○参考人(房安強君) 私個人の意見となりますが、述べます。
就業手当は、再就職手当の対象、これが一年を超える雇用の確実性がある就職、自立可能と職安が認定した事業の開始、これには該当しない就職、事業開始が対象でありまして、厚労省の説明では、現在の政策目標として、不安定な就職等は促進対象とならないことから、就職促進給付の対象から就業手当を外すということです。
就業手当の現状の支給規模は小さいことから、廃止しても影響は少ないとされております。しかしながら、経歴等で就職が難しい方や障害者などの場合、いきなり一年を超える長期雇用が確約される就職は難しいことも多く、トライアル的な雇用をまずやってみる必要性があり得ます。また、当初は一年を超える雇用の確実性がない就職であっても、その他の労働条件は良い場合もあり得ますし、雇用期間の延長の可能性もあり得ます。そのような就職を希望する労働者には個別の事情があろうかと思います。政府は多様な働き方を効果的に支えることを政策目標としておりますので、就業手当の廃止との整合性が問題になると思います。
事業の開始については、自立可能とハローワークが認定できない事業を開始した場合でも、その後に事業が軌道に乗る場合もあり得ます。起業を奨励するという政府の政策目標からすると、このような事業も就職促進給付の対象としてよいように思います。むしろ、現行の就業手当制度は基本手当日額の十分の三相当額であるのに、就業手当の給付日数分基本手当が支給されたものとみなされており、再就職手当は基本手当日額の十分の六ないし十分の七相当額で、更に就業促進定着手当の加算があり得るのと比較すると十分に冷遇されているものと言えます。特に、就職困難者のトライアル的な就業を不安定就職だとしてこれだけ冷遇してよいものかはもう少し議論が必要ではないかと考えております。
以上から、就業手当の廃止については疑問が残ると考えております。
長くなりましたが、就業促進定着手当の減額について述べます。
就業促進定着手当は、手当の名称や雇用保険法の条文を一見しますと、再就職手当の受給に係る就職の後、六か月間雇用が継続したという条件のみで受給できるように見えます。しかし、省令により、再就職後の六か月間の賃金が前職の離職前の賃金を下回っているという条件をも要求し、賃金低下による再就職意欲の低下を緩和することを目的とした給付になっております。
本来、一年を超える雇用の確実性がある再就職をして、実際にも六か月間雇用が続いたというその時点で、安定雇用による再就職は達成できたものとして就業促進定着手当の支給対象としてもよいのではないでしょうか。モラルハザードを警戒する立場からしても、このような就業促進給付の拡充は必要だと思います。
再就職により給与が下がったことを就業促進定着手当の支給条件とする現行制度を前提とするのではなく、就業の定着自体についてインセンティブを与える制度を拡充していく、これを是非とも検討していただきたいです。
なお、再就職手当及び就業促進定着手当は、基本手当日額と支給残日数を掛け合わせた金額が両者を合わせた上限額であり、基本手当の所定給付日数分を超えた財政負担をもたらすものではありません。就業促進定着手当は、再就職手当と並んで雇用保険の再就職促進機能を高めていく重要な鍵になるものと思っております。
以上です。
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=房安強
MCP: search_diet_speeches(speaker="房安強")