○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
参議院選挙を経て本審査会の活動が再開されるに当たり、公明党として、まず憲法に対するスタンスを申し述べます。
日本国憲法は、戦後民主主義の基盤を築いた優れた憲法であり、特に、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の三原理は、普遍の原理として将来とも堅持すべきです。一方、憲法施行時には想定されなかった新しい理念や憲法改正でしか解決できない課題が明らかになれば、必要な規定を付け加える加憲は検討されるべきです。
このようなスタンスを前提に、今後、特に次の六点について参議院の憲法審査会で議論を深めることとしてはどうかと思います。
一点目、憲法九条と自衛隊をめぐる問題についてです。
戦後、九条の下で専守防衛の理念が果たした役割は大きく、九条一項、二項は今後とも堅持すべきです。他方、自衛隊は、多くの国民が現在の活動を理解し、支持していますが、我が国最大の実力組織でもあり、内閣や国会による自衛隊の民主的統制を確保することは国民主権の原理からも重要です。これを、自衛隊法等の法律だけでなく、憲法が定める統治機構の中に位置付けることについては検討に値するのではないでしょうか。
なお、存立危機事態をめぐる総理の答弁が大きく取り沙汰されていますが、平和安全法制は九条の下での自衛の措置の限界を示したものであり、安全保障に関わる従来の政府見解や基本姿勢は堅持されるべきであると申し添えます。
二点目、参議院の緊急集会についてです。
参議院の緊急集会は、衆議院が不在の間に、法律の制定、予算の改定、そのほか国会の開会を要する緊急の事態が生じたときに、それに応えて国会を代行する制度であり、参議院の基本的かつ重要な権能であるとともに、参議院の存在意義の一つとして位置付けられるものです。
緊急事態対応をめぐっては、災害に強い選挙制度は必要であります。大規模災害等によるいわゆる選挙困難事態において国会議員の任期延長を認めるべきか議論がありますが、民主的正統性を確保するには選挙を実施することが肝要であり、緊急集会と繰延べ投票で対応することをまずは基本とすべきと考えます。
参議院の緊急集会に求められる役割を十分に果たすことができるよう、緊急集会をめぐる論点の整理は、まずは当事者たる本院において主体的に行うべきであり、本審査会で積極的かつ真摯に議論を重ねていくべきであります。
また、緊急事態時には多くの国会議員の議場への参集が困難となる事態も想定しておく必要があります。緊急時の国会議員のオンラインによる出席、国会審議や採決に参加できる制度の創設を検討すべきです。
三点目、国民投票法についてです。
昨年来、憲法改正の発議や国民投票の実施に関する検討課題として、広報協議会等に関する規程の整備、投票環境の整備や国民投票の公平公正を確保するための措置などについて議論を積み重ね、本年六月四日の本審査会では参考人をお招きし、SNS上の偽情報、誤情報対策等についても議論したところですが、これらの課題について本審査会で更に議論を深めるべきです。
四点目、マイノリティーの人権についてです。
性的マイノリティーの人権をめぐっては、性同一性障害特例法について、最高裁で違憲という厳しい司法判断が示されています。同性婚訴訟については、今月二十八日の東京高裁判決で全ての高裁判決が出そろう予定ですが、これまで示された高裁判決では全て違憲とされています。性的マイノリティーや外国人、障害者等の人権課題は、まさに憲法十三条、十四条、二十四条を始めとする問題であり、本審査会でも取り上げ、議論をすべきではないでしょうか。
五点目、参議院の選挙制度についてです。
本年七月の参院選をめぐるいわゆる一票の較差訴訟は、昨日、二十五日の広島高裁判決で全ての高裁判決が出そろいましたが、違憲状態が合憲をはるかに上回る厳しい結果となりました。この状況を重く受け止めるべきであり、もはや猶予はありません。
投票価値の平等を追求しつつ、参議院の在り方も踏まえた選挙制度の抜本的見直しに向けて、最高裁の判断を待つことなく、速やかに取組を進めなければなりません。今後設置されるであろう参議院改革協議会はもとより、本審査会としても議論をすべきではないでしょうか。
六点目、政党条項についてです。
本年四月二日の本審査会でも申し述べたとおり、政治と金の問題による政治不信を払拭するには、政党のガバナンスの向上が欠かせません。そのためには、憲法に政党条項を設けたり、政党法を制定し、政党が担うべき役割や責任等を法律という誰の目にも明らかな形で定めることなどが検討に値するのではないかと考えます。
去る十九日、公明党は、国民民主党と共同で企業・団体献金の規制強化に係る政治資金規正法改正案を衆議院に提出しましたが、同法案の附則には、政党のガバナンスを規律する政党法制に関する検討条項も設けたところです。我が国の憲法の下で政党をどのように位置付けるべきか、本審査会のテーマとして取り上げてみてはどうでしょうか。
以上、憲法に対する公明党のスタンスと今後の議論の進め方について申し述べましたが、自民、維新による連立政権合意に関しても付言しておきたいと思います。
合意書には、憲法審査会における議論の進め方に係る内容も示されていますが、国の最高法規である憲法についての議論を与党の限られた会派が拙速に進めるべきでないことは言うまでもありません。これまで同様、幅広い会派の合意を得て丁寧に議論を進めていくことが重要であると考えます。
この点を最後に指摘し、意見といたします。
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API / MCP 利用
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MCP: search_diet_speeches(speaker="谷合正明")