○井出委員 自由民主党の井出庸生です。
私からは、合区の問題について発言いたします。
私は、我が国の最高裁判所が判示している、国政遂行のための民意の的確な反映を実現するため、選挙区の在り方、合区の解消について議論が深まることを強く望むものです。
最高裁判所は、衆議院議員の選挙について、憲法上、議員一人当たりの選挙人数ないし人口ができる限り平等に保たれることを最も重要かつ基本的な基準とすることが求められているというべきであるが、それ以外の要素も合理性を有する限り国会において考慮することが許容されているものと解されるものであって、具体的な選挙区を定めるに当たっては、都道府県を細分化した市町村その他の行政区画などを基本的な単位とし、地域の面積、人口密度、住民構成、交通事情、地理的状況などの諸要素を考慮しつつ、国政遂行のための民意の的確な反映を実現するとともに、投票価値の平等を確保するという要請との調和を図ることが求められていると判示をしています。
また、国立国会図書館が二〇二三年四月に出している「レファレンス」八百六十八号によりますと、欧州評議会の諮問機関である法による民主主義のための欧州委員会は、二〇〇二年に取りまとめた「選挙に関する優れた取組の規範 ガイドライン及び説明文書」の中で、基本原則の一つである平等選挙主義について、投票権の平等、投票価値の平等など五つの項目を掲げています。
このうち、投票価値の平等の中では、地理的基準及び行政上の境界又は場合によっては歴史上の境界を考慮に入れてもよい、投票価値の平等を保障するため、定数配分は少なくとも十年ごとに見直さなければならない、選挙区画は、可能であれば行政区画と一致させるべきである、選挙区の境界を見直す場合は、いびつにならないこと、過半数が独立した構成員から成る第三者委員会の意見を考慮に入れることが望ましいなどと定めています。
デンマークでは、一九一五年、憲法で、人口密度を議会選挙における選挙区への定数配分に用いることが定められました。現在まで数値の変遷はあったものの、憲法に基づき法律で定められた面積係数を乗じた形で定数配分が行われています。
ノルウェーでは、都市部と農村部から選出される議員数を一定の比率に保つため何度も憲法改正が行われ、二〇〇三年からは、面積係数を乗じ、面積を考慮に入れる形で定数配分が行われています。
両国の面積係数には様々な問題点がありますが、根拠が憲法に明記をされていることに加え、定数配分プロセスを客観的かつ透明的なものとし、選挙区での投票を全国単位で集計した結果を議席に反映させるなど、そうした選挙制度と相まって、人口希薄地域における民意を尊重する方策として定着をしていると言われています。
参議院選挙の合区は、都道府県という長く定着している地域の枠組みと国政との結びつきを弱めてしまうのではないかという懸念をはらんでいます。京都大学の毛利透教授は、人口減少地域に住む人々にとって、地域の選出議員との物理的距離が都会の住民よりもはるかに離れたものになることは政治的に軽視をされているという意識を与える旨の指摘をされています。参議院の熱心な御議論も踏まえ、本審査会でも議論をするべきです。
また、衆議院の選挙区においても、人口減少、過疎地域の民意を的確に反映する改正が行われてきているか、根強い懸念があります。自民党は、選挙区の設定について、人口を基本としつつ、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する憲法改正案を提案しています。
選挙制度には、民主制度の根幹として守らなければいけない部分と、社会の変化に応じて柔軟に対応しなければならない部分があると考えられます。一票の権利と同様に、選挙区の在り方、その根幹となる考え方についても議論を深め、憲法にこれを定め、その上で社会の変化に対応する法律改正を積み重ねていくべきと申し上げ、私の発言を終わります。
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REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=井出庸生
MCP: search_diet_speeches(speaker="井出庸生")