○菅野参考人 工藤先生、御質問ありがとうございます。また、文書も読んでいただき、非常にうれしく感じています。
分権的というのが、一九四七年に災害救助法という、我が国の、今もちゃんと使っている、災害の法律では最も古い法律ができていますが、そこで実は、知事が救助をするんだ、こういうふうな規定が書かれているんですね。それがまさに、今の自治体ベースの災害ということの基になっている部分じゃないかなというふうに考えております。
そもそもの趣旨としては、要は、昭和南海地震等々でうまく対応できなかったので、日本の皆さん、今から日本の皆さんは福祉国家になっていくんだし、地方分権でやっていくんですよねと。例えば、それまでは、知事は官選の知事、要は内務省の役人さんたちが知事をやるという時代から、ちゃんと知事を選挙で選ぶんだ、こういう時代に変えましょうという中で、だからこそ自治体でその仕事をするんですよ、こういう形になった。
まさに、実はGHQが求めたのは、そのときに、要は人に寄り添ってやっていただきたいと。しかも、救助は、国としては、実は、対応する省庁は厚生省が呼ばれておりました。まさに厚生省の保護課、今でいうところの生活保護の担当セクションが呼ばれて作られたということになっております。なので、生存権保障をちゃんとやってください、そういう趣旨で災害救助法というのは実は作られているというのが実際のところです。
ただ、当然、災害というのはある地域にたまにしか起きません。ですので、知事といったって、大きい災害が来るのは何十年に一回ということですので、当然、災害を現役で経験される、ここに、菅原市長はまさに経験されて、今も気仙沼市は何か起こったら非常に重要な対応をされるんだろうと思うんですが、さてそういった知事や首長さんたちがうまく対応できるかというと、なかなかということになるかと思います。
そこ以降、一九六一年ですかね、災害対策基本法でも、実はこれは、今でいうところの総務省さん、旧自治省さんが中心になって法案を作られていて、どちらかというと恐らく消防のイメージで作られたのではないかなと思うんですが、そこで市町村でと。こういうのが過度に進んできたというのが大きな経緯ということになります。
この体制というのがずっと見直されないまま今に至っているので、なぜか、最も補完性の原理を働かせねばいけない災害のときに一番分権的、こういう体制が今も続いているということなのかなというふうに考えております。
また、人口減少の中では、やはり補完性の原理というのをもっとしっかりと働かせるべきです。ただ、いつも起こるのは、全ての都道府県がそうだとは言いません、市町村を応援しようとすごく頑張られる都道府県もあられるんですが、どうしても、これは市町村の仕事ですといって仕事を断ってしまうような都道府県の皆さんもあられるということです。
なので、やはりちゃんと、大きな災害においては、被災者支援を中心とした事務というのを都道府県にも分担しますよ、そこに対しては都道府県が責務を持つんですよ、こういうものを規定しない限りは、例えば人口三千人の市とかがあったとしても、全ての対応をそこがしなきゃいけない、こういう事態はずっと解決しないということでございますので、是非、やはり補完的な業務は広域的にやった方がいい。例えば様々な給付事務なんというのは、絶対、都道府県でやった方が効率的だなと思います。
あとは、最後、被災者に寄り添わなくて、むしろ監査をしなきゃいけないような仕事、例えば罹災証明の発行というのは、あれはすぐにお金に結びついてしまいますが、市町村職員さんはすごく心苦しいんです。多分、身近な人にあなたのところにはお金は渡しませんという宣言を彼らはされているということなんですね。こういう事務ほど実は上の方でやって適切に執行する、こういうふうにしてあげないと、なかなか市町村は、被災者であり支援者である市町村職員さんの人権が本当に守られていない、こういう構造が続いているなというふうに感じています。
以上です。
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