○河西委員 中道改革連合・無所属の河西宏一です。
先週六月四日、私は本審査会におきまして、先ほどの質疑でもございましたけれども、国民投票法のいわゆるCM規制及びネットの適正利用等について、内容は問わない、しかし手段は問うという会派の基本姿勢をお示しをいたしました。
本日は、その具体策の核心であります透明性の公示、すなわちEUの政治広告透明化規則をモデルとする日本版制度の意義について、より具体的に申し述べたいと思います。
EUは、二〇二四年三月、政治広告の透明化及びターゲティングに関する規則、いわゆるTTPAを採択し、同年四月に発効。その透明性確保等の中核的規律は、令和七年、昨年の十月十日から適用が始まっております。これは、ロシア等による偽情報工作、ケンブリッジ・アナリティカ事件等を踏まえ、EUが民主主義のインフラとして整備した、より強力で先進的な政治広告ルールでございます。その規律は、選挙の政党、候補者の広告のみならず、レファレンダム、すなわち国民投票に係る広告も明確に対象としております。我が国の国民投票制度を考える上で、極めて参照価値の高い立法例であると申し上げることができます。
TTPAの核心は、透明性の公示の義務づけにございます。具体的には、各政治広告に対して、第一に、広告のスポンサー、すなわち資金源の身元、第二に、当該広告に支出された金額の総額、及び、その出所が公的か私的か、またEU域内か域外かの情報、第三に、広告がいかなる選挙又は国民投票に関連するものであるか、第四に、ターゲティング等が行われている場合、その対象、基準、使用された個人データの種類など、政治広告に関する様々な情報を容易に確認できる形で表示することが法律に義務づけられています。
加えて、欧州委員会が設立する公開の政治広告レポジトリー、すなわち広告ライブラリーへの登録も義務づけられ、誰もが検索、分析できるオープンな仕組みとなっております。
さらに、機微な個人データ、すなわち、人種、政治的意見、宗教等に基づくターゲティングを全面的に禁止するなど、厳しい規制が設けられているわけであります。
EU域外のスポンサーによる政治広告は、投票期日前三か月間これを禁止するとの規律も置かれております。執行面でも、違反者には、年間収入又は年間予算の高い方の六%、あるいは年間の世界売上高の六%という極めて重い制裁金が科され得る設計となっております。
翻って我が国の現状はどうかということでありますが、公選法では、ネット広告の出し手、資金源の透明性を担保する規律はなく、国民投票法に至っては、ネット広告に関する規律そのものが存在しないのが実情でございます。
他方、令和三年の国民投票法改正附則第四条は、ネット等の適正利用について三年をめどとして必要な法制上の措置を講ずると定めておりますが、期限は既に大幅に超過をしているわけでありまして、先ほども御答弁がありましたが、立法府として速やかにこの宿題に決着をつけねばなりません。
ここで重要なのは、TTPAが採用したアプローチが、表現の内容を規制するものではなく、誰が、幾ら、どの国の資金で、誰に向けて発信したのかを明らかにする、いわば情報環境の照明をともす手法であるという点であります。これは、六月四日に申し上げた、意見表明には踏み込まないという我が会派の立場とも整合的であると考えます。
そこで、私は、各会派の皆様に以下の方向での合意形成を提案申し上げたいと思います。
第一に、国民投票法に政治広告を透明化する日本版TTPAを新設すること。この措置は、当然ながら、公選法への導入も併せて行うべきであります。第二に、その中核として、スポンサーの身元、広告費総額、資金の出所国、ターゲティング等に関する情報を表示する透明性の公示を義務化すること。第三に、外国主体による国民投票運動広告を投票期日前一定期間遮断すること。そして第四に、現在、各党協議会で議論が進む公選法及び情報流通プラットフォーム対処法の改正と整合的に設計し、選挙と国民投票の両面で一貫した情報環境を整備すること。以上四点でございます。
最後になりますが、透明性の公示は、出し手の自由を奪うものではなく、受け手たる主権者の知る権利を支えるものでございます。三項目改正の合意形成とこのネット規制の決着とを同時に担保する、まさに今、その重要な局面を迎えております。各会派の皆様の建設的な御議論を改めてお願い申し上げまして、私の発言といたします。
ありがとうございました。
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=河西宏一
MCP: search_diet_speeches(speaker="河西宏一")