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大野輝之 ·公益財団法人自然エネルギー財団常務理事

参議院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会(2024-02-07)での発言

第213回国会 ·第第1号号 ·1,319字
○参考人(大野輝之君) 御質問ありがとうございます。  原子力発電に対する考え方ということでございますけれども、私がお話の中で申し上げましたように、今脱炭素化をしていくということが世界のミッションになっております。その中で、その原子力発電をどう位置付けるかというのは非常に意見が分かれる問題であります。  ただ、明確に言えることは、先ほどIEAのレポートのシナリオをお示ししましたけれども、やはり原子力発電が役割を果たすにしても、それはもう主役では全くないということは世界の一致する見解になっているんだと思います。やっぱり脇役という位置にとどまるということです。ですから、そういうものとして考えていく必要があるということです。  なぜ脇役なのかということなんですけれども、これは、一つはやっぱり発電コストが非常に高いということであります。新設発電コストについては、もう一キロワットアワー当たり二十数セントということですから、今円安ですからあれですけれども、三十円ぐらいということになります。かつ、一基当たりの建設コストも非常に高くなっておりますので、非常にまとまった金額をコミットメントしていかなければならないということで、なかなかこれは新規に開発ということが難しいということであります。  そういう弱点といいますか、ブレークするものとしてSMRというものが言われているわけなんですけれども、これ非常に喧伝をされておりますが、実際にはほとんど実用化が進んでおりません。今動いているのは中国とロシアにあるものだけなわけですけれども、これも実績で見ると設備利用率が二十数%というものにとどまっておりまして、八割近く動いていないという状況で、うまくいっていません。  米国のニュースケール社というところのSMRが一番実用化に近いということで非常にもてはやされたわけでございますが、これは、去年の秋にニュースケール社が開発を中断するという発表をしたわけでございます。これはもうコストが高くなってしまって十分な顧客が見込めないということですので、なかなか、経済面だけ考えても、原子力発電を大きなものにしていくことはなかなか難しいだろうというのが実態だと思います。  日本の場合には、やはりそういった問題に加えて安全性の問題があるというのは、どうしてもこの地震大国の日本としては避け難いことだと思います。  志賀原発についていろんな評価があると思いますけれども、私が志賀原発の問題と同時に考えるのは、あそこに、能登半島の突端の珠洲に原発の開発計画があったということですよね。あそこに百二十五万キロワットの原子力発電所を二基造る計画があったということでございます。その設置予定地だったところがまさに今回非常に大きな揺れに見舞われまして、断層も動いたところです。本当にあれが実現しなくてよかったなというふうに本当に私も思います。  ですから、日本の場合には、世界全体で直面しているその原子力発電所の高コストということに加えて、本当に安全性という点でどうなんだろうかという観点から原子力発電については検討していく必要があると考えております。

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