○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
私は、ただいま議題となりました政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆第一三号)に賛成の立場から討論をします。
今回の法改正は、自民党の一部派閥議員による政治資金収支報告書の不記載問題に端を発したものです。国民の政治に対する不信が日ごとに高まる中、参議院では初めてとなる政治倫理審査会で全会一致により弁明・出席要求をしましたが、多くの議員が要求に応じないなど、当事者である与党第一党の自民党の危機意識が余りに希薄だったと指摘せざるを得ません。
私たち公明党は、一九六四年の結党以来、不適切な政治資金の問題にはどの政党よりも厳しく追及をしてまいりました。
繰り返される政治と金の不祥事の再発を断ち切ることは政治の責任であるとの危機意識の下、本年一月に各党に先駆けて独自の政治改革ビジョンを策定し、四月には政治資金規正法改正案の要綱を発表して与党協議に臨み、五月九日には自公で政治資金規正法改正案の概要を取りまとめました。全部で九項目あるうち議員の罰則の強化を含む七項目は、公明党が示した政治改革ビジョンと要綱を踏まえた内容となりました。
一方で、政治資金パーティー券購入者の公開基準と、議員が政党から受け取る政策活動費の使途公開の在り方の二項目については折り合えず、与党の共同法案を提出できないこととなり、公明党は与野党間での合意形成に努める努力をしてまいりました。
その後の衆議院での与野党修正協議により、五月三十一日、自公の党首会談で岸田総裁から、公明党の主張に沿って再修正する内容の決断が示されました。すなわち、パーティー券購入者の公開基準については五万円超まで引き下げることと、政策活動費をチェックする第三者機関を設置するということで、このことにより、公明党のみならず、野党の意見も取り入れた幅広い再修正案となったと評価し、衆議院では賛成をいたしました。
ここで改めて今回の一連の事件の問題点を申し上げます。
今回の最大の問題は、現行の法律が遵守されず徹底されなかったということであります。現行法では代表者である国会議員の責任範囲が明確でなく、いわゆる派閥が規制の厳しい国会議員関係政治団体から除外をされていたこと、現金での管理が許容されていたことなどが明らかになりました。
政治資金規正法の趣旨は、政治資金の流れを広く国民に公開し、その是非についての判断は国民に任せるというものです。その趣旨にのっとり、今回の法改正案は罰則の強化と透明性の向上を図るものになっています。
法改正により施された対策について申し上げます。
まず、議員の罰則の強化です。
問題に関係した議員が会計責任者とした秘書に責任を押し付け、自身の責任を認めない場面が目立ちました。このような言い逃れは今後絶対にあってはなりません。そこで、会計責任者だけでなく、議員も連帯して責任を負う、いわゆる連座制の強化を盛り込みました。
会計責任者に対して政治家に監督責任を負わせ、収支報告書を確認したことを示す確認書の提出を政治団体の代表者である政治家に義務付けました。会計責任者が本来書くべき収支を報告書に記載しなかったり、虚偽の記載をした場合、代表者の政治家による確認が不十分だったり、怠ったりすれば、罰金刑を科すとともに、公民権が停止されます。議員は身分を失い、その後、数年間、立候補ができなくなり、事実上政治生命を絶たれるという厳しい罰則を設けました。参議院の審議での参考人意見陳述のとおり、政治団体の代表者責任に踏み込んだことは重要な成果であり、再発防止に向けた抑止力を高めたと考えています。
公明党は、二〇〇九年の民主党政権のときにも今回の措置と同趣旨の法案を提出して審議を重ねましたが、民主党の歴代首相は前向きな答弁だけは繰り返しながらも、結局、法案は廃案になりました。今回、立憲民主党から、なんちゃって連座制と茶化した批判が上がりましたが、その本気度が気になるところです。
次に、いわゆる政策活動費の領収書なしの使い切りについては、自民党だけでなく多くの野党でも行っていましたが、不透明であり、国民感覚から大きくずれています。
公明党は議員本人に政策活動費を一切支給していませんが、政治資金に関する独立性が確保された第三者機関を設置し、政策活動費を監査させることを盛り込むよう自民党に求め、このことも再修正され、本法案に反映されております。
附則第十四条が自民と維新との修正合意で盛り込まれましたが、参考人質疑で四人の参考人全員から、政策活動費の十年後の領収書の公開では透明性は十分確保されず、第三者機関の監査が極めて重要だとの指摘がありました。参議院の審議では、総理より、公明党の主張であった第三者機関を令和八年、二〇二六年一月一日目指して設置することや、政策活動費の領収書等を毎年監査するなどの方針を確認して、衆議院の不足部分を補いました。
そのほか、今回の法改正案では、国会議員関係政治団体の政治資金の預貯金管理を義務付けた上で、収入も政治資金監査の対象として、いわゆる派閥も国会議員関係政治団体に含め、政治資金監査の対象としました。
また、先ほど申し上げたパーティー券購入者の収支報告書記載の公開五万円超への引下げと、さらに、政治団体間の資金移動の規制強化や収支報告書のオンライン提出に加え、所属議員が規正法違反などで起訴された場合に政党交付金の交付を停止する制度の創設や、施行後三年をめどとした見直し規定などが盛り込まれました。
以上が規正法改正の概要であり、賛成する理由です。この法案が実現しなければ、国会は自らのルールを自らで決められないという醜態に陥り、国民の政治不信は決定的なものになることでしょう。
法案の附則の検討事項は公布即施行となっております。特に透明性確保に向けた鍵となる第三者機関の制度設計について、公明党は各党各会派間の議論をリードしていく所存です。規正法以外にも、調査研究広報滞在費の改革、当選無効になった議員の歳費返還を可能とする仕組みについても早期に結論を得るべきです。
国民の政治への信頼という基盤があってこそ、現下の国内外の諸問題に対して速やかな対策が実行できるものであります。今後とも不断の政治改革に努めることをお誓いし、公明党を代表しての賛成討論といたします。(拍手)
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