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田村智子 ·日本共産党

衆議院本会議(2025-11-05)での発言

第219回国会 ·第第4号号 ·4,245字
○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、高市首相の所信表明演説に対し質問をいたします。(拍手)  衆議院に続き、参議院でも与党が過半数割れに追い込まれて、初めての国会論戦です。国民の審判をどう受け止めるのか、高市首相の政治姿勢が問われます。  第一に、しんぶん赤旗が暴いた裏金に対する国民の厳しい審判です。  ところが、総理は、所信表明演説で政治と金の問題に一言も触れず、昨日の答弁でも従来の言い訳を繰り返しただけです。国民は、裏金に関わった議員の重用にも、この問題を幕引きすることにも、納得していません。国民にどう説明されるのですか。  その上、維新の会との合意によって、企業・団体献金の扱いも不問に付し、衆議院議員定数削減に問題をすり替える。これでは、政治と金の問題に蓋をするのと同じではありませんか。  もう一つの審判は、消費税の減税です。  物価高騰は止まらず、実質賃金も前年同月を下回り続け、暮らしの苦しさは深刻になるばかりです。それなのに、自民党は減税より給付金だと主張して、参院選で過半数割れとなり、消費税減税を求める議員が国会の多数となりました。総理は、給付金は国民の理解を得られなかったので実施しないと表明された。ならば、国民が求める消費税減税を行うことが民意に応える道ではありませんか。  この三十年間、消費税は三度増税され、法人税は七回も税率が引き下げられ、富裕層への減税と税優遇も続いています。空前の利益を上げる大企業や大資産家には減税、食費さえ切り詰める庶民には消費税の重い負担、この税制の在り方を総理はどう思われますか。大企業には、今よりも税金を負担する力、担税力があると認めますか。消費税の減税で所得の再分配を行うことが必要ではありませんか。  暮らしのためにも、経済のためにも、物価高騰を上回る賃上げが必要です。そして、それは可能です。  財務省の法人企業統計調査によれば、二〇二四年度の労働分配率が五十一年ぶりの低水準となり、特に、大企業の労働分配率は、二〇一二年度の五三・四%から二四年度は三七・四%へと急降下しました。  同じ十二年間で、大企業の純利益は四・六倍、株主配当は二・八倍、大企業の内部留保は、二百兆円以上増え、五百六十一兆円です。働く人が生み出す富が賃上げに回らずに、株主への配当と大企業のため込みに流れている。  総理、労働分配率の急降下は異常だと思いませんか。ここを正すことが大幅賃上げを実現する鍵ではないでしょうか。  大企業の内部留保を賃上げに活用する、そのために、日本共産党は、内部留保の一部に課税して中小企業への賃上げ直接支援に充てることを繰り返し訴えてきました。働く人が生み出した富を働く人の元へ回す、その仕組みをつくることが政治の責任ではありませんか。答弁を求めます。  賃上げとともに、労働時間の短縮が国民の切実な願いです。  日本の労働時間はヨーロッパの国々よりも三百時間も長く、労働組合も、賃上げとともに、生活時間の拡大、自由な時間をと求めています。  ところが、高市総理は、就任早々、労働時間規制の緩和の検討を指示された。経団連が働きたい改革などと労働時間の更なる規制緩和を求めたことに呼応し、長時間労働を強いる労働法制の規制緩和を行おうというものではありませんか。  厚生労働省の資料では、月平均八十時間という残業規制を超えて働きたいという労働者は僅か〇・一%です。それでも規制緩和しようというのですか。  長時間労働による命と健康への被害は、近年、急増しています。過労死対策白書では、精神障害事案の労災保険の請求件数は年々増加しており、特に令和五年度に大きく増加していると指摘。この十二年間では三倍です。  働き方改革といって進めた政策は命と健康を守るものになっていない、事態はますます深刻になっている、総理、この認識がありますか。  健康の問題だけではありません。一日八時間労働でも子育てや介護との両立はぎりぎりで、仕事を辞める、非正規雇用に変わらざるを得ない女性たちが大勢います。まともな生活時間が欲しい、自由な時間が欲しい、これが働く人たちの声であり、日本の経済の大きな課題です。この願いに応えてこそ、消費と需要の活性化にもなるでしょう。  賃上げと一体で労働時間の短縮を、総理、これこそが政府が目指すべき大方針ではありませんか。  医療危機が深刻となっています。病院の六割が赤字、倒産、閉鎖も相次いでいます。総理は、緊急の財政措置を行うと述べましたが、そもそも、これほどの危機がなぜ起きたのか。社会保障抑制政策の下、人件費や物価高騰に全く見合わない診療報酬にとどめてきた、この失策が今日の危機を招いたのではありませんか。  その上、維新の会との合意によって、医療への公費を四兆円も削減したらどうなるか。患者の自己負担は激増し、医療基盤が崩壊しかねないのではありませんか。国民の命を脅かす社会保障切り捨てを、断じて許すわけにはいきません。  日米首脳会談で、総理は、防衛力強化と防衛予算の増額に取り組むと表明しました。トランプ政権がGDP比三・五%という途方もない軍事費の増額を要求している下で、このような表明を行えば、この要求を受け入れることになるのではありませんか。  総理は、会談に先立つ所信表明で、GDP比二%への軍事費増額を二年前倒しで、今年度中に達成すると表明しましたが、選挙で自民党の公約に掲げることさえしていません。なぜ、憲法と平和、暮らしに関わる重大な問題を勝手に持ち出し、対米公約したのですか。国民不在の対米従属外交そのものではありませんか。  総理、一体、軍事費拡大の目標をどこまで引き上げるつもりですか。明確にお答えいただきたい。  異常な軍事費拡大、その目的は、外国を攻撃するミサイルの大量配備、米国からの戦闘機の大量購入など、日米一体で戦争するための準備にほかなりません。  長射程ミサイル配備、大型弾薬庫の建設、戦闘機の大量配備などが進む地域では、住民の不安が高まっています。ミサイル対ミサイル、軍事対軍事の悪循環がエスカレートすることは、むしろ東アジアの軍事的緊張を高め、武力衝突につながりかねません。必要なのは、武力衝突も戦争も起こさないための平和外交です。  中国との関係も、二〇〇八年の日中首脳会談での、互いにパートナーであり、互いに脅威とならないという合意に基づいて、前向きに打開する外交に継続的に取り組むことが大切ではありませんか。総理、お答えください。  今問われているのは、トランプ大統領の下で、アメリカ言いなりでよいのかということです。  沖縄で米兵等による性暴力被害が繰り返されています。米軍の戦闘機やオスプレイの訓練は、市民生活などお構いなしです。市民も自治体も強く抗議し、日米地位協定の改定を要求しています。こうした問題に日米首脳会談で言及しなかったのはなぜですか。  トランプ大統領は、日米首脳会談直後に、核実験の再開を指示したと表明しました。唯一の戦争被爆国として、トランプ大統領に抗議し、核実験をやめるよう要請すべきではありませんか。  また、九月の国連総会の演説で、トランプ大統領は、パリ協定による気候変動対策について、世界史上最大の詐欺と罵倒しました。この発言に、ハリウッド俳優のハリソン・フォード氏が、本当に恐ろしい、世界が地獄へと向かっているというのに信じられないと述べるなど、世界中から厳しい批判の声が起きています。総理は、トランプ大統領のこの発言を容認しますか。  トランプ政権が気候危機打開の国際的な取組を妨害することに、日本政府として、どう対応するのですか。気候危機は日本国民の命にも関わる緊急の課題であり、トランプ大統領の発言をいさめ、妨害をやめさせるべきではありませんか。また、日本自身、温室効果ガス削減目標を大幅に引き上げ、責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。  人権に関わって、端的に二点お聞きします。  一つは、排外主義を許さないということです。  犯罪や治安の悪化を外国人と結びつける、このこと自体が、深刻な差別と分断を生み、今、日本に暮らす外国の人たちに大きな不安をもたらしています。  総理、こうした主張を政党や政治家が喧伝することによって、外国人への恐怖心や憎悪があおられ、その結果、外国人やそのコミュニティーに危害がもたらされる、このようなことはあってはならないと考えますが、いかがですか。  いま一つは、選択的夫婦別姓です。  総理は、通称使用の法制化を主張し、それぞれの名前での結婚を選択できるようにすることに反対しています。通称使用を徹底しても、自分の名前を変えて結婚することが強制されます。そのことに、多くの人々、特に女性たちが、名前はアイデンティティー、人権だ、名前を変えずに生きていく選択をさせてほしいと訴えているのです。そういう人々に、二つの名前で生きていけというのですか。名前は人格です。自分の名前のままで生活するには、二つの人格を持てということでしょうか。  多様な生き方、多様な家族がそれぞれに幸せを追求できる社会へ、私たちは決して屈することなく歩んでいきます。  最後に、衆議院議員定数削減について述べます。  衆議院の総定数は、既に戦後八十年で最も少ない水準となり、OECD加盟三十八か国中三十六番目の少なさです。議員定数削減の積極的理由や理論的根拠は見出し難い、これが二〇一六年の国会での議論の結論です。こうした経緯を一切無視して、政権与党が、突如、議員定数削減を持ち出すこと自体が大問題です。  しかも、憲法九条改憲、大軍拡、スパイ防止法制定、医療費四兆円削減など、自民、維新の合意を実現する突破口が議員定数一割削減だと維新の会の吉村代表は明言しています。定数削減によって、国民の反対意見を国会から排除して、強権政治を進めるという宣言にほかなりません。  日本共産党は、議員定数削減反対の一点で、広範な世論を結集し、各党会派、議員の皆さんとも共同して、この危険なたくらみを打ち砕くために全力を尽くすことを表明し、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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