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小山展弘 ·立憲民主党・無所属

衆議院本会議(2025-04-11)での発言

第217回国会 ·第第19号号 ·3,874字
○小山展弘君 立憲民主党・無所属の小山展弘です。  ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。(拍手)  まず冒頭、お尋ねします。  米国トランプ大統領による関税措置により、日本の輸出産業は大きな危機に直面しています。サプライチェーン全体、中小受託企業にも大きな影響が出ることが懸念されます。  自動車産業を始めとする輸出産業並びに日本の物づくり産業を守るために、政府はどのような対策を考えていますか。経済産業大臣にお伺いをいたします。  民主党政権では、閣議決定した中小企業憲章で、中小企業は経済を牽引する力であり、雇用の大部分を支え、地域社会と住民生活に貢献しているなど、中小企業の経済的、社会的機能と役割を高く評価しています。そして、政府が、力の大きい企業との間で実質的に対等な取引や競争ができず、中小企業の自立性が損なわれることのないよう、市場を公正に保つ努力を不断に払うと定め、中小企業の経営、人材の育成、質の高い職場環境づくりへの支援などを行うとしています。  中小企業憲章こそ、中小企業政策の原点であるべきです。  一方で、菅義偉政権のブレーンの一人と言われたデービッド・アトキンソン氏は、日本に過剰な数がある中小企業が生産性低下の大きな要因であり、最低賃金を引き上げて、経営力と競争力がない中小企業を淘汰、統合するなどの政策を行うべきなどと提言しています。シナジー効果が生まれる企業合併まで否定しませんが、中小企業憲章の考えと真逆の発想と思います。  政府は、中小企業憲章をどのように評価し、位置づけていますか。また、アトキンソン氏のような中小企業に関する提言について、経産大臣はどのような認識を持っていますか。安倍政権以降、中小企業憲章に沿った政策が余りなされていなかったと考えられ、不当な取引慣習を改めることや価格転嫁の取組が遅れたと考えられますが、経産大臣の認識はいかがですか。  中小企業憲章には、「中小企業組合、業種間連携などの取組を支援し、力の発揮を増幅する。」という文言もあります。中小企業組合の中には、大手委託企業と価格や技術など様々な問題を協議、相談する組合もあり、一定の役割を果たしています。しかし、中小企業組合の、共同で価格交渉などを行う機能がもっと強化できれば、価格転嫁や、より対等な企業間関係の構築の促進が期待できると考えます。また、共同購買や共同販売など、中小企業が中小企業組合の組合員になることで、規模のメリットも得られます。  今年は国際協同組合年でもあります。政府は、中小企業組合の役割や機能強化について、どのような認識を持ち、どのような支援を行っていますか。経産大臣の答弁を求めます。  昨年、記録的な賃上げと言われましたが、大企業や好況な業種の企業を中心としたものであり、全国平均では物価高を上回る継続的な賃上げは実現せず、実質賃金は三年連続減少しました。国内企業の約九九%を占め、勤労者の約七割が働く中小企業では、力強い持続的な賃上げには至っておりません。  企業規模間の賃上げの格差について、経産大臣の認識をお尋ねいたします。  中小企業で力強い持続的な賃上げが実現できていない要因として、大手委託企業から中小受託企業への価格転嫁が進まず、賃上げ原資が確保されていないことが挙げられます。昨年の価格交渉促進月間の調査では、価格転嫁率は僅か四九・七%、価格協議が行われていないケースも約二〇%にまで上りました。価格転嫁なくして賃上げなし。価格転嫁待ったなしであります。  昨今の円安による輸出関連企業の増収は、少なからず、為替差益によりもたらされました。為替差益分の増収は、円安による輸入物価高騰で苦しむサプライチェーンの中小受託企業に波及させてしかるべきではないでしょうか。  法人企業統計によれば、二〇一三年から二〇二二年までの間に配当金指数は倍近くまで上昇しており、企業は、設備投資や賃上げ、価格転嫁を抑制して利益を拡大し、それを株主配当や内部留保に多く配分する傾向がありました。行き過ぎた株主資本主義、新自由主義の考えも、価格転嫁や賃上げの障害の背景にあったと考えます。  価格転嫁が進まない原因として、委託企業と受託企業の力関係を背景に、価格協議が行われないことや、お互いの立場を尊重する価格協議が行われないことが挙げられます。これらが実際どの程度あったのか、現在もあるのか、経産大臣の認識をお尋ねいたします。  本改正案では、価格据置きの場合でも協議に応じないことの禁止や、協議の際に必要な説明や情報提供をせずに一方的に代金額を決めることを禁止していますが、この改正によって、企業間協議にどのような改善があると認識していますか。また、実効性をどのように担保しますか。公正取引委員長の答弁を求めます。  二〇一三年から二〇二二年までの時期は、国内物価は横ばいで、いわゆるデフレと称された状態でしたが、名目為替レートは、現在ほどではないものの、円安方向に推移し、かつ、海外物価は上昇していたため、円の実質実効為替レート指数は低下傾向にありました。少なからぬ輸出企業は、円安のメリットのみならず、海外の物価上昇に合わせて海外での販売単価を引き上げることでも増収を確保していました。これは政府も、輸出企業を中心に業績は改善との分析を示しております。  この時期に、価格転嫁によって、中小受託企業にその恩恵を波及させることもできたはずです。しかし、国内中小受託企業に対してはコストダウンを要求し続け、その結果、中小受託企業の体力は奪われ、賃上げ原資は確保されませんでした。なぜもっと早く法改正や価格転嫁を促進する政策を行わなかったのか、伊東内閣府特命担当大臣の所見を伺います。  取引段階が二次、三次と深くなるほど価格転嫁率も下がるという政府の調査があります。中小零細企業での持続的な賃上げ原資を確保するためにも、サプライチェーン全体で価格転嫁が行われることは極めて重要です。改正案では、多段階のサプライチェーンの振興計画を承認、支援できるとしていますが、これがサプライチェーン全体の取引の適正化にどのような効果を持つと認識していますか。経産大臣にお尋ねいたします。  今回の法改正で、本法は、下請代金支払遅延等防止法から中小受託事業者代金支払遅延等防止法に名称変更されます。下請という表現の何が問題であったと政府は認識していますか。法施行後、下請という表現を使用しないように政府が民間に働きかけることもするのでしょうか。伊東担当大臣の答弁を求めます。  立憲民主党は、内閣官房と公正取引委員会が連名で、二〇二三年十一月に労務費転嫁ガイドラインを策定、公表したことを契機として、実効的な価格転嫁や適切な取引を実現すべく、政府を挙げて業界に周知することや運用のフォローアップ、改善点の調査と支援策を講ずることを提言しました。  公表後、一年以上が経過しましたが、労務費転嫁ガイドラインが遵守されていないとの声も聞かれます。ガイドラインの周知徹底のための対策、ガイドラインの運用を通じての課題について、公正取引委員長の所感をお尋ねいたします。また、労務費転嫁ガイドラインは、国や地方が民間に発注する事業も対象ですが、国や地方自治体の遵守状況についても公正取引委員長にお尋ねをいたします。  取引の現状把握のため、現在三百三十名で構成される下請Gメンは、訪問調査などを行い、不適切な取引事案などがあれば、事業所管省庁や業界団体等に改善を働きかけています。しかし、約三百三十万社の中小企業をフォローするには人手が足りないとも考えられ、増員が必要ではないでしょうか。経産大臣の見解をお尋ねいたします。  また、本法案では、中小受託事業者が申告しやすい環境を確保するため、指導助言の権限や報復措置の禁止の申告先として事業所管省庁の主務大臣を追加し、公正取引委員会、中小企業庁、事業所管省庁の連携と法執行の実質的な強化を図ることとしています。事業所管省庁における体制強化の内容について、経産大臣の見解をお尋ねいたします。  なお、報復措置を防ぐために、どのような具体的な対策をお考えですか。また、問題事案の企業名の公表範囲を現在の十社ほどから拡大すべきとの意見もありますが、公正取引委員長の見解をお尋ねいたします。  本法案の施行日について、古谷公正取引委員長は、本法案が可決、成立した場合には、春闘に間に合うようにとの指摘も踏まえて、速やかに施行準備の作業を進めていきたいと答弁しています。  改正法が来年一月からの春闘に役割を発揮するために、十分な準備と周知を踏まえた上で、施行日を例えば二〇二六年一月一日などとし、法案審議の段階で明確にすべきと考えますが、伊東担当大臣の見解をお尋ねいたします。  最後に、私たち立憲民主党は中小企業の味方です。中小企業で働く勤労者の味方です。厳しい経済環境の中でも必死に頑張っている中小企業の皆様と痛みを共有する姿勢を持って、中小企業憲章を基本とし、中小企業の皆様とともに歩んでいく決意を申し上げまして、質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

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