伸びは、政府経済見通しでお示ししたとおり、令和六年度にプラスとなっており、令和七年度及び八年度もプラスとなる見通しであることについて申し上げたものでございます。
名目賃金は安定的に上昇している一方、食料品を中心とする物価高が実質賃金を下押ししてきましたが、足下では物価上昇率の鈍化の兆しが見られています。
その上で、物価高対策については高市内閣として最優先で取り組み、総合経済対策や令和七年度補正予算にガソリン、軽油の暫定税率の廃止や補助による値下げ、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金による支援などを盛り込み、一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援を実施しています。
中長期的な観点からは、政府として、賃上げの責任を事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整えてまいります。
円安については、為替相場は多様な要因を背景に市場において決まるものであるため、特定の事項が為替相場に与える影響について一概に申し上げることは困難です。また、為替市場の動向について具体的にコメントすることは、市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから、いたしません。
為替市場の動向を高い緊張感を持って注視していることには何ら変わりはなく、市場とはしっかり対話してまいります。
百三十万円の壁対策についてお尋ねがありました。
いわゆる百三十万円の壁については、できる限り被用者保険への移行を促していくことが重要であり、被用者保険の適用拡大を着実に実施していきます。また、働く方々に壁を意識せず働いていただける環境づくりを支援するため、年収の壁・支援強化パッケージを実施するほか、キャリアアップ助成金を拡充するなどしており、これらの取組を通じ、誰もが希望する働き方の実現に向けた取組を進めていきます。
なお、御党の御提案につきましては、社会保険制度における給付と負担のバランスとの関係、所得把握など、実務上の課題や財源といった課題について整理が必要だと考えております。
食料品の消費税減税及び責任ある積極財政についてお尋ねがありました。
政府・与党は、重要かつ大規模な新たな施策を実施するに当たっては、責任与党として、これまでも常に安定財源を確保しながら対応してまいりましたが、この方針はこれからも変わりません。食料品の消費税率ゼロの財源については、今後、国民会議で、特例公債に頼らないことを前提に、御参加いただける野党の皆様とも真摯に議論を行った上で結論を得てまいります。
また、与党単独で具体案を取りまとめ、国会に提案すべきとの御指摘につきましては、食料品の消費税率ゼロと給付付き税額控除の課題は受益と負担や国民経済に大きな影響を及ぼすため、これまでの立民、公明、維新、自民の与野党協議における各党の御主張に沿って、政府・与党としても、国会に提案する前に、野党や有識者の皆様にも参画いただきながら国民的議論を進めることを考えています。
また、責任ある積極財政について、高市内閣では、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、それを次の世代に引き継いでいくこととしており、それが今を生きている国民と未来を生きる国民に対する責任でもあると考えています。
今後も、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。そのための具体的な指標も明確化してまいります。
租税特別措置についてお尋ねがありました。
法人税関係の租税特別措置の適用企業名の公表については、令和八年度与党税制改正大綱において、既に補助金等の交付先名が原則として公表されていること等を踏まえ、企業の経営戦略に与える影響や国、企業双方の事務負担等にも配慮しつつ、一層の透明化を図る観点から、具体的に具体化に向けた検討を行い、令和九年度税制改正において結論を得るとされたところです。
また、同大綱において、税務データについて、租税特別措置等の見直しをより一層進める観点から、税務データの整備を進め、その活用を図る必要があるとされております。
政府としては、こうした方向性も踏まえ、今後必要な検討を行ってまいります。
防衛装備移転制度の見直しについてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中、政府として、防衛装備移転を更に推進し、地域の抑止力、対処力を向上させることが必要と考えています。
また、防衛装備移転の推進は、同盟国、同志国への販路拡大やサプライチェーン協力の拡大を通じ、防衛産業やデュアルユース技術を保有する他の産業の発展により、日本経済の成長にもつながります。
我が国の装備品に対しては、既に様々な国からニーズや期待が寄せられており、今後の案件の具体化に向けて個別に協議していくこととなります。
我が国からの防衛装備移転は、防衛装備移転三原則に基づき、個別の案件ごとに厳格に審査をし、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとしています。
政府としては、こうした基本的な考え方は維持しつつ、どのような案件を移転可能とするべきか、具体的な検討を加速し、防衛装備移転三原則の運用指針の見直しを早期に実施してまいります。
訪米に臨む基本姿勢、法の支配に基づく国際秩序の維持、米国最高裁による判決を受けた対応についてお尋ねがございました。
訪米の機会には、トランプ大統領との信頼関係を一層強固なものとするとともに、安全保障、経済安全保障も含む経済、文化など、あらゆる分野で日米関係を強化していくことを確認していきます。
法の支配については、自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念です。昨年十月の日米首脳会談において、FOIPを力強く推進するために緊密に連携していくことを改めて確認しました。来る日米首脳会談においても、日本外交の柱でもあるFOIPへの日米両国の強固なコミットメントを改めて確認したいと考えています。
我が国としては、今般の判決の内容及び措置の影響等を十分に精査しつつ、米国政府の対応などや日米間の合意に与え得る影響について、高い関心を持って注視していきます。
また、令和七年度補正予算や令和八年度当初予算案に盛り込まれた対策も活用しつつ、影響緩和に取り組むとともに、米国関税が我が国の産業や雇用に与える影響を把握、分析し、対応に万全を期していきます。
その上で、戦略的投資イニシアティブを含めた日米間の合意は、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるものです。我が国として、合意を着実に実施していく考えであり、同時に、米国に対しても合意を着実に実施するよう求めてまいります。
日中関係についてお尋ねがありました。
中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は、私の総理就任以来一貫しています。
その上で、中国は重要な隣国であり、日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要です。我が国としては、中国との様々な対話についてオープンであり、今も各レベルで中国側と意思疎通を継続しています。今後も、国益の観点から冷静に適切に対応を行ってまいります。
レアアースの供給が途絶した場合の我が国経済や国民生活への影響についてお尋ねがありました。
レアアースの供給途絶が生じた場合、一定の仮定の下での一年間で約二・六兆円程度の経済損失が生じ得るとの民間試算が存在することは承知しています。
特定国の輸出管理が供給途絶につながるとするなど、仮定に基づいた影響評価について政府の見解を申し上げることは控えますが、政府としては、特定国に依存しない強靱なサプライチェーンの実現に向けて、同志国とも連携し、供給源の多角化を進めてまいります。
南鳥島周辺海域におけるレアアースについてお尋ねがありました。
佐藤官房副長官が記者会見でお答えしたとおり、衆議院議員選挙期間中の私の応援弁士としての発言は、大規模な推定埋蔵量についての東京大学の試算がある中で、でも、自民党総裁として発言したものでございます。
その上で、商業化に向けては、レアアース泥の採取に係る費用の大幅なコストダウンや、レアアース泥から製錬しレアアースを取り出すための一連のプロセスの確立が重要です。
このため、来年度以降、南鳥島周辺海域においてレアアース泥を再び採取した上で、南鳥島に運んで脱水、分離を行った後、本土において精製するまでの一連のレアアース生産プロセスを実証し、総合的に南鳥島沖レアアース生産の経済性評価を行う予定です。来年度の試験の結果等を踏まえ、実用化の可能性について検討をしてまいります。
気候変動対策についてお尋ねがありました。
気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、パリ協定の一・五度目標の達成に向けて世界各国が取組を進める必要があります。
指示書の具体的な文言及び仮定の質問についてはお答えを差し控えますが、我が国では、パリ協定の枠組みの下、二〇五〇年ネットゼロの実現を目指して対策を推進することが地球温暖化対策推進法において基本理念として法定化されています。
また、我が国は、パリ協定の一・五度目標と整合的で野心的な温室効果ガス削減目標を国連に提出しており、この目標を見直す考えはございません。目標の実現に向けて、GXの推進などに政府一丸となって取り組んでいく方針です。
高額療養費制度の見直しについてお尋ねがありました。
高額療養費制度については、高齢化や高額薬剤の普及などにより高額療養費が増加する中で、持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指して見直すこととしております。
見直しに当たりましては、患者団体の方も参画した専門委員会において、患者団体を始めとした関係者から複数回ヒアリングを行うとともに、延べ二十を超える患者の事例をお示しし、具体的な負担額がどのように変化するか、実態に基づいて検討してまいりました。
その上で、制度全体の持続可能性を確保するために、低所得者の負担に配慮しつつ負担上限を見直す一方で、超党派議員連盟の御提言も踏まえ、長期療養者の経済的負担に配慮し、多数回該当の金額維持や年間上限の仕組みを新設することとしています。
自治体病院や地域の医療機関への経営支援についてお尋ねがありました。
医療機関は賃金、物価の上昇などに直面しているとの認識の下、令和七年度補正予算では、医療・介護等支援パッケージにより、医療分賃金改善、物価上昇への対応も含めた約一兆円規模の支援を実施するとともに、令和八年度の診療報酬改定では、物価上昇や賃上げへの対応に加え、こうした医療機関が地域で担っている救急の受入れの評価などを行うこととしています。こうした取組を通じて、医療従事者の賃上げや医療機関の経営の改善につなげてまいります。
企業・団体献金の規制強化などについてお尋ねがありました。
政治資金の在り方については、各党各会派において丁寧に議論されるべきものであると考えております。
食糧法改正と政府備蓄米についてお尋ねがありました。
政府としても、昨年の価格高騰の要因を検証した上で、米の安定供給を図るため、今国会への食糧法改正案の提出に向け、現在検討を進めております。
具体的には、不作のみならず急な需要変動に対しても迅速に対応できるよう備蓄の目的を見直すとともに、米の需給動向をより適確に把握するため、関係する事業者に在庫や出荷販売量の定期報告を義務付けるほか、引き続き百万トンの適正水準を前提としつつ、政府備蓄を補完するための民間備蓄制度の創設を盛り込むこととしております。
食料自給率についてお尋ねがありました。
万が一の不測の事態にも食料安全保障が確保されるよう、食料自給率の向上を図ることが重要です。
このため、食料・農業・農村基本計画に基づき、二〇三〇年度までに食料自給率を、カロリーベースで四五%に、生産額ベースで六九%に、それぞれ引き上げる目標を設定し、まずは、この達成に向けた施策の実施を農林水産大臣に指示いたしております。
その上で、農地の制約など課題が多いことは十分認識しているものの、単収の向上、植物工場や陸上養殖などのテクノロジーの活用、飼料自給率の引上げ、輸出の更なる促進などを通じて、最終的には一〇〇%を目指していきたいという強い思いを持っております。
少子化対策についてお尋ねがありました。
これまでも、保育の受皿の整備、幼児教育、保育の無償化など、様々な取組を進めてきました。
今後とも、若い世代の結婚、出産、子育ての希望がかなえられるよう、引き続き政府を挙げて取り組んでいくことが必要です。
このため、こども未来戦略の加速化プランにより、子ども・子育て政策の抜本的な強化を着実に実施してまいります。
さらに、強い経済の実現による若い世代の所得の増加に向けて取り組むとともに、安全で質の高いベビーシッターの利用促進、企業の活力を生かした子ども・子育て支援の推進など、働きながら子育てしやすい環境を整えてまいります。(拍手)
─────────────
高市早苗 の他の発言
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 既に片山大臣を中心に、基金の見直し、そして補助金、そして税外収入、これは元々は消費税をゼロ税率にしようということで検討しているんですが、そういった不断…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、米中会談の評価についてお尋ねがございました。
私は、米国と中国が意思疎通をしてこの地域の平和が保たれるということが最も重要だと思っております…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今のような危機だからこそ、供給力を強くすると申し上げております。
今、供給サイドを強くするために、国民生活金融公庫への支援も含めてやっておりますし…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 選挙中、自民党の政権公約にも書かせていただきましたので、できるだけ早くと、やはりスピード感も重要だと思っております。
しかしながら、今、国民会議で…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私は指示が遅れたとは思っておりません。
今回、予算案を、今年度の予算案を提出したのは二月二十日でございました。そして、財政演説が行われました。非常…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今ちょっと汚い字で書き取ったんですが、三つの御提案をいただきました。
まず、ガソリンでございますけれども、この価格。日本は今、百六十九円台。百七十…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) 当初予算の審議をしている間から、更に中東対策で予算を組み替えるべきじゃないかという御提案は、各党からいただいておりました。しかしながら、あのときは、そ…
2026-05-20 · 両院国家基本政策委員会合同審査会
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず冒頭、日韓首脳会談について評価をいただき、ありがとうございます。先般日本が提案したパワー・アジア、これを日韓でも力を合わせながら、アジアの各国が困…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=高市早苗
MCP: search_diet_speeches(speaker="高市早苗")