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大口善徳 ·公明党

衆議院憲法審査会(2024-05-16)での発言

第213回国会 ·第第6号号 ·2,221字
○大口委員 公明党の大口善徳でございます。  本日は、選挙困難事態における国会機能の維持と国民投票広報協議会における広報の在り方について発言をいたします。  まず、選挙困難事態における国会機能の維持のための憲法改正についてです。  これまでの議論を聞いていますと、例えば、選挙困難事態の具体的な内容、特に広範性要件について、各委員それぞれの問題意識に基づいて活発な議論がなされているように思います。その上で、更にかみ合った議論を展開できるよう、具体的な条文案のイメージを示した要綱案を討議資料としてこの審査会の場に提示していただくことを提案いたします。要綱案を共通の土台とすることにより、建設的な議論を深めるものと考えます。  その上で、本日は、前議員の身分復活の必要性、合理性について意見を述べたいと思います。  選挙期日及び議員任期の特例を設けたとしても、衆議院の解散や任期満了後に選挙の実施が困難な事態が発生した場合、国会議員が不在となってしまいます。国会議員が不在となる事態を回避しなければならないのは、選挙困難事態が任期中に発生した場合でも、任期終了後また解散後に発生した場合でも、同様であるはずです。このような場合においても二院制国会を維持し機能させるためには、前議員の身分復活、つまり、事態発生の直前まで議員であった者に再び議員の身分を与えることが最も合理的な手段であると考えます。  この前議員の身分復活の必要性について、我が党の北側幹事も繰り返し発言をしているところであります。特に、衆議院においては、戦後、任期満了による総選挙はたった一回しかなく、解散により議員の身分を失うことが常態化していることを踏まえると、この仕組みがなければ衆議院の不在はほぼ回避できないことになってしまいます。これでは、選挙困難事態における国会機能の維持という本来の目的を達成することはできません。  結局、議員任期の特例と前議員の身分復活の違いは、選挙の実施が困難となる事態の発生のタイミングという偶然の事情によるものにすぎず、緊急時において国会がその役割を十分に果たすことができるよう、これらをセットで制度化する必要があると考えます。  なお、この前議員の身分復活については、民主的正統性に欠けるとの指摘もあります。しかし、憲法を改正した後は、国民が身分復活制度の適用があり得ることを前提に国会議員を選出し、これに民主的な正統性を付与することになるので、身分復活した議員であっても民主的正統性の観点で問題はないと考えます。  次に、国民投票広報協議会の広報の在り方について意見を申し上げます。  昨年の憲法審査会の海外派遣報告書では、EUの基本条約を変更するリスボン条約の批准承認に係る憲法改正について、アイルランドでは、国民投票で否決がされた僅か一年四か月後に再度国民投票に付され、可決されたという事例が紹介されています。この二回の国民投票の間に憲法改正案の内容が大きく変わったというわけではなく、条約そのものに変更があったわけでもありません。政府がアイルランド国民の懸念を把握し、それを踏まえて、リスボン条約の内容がより明確になるよう説明し、憲法改正案を微修正した結果、可決に至ったと説明されています。  憲法改正案の広報においては、国民の中で広がる懸念に対して適切に対応することの重要性が見て取れるのではないでしょうか。国民投票において、憲法改正案に対する国民の懸念に対し応えることができる唯一の公的機関が広報協議会です。広報協議会は、国民の疑問に応えるべく、憲法改正の意義や必要性、懸念点などを適時適切に、かつ十分に説明していくことが求められます。  当審査会でも、各会派から広報協議会の広報の充実強化の必要性について意見が述べられています。国民投票法に広報協議会の事務として規定されている国民投票公報の発行や広告放送、新聞広告のほか、インターネットを利用した広報も当然実施する必要があります。SNS、インターネット広告などを利用した、国民に分かりやすく、かつ効果的な広報の手法も検討すべきです。  加えて、適時適切な広報を行う重要性も指摘したいと思います。憲法改正案の発議から国民投票までの期間は最長百八十日間で、国民の間で議論になれば争点は移り変わっていくことも考えられます。広報協議会も、国民投票公報を複数回にわたって発行するなどして、その時々の国民の懸念に応える、時宜にかなった広報を行えるようにすべきです。  フェイクニュース対策も喫緊の課題の一つです。国民が広報協議会が行う情報発信に容易にアクセスできるよう、プラットフォーム事業者に対し、インターネットの検索結果について広報協議会の情報発信が優先的に表示されるよう要請することが考えられます。  また、ファクトチェックについては、広報協議会自身も行うべきとの意見が述べられていますが、公権力の表現の自由への介入という面もあることから、広報協議会は、民間ファクトチェック団体と緊密に連携をするなどの対応にとどめるべきと考えます。  そして、広報協議会がこうした多様な広報活動の実務をこなしていくためには、それを下支えする事務局の体制の整備が必要であり、広報協議会規程の条文化の検討も進めるべきでございます。  以上、私の発言といたします。

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