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大沢真理 ·東京大学名誉教授

参議院予算委員会公聴会(2024-03-12)での発言

第213回国会 ·第第1号号 ·746字
○公述人(大沢真理君) 御質問ありがとうございます。  OECDはこれを分析してキツネにつままれちゃったんですよ、ほかの国には見られないことなので、一体なぜなのかと。しかし、その先、立ち入った分析はしてくれなかったんですね。  ある程度立ち入った分析をしたのは、慶應大学の駒村康平さんたちのグループです。これは、政府統計を使わず、慶應義塾大学で独自に作っている日本家計パネルというデータを使った分析によりますと、税は幾らか貧困率を低下させる、しかし社会保険料が掛かったところで貧困率が跳ね上がってしまうという結果が出ております。  それで、日本の社会保険料負担というのは、ほかの国でもそうなんですけれども、一般に社会保険料負担は逆進的です。社会保険料が掛かる所得の上限、キャップがございますので、そこを超える人の総収入に対する社会保険料負担は低くなるわけですね、右肩下がりになる。しかし、所得分布の下の方を見ますと、下の方では、今度は所得に関わりなく定額の負担というのが出てまいります。  典型的なのが基礎年金、もう一つ、国民健康保険、この中にも定額の部分がございますので、総収入に対する保険料負担の割合を見ると、非常に所得の低い層、具体的には年収二百万ですね、名目で、そこのところで保険料負担率が上がってしまうという現象が日本ではございます。  このことが、そして、社会保険料負担というのは、税負担が上がらない中で、特に日本では、個人所得課税と法人所得課税というのが九〇年代の初めをピークとして基本下がってきておりますが、その中で社会保険料負担だけはうなぎ登りに上がってきていると。このことが財政の所得再分配機能を著しく損なっているというふうに私は考えております。  以上です。

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