○河西委員 公明党の河西宏一でございます。
今回の調査で得られた知見は、国民投票における偽情報対策及び外国勢力による介入への対応が民主主義を守る上で重要であること、これを改めて認識させるものでございます。枝野団長を始め議員団の皆様に敬意を表します。
私から、以下四点、所感及び意見を申し述べさせていただきます。
第一に、表現の自由とのバランスの重要性であります。
調査で確認した諸外国・地域の共通点は、いずれも、表現の自由を基本としながら偽情報対策に取り組んでいることであります。イギリスのオンライン安全法やEUのデジタルサービス法では、公的機関が直接的にコンテンツの内容に介入するのではなく、プラットフォーム事業者に対するシステムレベルでのリスク評価、軽減措置を義務づけるなど、間接的な対応を採用されておりました。
本年五月の参考人質疑で、桜美林大学の平和博教授は、民主主義社会では、強権国家のような特定情報の即時排除は困難であり、社会のレジリエンス強化が肝要だと述べられておりました。これは諸外国の実践と合致をしております。
なお、表現の自由には、言論活動による人格形成という個人的な価値と、国民が政治的意思決定に関与する自己統治としての社会的価値を包含をいたします。また、情報の送り手の自由と、知る権利を含む受け手の自由から構成をされます。芦部信喜先生は、知る権利は参政権的な役割を演ずると捉え、その理由を、個人は様々な事実や意見を知ることによって初めて政治に有効に参加をすることができるからであるとされました。
したがいまして、偽情報は、表現の自由が保障しようとする自己統治の価値や、知る権利が目指す民主的政治過程への有効な参加を阻害、侵害する危険性を有するというふうに考えられます。表現の自由を守るとはどういうことなのか。難しい課題ではありますが、精緻な議論を通じて、有効な対策の方向性を見出す必要があると考えます。
第二に、政治広告規制の透明性確保についてであります。
イギリスの二〇二二年選挙法ではデジタルインプリント表示が、またEUのTTPAでは広告主やターゲティング技術の使用の有無等の明示が義務づけられていると報告がありました。やはり表現内容の制限よりも透明性を重視するアプローチは我が国が参考にすべき手法であると、改めて認識をすることができました。
第三に、外国勢力による介入への危機感であります。
ブリュッセルでのヒアリングでは、EU対外行動庁がロシアなどを拠点とする偽情報に関するデータベースを構築し、約一万九千件のケースが蓄積されていることが報告をされました。我が国でも同様の脅威認識が共有をされております。実際の国民投票時における外国勢力の介入を未然に防ぐ体制整備が急務であります。
第四に、ファクトチェックと情報環境整備の重要性であります。
EUでは、ファクトチェック団体の独立性を確保しつつ、育成、財政支援を行っておりまして、様々苦慮があるということでありました。また、船田幹事からは、オールドメディアを含む正しい情報発信の重要性についても指摘がされました。SNS時代の今、個人を含む情報発信が社会認識を形成する力は極めて大きく広範であることを十分に認識をしなければなりません。
同時に、マイクロターゲティングやフィルターバブルの問題が指摘されており、東京大学の鳥海不二夫教授も五月の審査会で指摘されたように、ミドルウェアという考え方を適用した推薦システムの選択制、これはアルゴリズムのことでありますが、技術的な対抗手段の開発も重要であります。
この点を踏まえまして、国民投票広報協議会の役割として、技術的視点も含むガイドラインの策定やファクトチェック団体との連携の在り方を検討すべきだろうというふうに思っております。
以上四点、意見を申し上げました。
各国とも試行錯誤を続けておりまして、ドイツでは、まだ終着点は見えない状況との率直な所感も伝えられたところであります。
我が国でも、検討すべき項目は、総務省が所管する情報通信や、あるいは内閣官房が所管をする国家安全保障など広範であります。国民投票法十四条一項四号のいわゆるバスケットクローズで読み込むことは困難でありまして、立法又は関係省庁の連携などしかるべき枠組みで適切かつ着実に検討されるべきものと考えます。
その上で、広報協議会の事務内容や事務局の組織の在り方及び規模等を具体化し、関係規程の整備の必要性があること、これを改めて申し上げまして、私の所感、意見とさせていただきます。
以上でございます。
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=河西宏一
MCP: search_diet_speeches(speaker="河西宏一")