衆議院原子力問題調査特別委員会(2025-06-03)での発言
第217回国会
·第第4号号
·3,016字
○石橋参考人 石橋哲です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
国会事故調には、全体工程のプロジェクトマネジメント機能として参加しました。同委員会解散後は、サークル活動、わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)で、国会事故調報告を出発点として社会の仕組みについて考え合う場の共創をテーマに、全国の高校生、大学生、社会人、日本赤十字などとのワークショップを継続しております。
本日のテーマは、原子力利用に係る諸課題と規制行政の在り方ということですので、私からは、規制行政の在り方についてお話ししたいと思います。
前回参上時にも申し上げましたが、国会事故調の核心は、「問題解決に向けて」、今お配りしていますダイジェスト版の八ページにありますけれども、の記載であると私は考えます。
事故の根源的原因の背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な組織、制度、さらに、それを許容する法的枠組みであったということですね。この根源的原因の解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称を変えるだけでは、再発防止は不可能であると述べております。
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国会事故調は、事故、又はその根源的原因であった規制のとりこの再発防止のために、原子力安全の確保に際して、透明性の確保と公開性の担保の確立を国民の代表である立法府に求めました。それは、モニタリング可能性の確保、国民からの信頼に基づく社会的合意形成に不可欠であると思います。
次、お願いします。
国会事故調は、日本の憲政史上初めて機能した、立法府による行政府への監視でした。規制のとりこの再発防止には、監視の継続が不可欠です。そのために、七つの提言をもって、やっていただきたいこと、その際の目線をフルセットで国権の最高機関である国会に求めています。
次のページをお願いいたします。
行政を監視する立法府。その立法府を主権を信託する側である国民が監視するためには、提言の実施に際し、実施計画の策定と進捗状況の国民への共有が不可欠です。国会事故調は、そのように明記し、立法府に対して提言をしています。
次、お願いいたします。
実施計画の策定においては、政府がただいま進めているEBPMツールが有効であると考えます。ありたい姿をインパクトして、国会事故調提言が継続的に実施されている状態と置き、ロジックモデルを策定し、次のページをお願いします、各工程について、ガントチャート化による見える化による共有というのが有効であると考えます。
次のページをお願いします。
前回も申し上げましたけれども、国会事故調では、時間を含めて様々なリソースの制約がございました。取り扱わなかった事項も多々ございます。また一方で、今も緊急事態宣言が解除されていない事故は様々に進展しています。今日もほかの先生方からおっしゃるように、課題は山積しています。規制のとりこの再発防止に向けた取組は、日本国民にとって喫緊の課題です。
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報告書の提出から今日で百五十五か月経過いたしましたが、提言の実施に向けた実施計画の策定の議論は、極めて遺憾ながら、実質的に行われておりません。
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「君は恥辱と思わないのか」。前々回、前回の参上時に、二千四百年前のソクラテスの言葉を御紹介いたしました。
次のページをお願いします。
私は、この国が、国民から信頼され、外国から敬意を払われる、国内的に安定した国であってほしいと強く望みます。一人の国民として、使命を担うことに参加したいと考えます。主権を有する国民の信託を受けている立法府による、国民に対する背信行為、意図的な無意識のふりをする暴力が長く続かないことを心から祈りたいと前回参上時にも申し上げました。
次、お願いします。
この状況の原因がどこにあるのか。プラトンは、対話編「パイドロス」で、師ソクラテスにこんな言葉を吐かせています。
どんなことを議論するにしても、そこからよき結果を上げようとするなら、初めにしておかなければいけないことが一つある。議論に取り上げている当の事柄の本質が何であるかを知っておかなければいけないということだ。ところが、考察を始めるときに、それを知っていると決め込んで、お互いにちゃんと同意を得ておかないものだから、彼らは、自分自身とも、またお互いの相手とも、言うことが一致しないのである。
私は、彼らの話を盗み聞きしているような気分を味わいました。
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先日、五月二十八日に公表された、規制改革推進会議による規制改革推進に関する答申には、大変共感する言葉が記載されていました。ここでも、規制、制度の所管官庁、いわゆる行政府が規制のとりこに陥ることのないようにすることが大事であるとうたわれています。
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改革に着手し、期限を切って着実に実現するためには、改革の実現までの工程表、すなわち規制改革実施計画を作成すること。規制改革実施計画の策定に当たっては、規制制度間の連携を進めるため、関連する改革事項も包括的に取り込んだ計画の策定が求められると記載されています。
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また、当初意図された改革が違った形で進むケースがしばしば見られる。決定事項が骨抜きにならないように、改革の効果測定やKPIなどによる見える化を進めていくことが大事であると書かれています。
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規制のとりこの再発防止のためには、透明性の確保によるモニタリング可能性の確保と、公開性の担保による信頼に基づく社会的合意形成の道の確保が不可欠であると考えます。
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国会事故調資料の開示の議論もなされないままに放置され、今や、衆議院インターネット審議中継のサイトにも元々保存されて掲示されていた国会事故調動画の多くが抹消されているようです。
事故の再発防止という国民の信託を受けた国会が、もろもろをなかったことにする、意図的な無意識のふりをする暴力の状態を克服し、事故の根源的原因たる規制のとりこの再発防止に向け、立法府が行政府を監視する機能を仕組みとして確立し、国民からの信託に応える。国会事故調は、「不断の改革の努力を尽くすことこそが、国民から未来を託された国会議員、国権の最高機関たる国会及び国民一人一人の使命であると当委員会は確信する。」と記載しています。
私は、中学校、高等学校の生徒さん方、大学生と現状を共有し、私たち国民が何を考えなければならないのか、社会の仕組みについて考え合う場を共創しています。
規制のとりこの再発防止に向け、立法府による行政府に対する監視機能の実効性に魂を入れる国会事故調の提言が、国民の信託を受けているはずの国会、国会議員によって、百五十五か月目の今日、どのように取り扱われ、憲法で置かれている三権分立の実態がどのようなものであるのか、私たちの代表である先生方がどのような御議論を展開されるのか、今日もお聞きしてまいりたいと思います。
ありがとうございます。(拍手)