○上野国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げます。
第二次高市改造内閣で厚生労働大臣を再び拝命いたしました。
厚生労働行政は、国民の生活を生涯にわたって支える使命を担っており、改めて責任の重大さに身の引き締まる思いです。国民の安全、安心の確保に万全を期すことにより、社会経済活動の安定に資するよう、職務に邁進してまいります。
令和八年熊本地震や一連の集中豪雨を始め、甚大な災害が全国各地で発生しています。お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。また、被災者支援、災害復旧に当たってこられたDMATなどの医療関係者や保健福祉関係者の皆様に感謝申し上げます。
被災された皆様が一日も早く安全、安心な生活を取り戻すことができるよう、熊本の復旧復興に向けた被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づく支援など、必要な対応に全力で取り組んでまいります。また、自然災害から国民を守るため、保健、医療、福祉の連携強化を含む体制や備えの充実に取り組んでまいります。
強く豊かで持続可能な経済社会の実現に向け、戦略的な投資や社会経済の基盤となる人材を育成、確保していくとともに、国民の命と健康、生活を守り、安心して働き、活躍し、挑戦できる基盤を整備していく必要があります。
このため、厚生労働省では、次の三つを柱として取組を進めてまいります。創薬・先端医療等の戦略分野を中心とした官民連携の国内投資の徹底、賃上げ環境整備、労働市場改革等の分野横断的な課題への対応、そして持続可能な社会保障制度の構築等であります。
日本成長戦略において戦略分野の一つに位置づけられた創薬・先端医療への官民投資を拡大し、健康医療安全保障の構築を進めてまいります。
創薬力の向上は、国民に最新の医薬品を迅速にお届けするとともに、我が国の基幹産業としての医薬品産業の発展にとっても不可欠なものです。創薬に関する有望シーズの実用化支援、創薬人材の育成、国際水準の治験、臨床試験を実施できる環境の整備、創薬、薬事審査のためのAI利活用等の環境整備を進めることで、創薬力の向上を目指してまいります。
さらに、我が国の医薬品市場の魅力を高める観点から、医薬品の画期性に対する初収載時における適切な評価や特許期間中の薬価の在り方を含め、革新的新薬のイノベーションの更なる評価について検討を進めます。
そして、研究開発におけるアカデミアやスタートアップの重要性が増す中で、創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤、インフラの強化や、革新的な医療機器を生み出す先端医療の産業振興拠点の強化など、日本発の医薬品、医療機器イノベーションの創出を進めてまいります。
後発医薬品の安定供給に向けて、新たに造成した後発医薬品製造基盤整備基金により、企業間での連携、協力、再編に向けた取組を後押しすることで、非効率な生産体制を解消してまいります。
また、患者の皆様に必要な医薬品を確実に届けるために、既に生じているドラッグロスの解消に向けて、直近の状況を迅速に調査し、早期の開発着手に向けた対応を進めてまいります。
加えて、医薬品の適正使用の推進、医薬品による悲惨な被害の再発防止や不正薬物の乱用防止対策にも取り組んでまいります。
昨今の物価上昇や人材不足により、医療、介護、障害福祉分野の現場は厳しい状況に直面しております。経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げを確実に進めることが重要です。
令和八年度診療報酬改定では、プラス三・〇九%の改定率を実現しました。今後も、骨太方針二〇二六を踏まえ、経済、物価の動向が令和八年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和九年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む更なる必要な調整を行ってまいります。
また、介護、障害福祉分野についても、令和八年度の期中改定において処遇改善等を実施したところですが、令和九年度の定例改定においても、介護、障害福祉分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるという認識の下、介護、障害福祉事業者の経営状況等をきめ細かく把握した上で、令和八年度診療報酬改定を参考に、物価や賃金の上昇等に適切に対応するとともに、他職種と遜色のない処遇改善に向けた対応を実施してまいります。
また、人口減少、高齢化が進展する中、医療、介護、障害福祉等の現場の生産性向上とサービスの質の向上を両立させながら、AIを含むテクノロジーの導入を重点的に推進し、現場が本来のケアや支援により一層専念できる環境の整備に取り組んでまいります。
加えて、老朽化した施設の整備や災害対策について、医療分野においては、新たな地域医療構想の下、地域に不可欠な施設設備の計画的な整備への必要な支援に取り組み、介護、障害福祉分野においても同様に、支援の充実にしっかりと取り組んでまいります。
医療、介護、障害福祉分野に限らず、あらゆる分野で物価上昇を上回る持続的な賃上げを推進していく必要があります。
連合の集計によると、本年の全体の賃上げ率は五・〇一%、中小組合においても四・六九%と昨年より〇・〇四ポイント高い賃上げ率となりました。高水準の賃上げを持続的なものとし、その流れを地方や中小企業、非正規雇用労働者にも波及させていくことが重要です。また、最低賃金についても、政府目標の達成に向けた取組を進めてまいります。
賃上げの責任を事業者の皆様に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備していくことが高市内閣の基本方針です。厚生労働省では、賃上げの機運醸成のため、令和八年度も地方版政労使会議を開催するほか、引き続き、賃上げ支援助成金パッケージによる支援や生産性向上支援等を推進し、賃上げに取り組む事業者の皆様を後押ししてまいります。
日本成長戦略の分野横断的課題の一つである労働市場改革については、処遇の向上に向けたリスキリング支援や労働生産性向上、労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進、多様な人材の労働参加の促進の三つの柱にしっかりと取り組みます。
リスキリング支援については、戦略分野の業所管省庁等と連携し、スキル標準の可視化から教育訓練プログラムの開発、実施まで一気通貫で取り組みます。
労働移動を希望する労働者のニーズを踏まえ、失業中の生活保障など労働者の生活と雇用の安定といった制度の役割を維持した上で、労働力がより希少になる中での雇用保険制度における対応の在り方について検討を進めます。
心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方など労働時間法制の見直しの検討を進めてまいります。
また、さきの特別国会で成立した改正労災保険法等の円滑な施行を図るとともに、過労死等の防止、働く方々の安全と健康の確保に取り組んでまいります。
女性や高齢者を含む国民お一人お一人がその能力を十分に発揮し活躍できるよう、誰もが健康的で働きやすい働き方を選択することができる社会の実現を目指します。
大学、高校等と連携しながら新卒者等へきめ細かな就職支援を行うとともに、非正規雇用労働者の方々の正社員への転換や、同一労働同一賃金の更なる遵守徹底等による処遇改善、就職氷河期世代を含む中高年層の方々に対する就労、処遇改善や社会参加等の支援を進めてまいります。
障害者雇用の質の向上を促進し、働くことに困難を抱える難病のある方々の就労を後押しするための障害者雇用促進制度の見直しに向けた検討を進めてまいります。
また、企業における七十歳までの就業機会の確保の促進や育成就労制度の円滑な施行に向け、引き続き関係省庁と連携してまいります。
さらに、職場における女性活躍を推進するとともに、仕事と育児、介護の両立支援や、共働き、共育て、フリーランスの方々が安心して働くことができる環境の整備、ハラスメント対策の強化などを引き続き推進してまいります。また、質の高い家事支援サービスの利用促進に向けた検討を進めます。
年齢にかかわらず能力に応じて公平に負担し合い、必要な方に必要なサービスが適切に提供される全世代型社会保障を構築することによって、国民の命と健康、生活を守り、安心して働き、活躍し、挑戦できる基盤を整備します。また、働き方の多様化や女性、高齢者の就労増加に対応し、働くことが報われる社会保障制度を目指します。
骨太方針二〇二六においては、令和八年度中に社会保障の改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施することとされております。必要な社会保障制度改革を先送りせず、制度を次世代に引き継いでいくため、不断の見直しを進めてまいります。
さきの特別国会では、出産に係る保険給付体系の見直しやOTC類似薬等の保険給付の見直しなどを内容とする健康保険法等改正法が成立したところであり、まずはこの施行を着実に進めてまいります。特に、出産に係る保険給付体系の見直しについては、出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、年末にかけて給付水準等の検討を本格化していくとともに、分娩施設の体制維持、確保、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を推進するための措置について検討してまいります。
また、更なる医療保険制度改革に向けて、与党間で合意された社会保障改革項目に関する具体的な骨子や骨太方針二〇二六を踏まえ、高齢者の窓口負担割合の在り方などについて検討を進めてまいります。
公的年金制度については、昨年成立した年金制度改正法による段階的な被用者保険の適用拡大などの円滑な施行に努めてまいります。また、国民年金第三号被保険者制度については、働き方に中立的な制度となるよう、有識者の検討会において丁寧な議論を積み重ねてまいります。
高齢者数がピークを迎える二〇四〇年に向けた地域医療構想については、医療、介護の複合ニーズを抱える高齢者の増大や人口減少などに対応できるよう、入院医療の在り方に限らず、外来や在宅医療、介護との連携までをカバーし、人材確保等の状況も踏まえた医療機関の役割分担や連携を更に推進してまいります。
また、医師偏在対策について総合的な対策を推進するとともに、医療関係職種の人材確保の在り方について検討してまいります。
あわせて、ドクターヘリの安全で持続可能な運航の確保、小児、周産期、救急、災害医療体制の充実や、地域医療介護総合確保基金による地域の医療、介護の総合的な確保に向けた取組への支援を通じた、地域の実情に応じた医療提供体制の確保に努めてまいります。
さらに、医療DXについては、全ての国民が最適で質の高い医療等サービスを安定的、持続的に受けられるよう、電子カルテの普及や医療機関等の間での医療情報の共有等を進めるとともに、マイナ保険証の利用促進に取り組んでまいります。
攻めの予防医療を推進し、健康寿命の延伸を図り、国民お一人お一人が健康で元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただくことで、経済社会の活力を維持強化してまいります。このため、先般公表したプランに基づき、性差に由来する健康課題への対応、がん検診、歯科健診、栄養対策、認知症対策、リハビリテーションやデータヘルス、コラボヘルスの推進等を進めてまいります。
がん検診については、職域、自治体における受診勧奨の強化やポータルサイトを通じた情報発信の充実など、検診及び精密検査の受診率向上の徹底を図ってまいります。
歯科健診については、希望する国民が毎年歯科健診を受けられるよう、簡易歯科健診等の取組を進めてまいります。
リハビリテーションについては、本年五月に設置したリハビリテーション統括調整室が中心となり、予防、医療、介護を通じた切れ目のないリハビリテーションを戦略的に推進してまいります。
さらに、性差に由来する健康課題への対応については、女性が生涯にわたり必要な健康支援を受けることができるよう、ライフステージに応じた取組を進めてまいります。
このほか、重症化予防、難病対策、移植医療対策、循環器病対策、アレルギー疾患対策、受動喫煙対策、広域的な食中毒事案への対策、生活衛生関係営業の振興等に引き続き取り組んでまいります。
また、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に全力で取り組むとともに、ハンセン病元患者家族の方々への補償制度を引き続き着実に実施してまいります。
原子爆弾被爆者援護対策については、被爆者の方々に寄り添いながら、保健、医療及び福祉にわたる総合的な支援などを行ってまいります。
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金について、まだ多くの未提訴者がいると考えられることから、そのような方々が引き続き適切に給付金を受け取ることができるよう、請求期限の延長に関する法案を今国会に提出いたしました。
感染症対策については、健康医療安全保障の実現に向けて、危機管理投資を推進する観点から、MCM戦略も踏まえ、感染症危機対応医薬品等の研究開発環境や生産体制の整備等について制度化に向けた検討を進めるとともに、新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえ、次なる感染症危機への備えを着実に進めてまいります。
各感染症の発生動向を把握し適切に対応するとともに、罹患された方々が適切な医療を受けられる環境づくりを進めます。加えて、本年六月から各自治体において順次開始されている予防接種事務のデジタル化を引き続き推進してまいります。
また、昨年十二月に設置したUHCナレッジハブを通じて、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向けた取組を加速し、感染症に関する国際的な取組としてのCEPI等への貢献など、国際保健に関連する国内外の課題の解決に取り組んでまいります。
サイバー攻撃により個人情報が漏えいする事案などが相次いでいることを踏まえ、国家サイバー統括室等と連携して、所管の関係団体、事業者等に対し、脆弱性の適切な管理に関する留意事項を示すなど、サイバーセキュリティー対策の徹底を図ってまいります。
人口減少や単身世帯の増加など社会構造が変化する中、地域共生社会の実現に向けて、さきの特別国会で成立した改正社会福祉法等に基づき、地域の実情に応じた包括的な支援体制の整備、中山間、人口減少地域における介護、障害福祉サービスの提供体制の確保、頼れる身寄りがいない高齢者等への支援の拡充等を進めてまいります。
また、困難な問題を抱える女性への支援について、より多くの方に必要な支援を届けるための方策の検討を進めてまいります。
障害者や難病患者の方々が、地域や職場において、本人の希望に応じて、その方らしく暮らし、働くことができるよう、取組を着実に進めてまいります。また、多様化する障害者のニーズに応じた障害福祉サービス等の質の確保、向上を図るため、障害福祉報酬改定に向けた検討を進めてまいります。
また、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、相談支援の充実、子供、若者の自殺対策の強化など、関係府省庁とも連携し、自殺対策を推進してまいります。
さらに、認知症施策推進基本計画にのっとって、認知症になっても希望を持って暮らし続けることができる新しい認知症観に立ち、認知症施策に関する取組を推進してまいります。
生活保護については、昨年の最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付等を着実に進めるとともに、令和九年度の生活扶助基準の改定に向けて、関係部会での検証結果などを総合的に勘案し、適切に対応してまいります。
戦後八十年以上が経過し、戦没者の慰霊と戦争体験者の記憶の継承を着実に継続していくため、戦没者の慰霊事業や平和の語り部事業に取り組んでまいります。また、一柱でも多くの戦没者の御遺骨を収容し、御遺族に早期にお渡しできるよう全力を挙げてまいります。
厚生労働行政は幅広く、様々な課題がございますが、一つ一つ思いを込めて取り組み、その必要性や成果等を国民の皆様に分かりやすく発信していくことを心がけてまいります。委員長、理事を始め委員の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようにお願いいたします。
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2026-07-23 · 参議院厚生労働委員会
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、予防接種の安全性につきましては、医師等から報告をされる副反応疑い報告のほか、様々な科学的知見を収集した上で審議会において評価をしているところであり…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=上野賢一郎
MCP: search_diet_speeches(speaker="上野賢一郎")