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梅村聡 ·日本維新の会

衆議院本会議(2025-05-20)での発言

第217回国会 ·第第27号号 ·4,462字
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案について、以下、全て総理に質問いたします。(拍手)  国民の関心の高い年金制度は、世代間の公平性を担保しながら、十分な給付を実施する仕組みにしなければなりません。政府が提案する年金制度の改定はそのような内容になっているのか、質問を通じて明らかにしてまいりたいと思います。  昨年の財政検証は、現実から乖離した楽観的な予測を前提にしており、適切であるとは言えません。  運用利回りと賃金上昇率の差であるスプレッドは、過去三十年投影ケースでは一・七としており、これは、前回の令和元年財政検証時の最も好調なケースの一・四を大きく上回っております。この非現実的な設定が、将来の年金財政が好転するように見せていると言えます。  また、前回は六つあった経済の前提が今回は四つしかなく、これでは将来の詳細な検証を期待できません。経済前提を減らした理由について、年金部会での議論を交えて御回答願います。  将来推計人口は、中位推計を基に、二〇二〇年では一・三三である合計特殊出生率は、二〇七〇年には一・三六になるとしていますが、実際には、二〇二三年の合計特殊出生率は一・二〇にまで下がり、出生数は二〇一六年に百万人を割り込んで以来、毎年減少するなど、僅か数年の間に前提から大きくずれ始めています。外国人の増加が寄与するとしていますが、外国人労働者の年金加入率は低く、賃金水準も日本人より低い傾向があるため、年金財政への貢献を日本人と同等に見積もることには無理があります。  性別、年齢階級別に見た就業率の変化と今後の見通しでは、二〇二三年では八〇・一%であった三十歳から三十四歳女性の就業率は、二〇四〇年には九五・一%に上がり、同世代の男性より高くなると見込む一方、出生率は今より高くなるという、両立しない内容になっています。  人口と労働力において、こういう理解に苦しむ前提を用いた財政検証に意味はあるのでしょうか。そして、信用に値するとは思えない財政検証を基に年金の仕組みを見直すことは、国民の不安を増大させることにはならないでしょうか。お答え願います。  政府が前提とする四十年就労の夫と専業主婦という世帯モデルは、現代の多様な家族形態や就労状況と合いませんし、就職氷河期世代が抱える特殊性も反映されていません。年金の実態とは異なる検証結果で国民の目を欺いているうちに、ない袖を振れなくなることを危惧します。年金の財政検証は、年金の本当の姿を国民に提示するように、現在のやり方を抜本的に改めるべきと考えますが、見解を伺います。  本法律案においては、基礎年金の給付水準の底上げのための基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了を盛り込むことが見送られました。その結果、マクロ経済スライドによる給付調整は、二〇二九年に予定されている次回の財政検証の翌年度まで継続することになりました。  令和二年改正の附則では、所得再配分機能の強化やマクロ経済スライドの長期化への対応を検討する旨が定められており、それが更に五年先送りされるのは非常に問題であり、また、無責任です。年金制度を安定したものにするために必要と考えられる、マクロ経済スライドの早期終了についての判断を五年も先送りする合理的な理由は何でしょうか。明確な答弁を求めます。  九〇年代後半からの厳しい雇用環境の中、非正規雇用を選択せざるを得なかったいわゆる就職氷河期世代においては、多くの人が年金を十分に積み上げることができず、年金給付への不安を抱えています。低年金受給者が増えれば、その分、生活保護受給者が増えることも想定されますが、本来、低年金受給者は年金制度の中で支えられなければならないはずです。生活保護受給者の半数以上が六十五歳以上の高齢者である現状から考えても、現在の年金制度は十分に機能していないと考えられますが、総理の御所見を伺います。  また、低年金を理由に生活保護を受けている高齢者が生活保護から抜け出すためにはどのような方策が考えられるのかについても、併せて伺います。  年金の支給開始年齢は徐々に引き上げられ、今年、ようやく男性の六十五歳支給開始が始まりました。支給開始年齢をアメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアが六十七歳にしていることを考えると、平均寿命がそれらの国より長い日本では、更なる支給開始年齢引上げの議論は避けて通れません。年金の実態を明らかにして、支給開始年齢引上げの議論を進めることが必要と考えますが、見解を伺います。  第三号被保険者制度は、かつては専業主婦を支える制度でしたが、今は、パートタイム労働者のもっと働きたいという思いの実現への足かせになっています。百六万円や百三十万円の壁問題は、第三号被保険者の地位を維持する働き控えであり、特に年末の繁忙期の働き手不足の要因になっています。そもそも、この制度がなければこれらの問題は生じません。  第三号被保険者数は、令和五年度では六百八十六万人であり、毎年およそ三十万人ずつ減り続けています。この制度を廃止し、任意加入に戻すことについての見解を伺います。  厚生労働省の資料によれば、令和五年度末時点の国民年金の第一号被保険者千三百八十七万人のうち、保険料納付者数は七百十二万人であり、五一・三%にすぎません。制度維持のためには未納者等への対策が必要です。  第一号被保険者のおよそ半数が年金を納めていない現状をどのように認識していますか。また、未納者に対してはどのような対策を取るのでしょうか。御答弁願います。  さらに、免除者は、全額免除期間については将来受給する基礎年金は半分となるなど、保険料免除、納付猶予制度が低年金の原因となっています。対策を取る必要があると考えますが、政府の認識を伺います。  公的年金制度の弱点を補う仕組みとして、個人型確定拠出年金、iDeCoがあります。本法案では、加入可能年齢の上限を七十歳未満まで引き上げることとする点は大いに評価します。iDeCoは、個人の老後の資産形成を可能とするのみならず、投資された資金が安定的に株式市場や債券市場に投入されるので、投資の促進や経済成長にも寄与すると考えます。  老後の資産形成の自由な選択を可能とするために、一定の上限は必要であるものの、拠出限度額については、さらに、例えば月額十万円程度まで引き上げることを検討すべきと考えますが、見解を伺います。  本法案では、パートタイム労働者などの短時間労働者の賃金要件及び将来的に企業規模要件が撤廃され、また、常時五人以上の被用者がいる個人事業所についての適用業種については、既存事業所は除外されますが、現在の十七業種から、農林漁業、宿泊業、飲食サービス業などにも拡大されます。  被用者保険の適用拡大として、月額基本給八・八万円以上の基準を撤廃することとしていますが、週労働時間二十時間以上の基準がある以上、すぐに新たな壁が生じ、根本的な解決にはならないと考えますが、見解を伺います。  また、厚生年金の適用範囲は、主に中小零細企業に適用拡大されますが、被用者本人と企業が保険料を半分ずつ負担する現制度においては、企業負担が増大します。適用拡大による経済へのマイナス影響はどの程度になると見積もっているのか、お答え願います。  日本の労働人口が減少する中、高齢者の就業率は主要国G7の中でも最も高く、六十五歳から六十九歳で五二%、七十歳から七十四歳で三四%です。在職している年金受給権者三百八万人の一六%に当たる約五十万人が、在職老齢年金制度の支給停止対象になっています。きちんと働き、税金と社会保険料を納めている人が、一定の年収額を超えたことを理由に年金の一部又は全部が支給停止となることは不合理です。  内閣府の調査では、年金が減らないように、就業時間を調整しながら会社などで働くと答えた人が六十五歳以上では三一・九%もおり、働きたいけれども損をするから働かないという実態があることを示しています。  本法案では、支給停止基準額を現状の五十万円から六十二万円に引き上げるとしていますが、これにより、支給停止対象者約五十万人のうち約二十万人が対象から外れますが、約三十万人は対象のまま残ります。働きたい高齢者の働く意欲をそぎ、合理的な理由がない在職老齢年金制度による支給停止は全廃すべきと考えますが、見解を伺います。  厚生年金の標準報酬月額は、令和二年九月の政令の見直しにより、それまでの上限であった六十二万円の上に六十五万円という新等級が設定されました。本法案では、さらに、上限額を三年かけて七十五万円まで段階的に引き上げることとしています。  標準報酬月額の上限である六十五万円の等級には、賞与を除いた報酬月額が六十三・五万円以上の被保険者が二百七十八万人います。厚生労働省によれば、この等級の三九・六%の方が賞与額がゼロであるとのことです。賞与にも年金の保険料負担がかかりますが、例えば、年収千二百万円の被用者は、賞与をゼロにして月収を百万円とした方が、月収六十五万円として賞与を夏、冬、二百十万円ずつとする場合に比べて、標準賞与額の百五十万円に対する二回分の保険料負担がなくなり、負担する保険料全体が少なくて済むようになっています。  月給と賞与の割り方を変えれば保険料負担が異なる制度は公平ではありません。このような現状を政府は認識しているか、伺います。同じ年収であれば保険料負担は同じであるべきであり、実際の年収に応じた保険料負担を実現すべきであると考えますが、見解を伺います。  ここまで述べてきましたように、日本維新の会は、年金制度の根本的な見直しを訴えています。政府の提案している年金制度は、前提となる財政検証から信頼性に足るものではなく、本法案に示された対策も、問題の核心に手をつけず、小手先のびほう策を並べているにすぎません。中長期的には、基礎年金の税方式化等を含む抜本的な構造改革に踏み込まなければなりません。  それらを実現するために、政府、与野党の枠組みを超えた新しい議論の場が必要と考えており、総理大臣主催による社会保障国民会議の設置を提案いたしますが、このような仕組みを創設及び抜本改革の必要性に対する見解を伺います。  日本維新の会は、年金制度を真に国民生活を支えるものにすることを実現し、あわせて、現役世代の社会保障負担を軽減するために努力してまいりますことをお約束いたしまして、私からの質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

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