○小山委員 軍事的な安全保障も、その国の防衛力による、つまるところ、この軍事的な安全保障も経済的な豊かさといったものも、多分、技術、技術力というものがその源泉ではないかと思っております。
まさに技術は国家なりと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、是非、その研究開発というところでは、この場で申し上げるのもなんですが、総予算に占める文部科学予算というのは五%前後で、過去に比べると減っておりますので、やはり研究開発に対する国の投資、今、他国が伸びているのは政府からの非常に大きな研究開発の投資が著しいということがございましたが、日本政府としても、やはり、これはあくまでも一指標ではございますけれども、こういった研究開発あるいはアカデミックなものに対してもっと力を入れていくということが必要なのではないかなと思っております。
次に、スピンオフ、スピンオンのことについて大臣にお尋ねしたいと思います。
この委員会でもたしか以前質疑で、質問者からの主張でこんなことがございました。防衛、軍事技術の国家予算の投資というのは巨額ですから、ですから、民間の一企業が研究開発しようと投資をするよりも、単純比較すれば非常に大きな金額を投資できますし、やはり国家プロジェクトとしてやるので、そういったところで先端技術が生まれる、だから防衛産業によって先端技術が生まれ、それが民生技術に派生して、その国の産業の発展に寄与する。こういうスピンオフの効果を強調するというような、特に最近日本の技術力がというようなことで低下しているんじゃないかという中で、このスピンオフをもっと強化していこうというような声が聞かれて、これはよくアメリカ、フランスの技術開発のパターンだと言われております。
ただ、よく考えてみますと、じゃ、どの国もその派生してきたスピンオフの技術を単独で開発しているかというと、そうではないと思っておりまして、例えばインターネットなんかについては、これはアメリカの開発ですけれども、今や中国だって使っているわけでして、一国で全ての技術を開発するということではないと思います。
また、こういう研究者の論文もありまして、国防部門での技術開発は、今まさに日本でもセキュリティークリアランス法なんかもできましたけれども、機密保護とか技術の過剰装飾化というような制約要因があったり、あるいは予算の確保に安易に頼る姿勢も生まれるということで、スピンオフの範囲が狭まったりあるいは開発スピードが鈍化するというようなことを指摘する研究者もおります。ですから、防衛産業がもうちょっと盛んになってスピンオフができてくれば日本の産業もまた著しく隆盛になるというのは、ちょっと過大評価も時としてあるんじゃないかということを考えております。
加えて、アイゼンハワー大統領が離任の際に軍産複合体の弊害についても述べておりますし、スピンオフを否定するわけではないんですけれども、まさに石橋湛山も提起したような、防衛そのもの、防衛産業あるいは防衛費そのものは経済への投資効果というものは極めて少ない、こういう現在にも通用する指摘もあるものですから、余りの規模になるほど、軍産複合体ができてしまうほど、やはりスピンオフというものあるいは防衛産業といったものに過大な期待をしてしまってはいけないのではないかと思います。
一方で、振り返れば未来という言葉もありますけれども、日本が最も経済的に、あるいは技術面でも世界のトップクラスだった一九八〇年代、まさに齋藤大臣が経産省で大活躍を職員さんとしてされていた時代には、スピンオフを期待する声というのは余り聞かれなかった。むしろ、民生技術として開発した技術が、結果としてですけれども、軍民両用技術として米国の防衛産業からも欲しがられるような、そういう事態が発生していました。
TDKが開発した電磁波を吸収する素材技術がステルス戦闘機の性能向上に大きな役割を果たしたりとか、一九八九年にアメリカの国防総省がアメリカの上院に提出をした中核技術計画では、ガリウムヒ素、光ファイバー、バイオテクノロジーでは日本は米国技術を凌駕している、マイクロエレクトロニクスとか機械知能、耐熱高強度軽量素材、超電導の四分野では米国と同レベルにある、これはアメリカの国防総省がそういうことを報告しているんですね。
こういった民間の技術といったものが軍民両用技術となって転用されるということをスピンオンと表現する学者もおります。民間の方が市場も広いということと競争も激しいということで、かえって技術が生まれるというような考え方なんですけれども。
日本は、明治以来、産業技術の国産化というものを志向してきまして、こういった明治以来の積み重ねといったことも、一時期、八〇年代、非常に日本のスピンオンが生まれるほどの技術力になったと思いますが、こういった技術の裾野を広げていくという発想、考え方の方がかえって高い技術が生まれるんじゃないか、こういう過去の八〇年代の日本にこそ、今後の日本の技術力の回復といったもののある意味の手本といったものがあるんじゃないかと思います。
こういった、平和戦略ともある意味軌を一にする技術開発と考えますが、この点について、スピンオンのこういった考え方についての大臣の御認識と、あわせて、裾野が広いというところで、中小企業さんや町工場さんが東大の研究室でも開発できないような技術を持っていた、こういうことがよく言われていましたけれども、ここが今、後継者がいなかったりとか廃業したりということがあるんですが、まさにこういう町工場のような零細企業さんへの支援も必要だと思いますけれども、この点についての大臣の御認識も併せて伺いたいと思います。
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