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田中昌史 ·自由民主党

参議院憲法審査会(2024-05-15)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·1,704字
○田中昌史君 自由民主党の田中昌史です。  憲法五十四条二項及び三項に規定されました参議院の緊急集会は、衆議院の解散により衆議院が存在せず国会が召集できない場合において緊急の必要が発生したとき、総選挙による衆議院議員が選出され臨時会が召集されるまでの間、参議院による審議によって国会機能を補完するものであり、参議院の極めて重要な役割であります。  一方、衆議院及び参議院の両院同時活動の原則の例外として位置付けられ、緊急事態に対応する暫定的な措置であることが明らかにされています。  緊急集会は、衆議院の解散から四十日以内に総選挙が行われ、その選挙の日から三十日以内に臨時会が開催されることを前提にした制度であり、衆議院議員が不在となり、総選挙を経て、最大七十日後に両院同時活動が復することを前提とした制度であるというふうに考えます。  緊急集会が解散から七十日を超えて実施できるかについては、先ほど川崎法制局長から説明がありましたとおり、肯定、否定の双方の見解がありますが、先ほど述べた前提を踏まえれば、七十日を超えることは想定すべきではないというふうに考えております。  もう一つの衆議院議員の任期満了による衆議院議員の不存在の場合の緊急集会についても、同様に肯定、否定の双方の見解がありますけれども、先ほどの前提の上では可能であるというふうに私は考えます。  GHQにより統治されていた現行憲法制定時点での緊急集会は、我が国への武力攻撃、テロ、地震等による大規模な自然災害やパンデミックなどは想定されておらず、衆議院議員の長期にわたる不存在も想定していません。参議院の半数の任期満了が重なることも想定されます。  首都直下地震などの大規模災害、我が国への武力攻撃などで国会機能が失われる緊急事態が発生した場合、国民の命を守るための迅速で果断な対応が求められると思います。このような重大な対応を緊急集会という暫定措置のみに委ねるのではなく、衆議院の総選挙が長期にわたり開催できないことが予測される場合には、衆参両院同時活動による原則を踏まえ、国会議員の任期の特例を含む緊急事態条項を憲法に明記すべきであるというふうに私は考えております。  阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には、発災後に予定されていた地方議会選挙の実施が困難となり、臨時特例法による議員の任期延長が行われました。兵庫県議会議会運営委員会が県議会議長に提出した選挙期日と議員任期のあり方に関する報告書の中では、全国的に大災害が多発し、本県と類似のケースが起こり得ることが想定される中、特例法がその課題解消の先例となるよう国に働きかけを行うことは、大震災を経験した県議会としての役割とも考えるところであるというふうに述べていらっしゃいます。  地方議会と国会の相違はありますが、大規模災害における最大の民主主義を堅持する上で私は参考にすべきではないのかというふうに考えております。  なお、緊急事態の認定や任期の特例等の期間等を法律に定める上で、別途の議論を国会で、本会で行うべきだというふうに考えております。  また、災害緊急事態に際して、参議院の緊急集会や臨時会の開催を待つことのできない緊急対応については、災害対策基本法百九条において内閣における緊急政令の制定が認められていますが、国会閉会中あるいは衆議院解散中に限定されたものであります。大規模災害、テロや武力攻撃などの有事は、国会の開会、閉会にかかわらず発生する可能性があります。対応の緊急性に加えて、損害の状況によっては国会を開会できない事態となる場合も想定し、憲法には緊急政令を明記すべきだというふうに考えます。  国家の緊急事態に取り得る国会機能を最大限に発揮し、国民の生命と財産を守るための憲法の改正に当たっては、改正の意図するところなどを国民の皆様に深く御理解いただかなければなりません。各党の見解に隔たりはありますが、条文化に向けた与野党による具体的な協議が真摯に行われますことをお願いして、意見表明を終わります。  ありがとうございました。

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