○成田参考人 おはようございます。運輸労連の執行委員長の成田でございます。
まず、本日は、このような場で意見陳述の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。
運輸労連は、運輸産業に集う仲間が結集する労働組合でございます。中央本部登録は四百組合で十万九千名ですが、加盟四百組合には十五万五千人の組合員を抱えており、その多くはトラックドライバーであります。日々、現場最前線で活躍をしている、運輸産業で働く仲間の立場から、業界の現状、課題について意見を申し上げたいと思います。
まず、今回提出されている法案については、いわゆる物流の二〇二四年問題への対応に当たり必要不可欠な法案であると理解しており、早期の成立を求めるものであります。
私たち物流事業者で働く仲間は、コロナ禍でもそうでありましたが、物流は、経済、国民生活を支える重要な社会インフラであり、決して物流を止めてはいけないという思いで日々業務に就いていることをまず申し上げておきたいと思います。
そこで、お手元に配付している資料を御覧いただけますか。
まず、運輸労連の二〇二四年春季生活闘争における三月末の解決状況でありますが、四月二日になりますかね。昨年は、平均賃金引上げ額が、単純平均で前年を千八百四十六円上回る四千九十三円となり、二十七年ぶりに四千円台での解決に至りました。本年は、四月二日現在で解決組合の平均賃上げ額は六千四百五十三円となり、加重平均でも八千四百五十二円と、前年からは大きく前進をしていますが、メディアで報道されているように、昨日段階の連合全体での賃上げ平均額は一万六千三十七円となっており、他産業と比較すると更に格差は拡大しているのが実態であります。
次の資料は、一九九〇年以降の加盟組合の賃金引上げ解決額の分布図であります。一九九〇年に物流二法が施行された以降、賃上げ解決額が低額に移行しているのがお分かりになると思います。
一九九〇年代半ばから、日本の多くの製造業が海外進出をしていったことなどもあり、日本国内の貨物総輸送量は減少傾向となっていきましたが、いわゆる規制緩和をきっかけに新規参入事業者数が反比例して増えていった結果、事業者間の過当競争が激化し、今に至る多重下請構造を生み出し、現在のような荷主の優越的な商慣行が醸成されたと考えております。
そこで、このような課題をどのように改善をしていくかでありますが、冒頭申し上げましたが、物流は、経済、国民生活を支えるインフラであり、物流事業者のみならず、荷主企業、そして一般の消費者を含め、物流に関わる全ての方々の理解と協力が必要であると考えます。
これまで日本の物流は、長時間労働、そして、全産業と比較して、低い、厳しい労働条件で業務に当たっているトラックドライバーに支えられてきたと言っても過言ではありません。このことなどから、トラックドライバーは、脳・心臓疾患による労災支給決定件数が統計開始以降ワーストワンの状況にもあります。事業継続に向けては、こうした状況の改善は不可欠であり、トラックドライバーの労働時間の管理の変更が急務と考えています。
今、トラックドライバーは、慢性的な人手不足に加え、高齢化も著しく、一九八九年の大型トラック運転手の平均年齢は四十・三歳であったものが、二〇二一年には四十九・九歳と、ほぼ五十歳であります。今後更に高齢化と労働力不足に拍車がかかることが想定できるため、若い入職者を増やすためには、賃金の引上げを始め、労働条件の改善は不可欠であります。
加えて、私たちの産業では、長らく、労働時間の長さで給与支給を維持してきましたが、今後、労働時間の長さや歩合給に依存する賃金体系から脱却を図っていかないといけないというふうに考えております。
とりわけ、今回の法改正では、全ての荷主や物流事業者に対し、荷待ち、荷役の削減等の取組について努力義務を課すほか、一定規模以上の事業者には中長期的な計画策定を義務づけることとされており、国が取組状況をしっかりとフォローアップする仕組みとなっております。これにより、荷主と物流事業者が協力して効率化に向けて取り組むことになり、その結果、トラックドライバーの労働時間や労働環境の改善につながっていくものと考えています。
また、元請事業者に対し、実運送体制管理簿の作成が義務づけられますが、多重下請構造を明らかにすることはその是正に向けた第一歩であり、さらに、先月告示された新たな標準的運賃では、運賃表が平均八%引上げとなっていることに加え、下請手数料が新たな運賃項目として設定されており、元請事業者は、荷主から収受した運賃からこの下請手数料を差し引くのではなく、必要な分、運賃に上乗せして収受することになります。
そのためには、管理簿による下請構造の把握が不可欠であり、法律と標準的運賃が相まって、実運送を担う下請事業者が適正運賃を収受できるようになると期待をしています。そのことで、若い人たちに選んでいただける業界へ変革をしていきたいですし、持続可能な物流を実現につながるものと考えております。
繰り返しになりますが、物流産業の持続性のためには良質なドライバーの確保が必要であり、そのためにも、安全、安心とともに、労働条件、賃金の引上げが大前提であります。そのためには、労務費、物流費がサプライチェーン全体の中で適正に価格転嫁されていく仕組みが有効に働くことが大切だと思います。
現在、厚生労働省が発表している二〇二三年毎月勤労統計調査によると、道路貨物運送事業は、総実労働時間が二千三百七十三・六時間で前年比一・一%増、現金給与総額が四百四十八万五千百九十二円で一%減となっています。こうしたことから、全産業との比較では、労働時間が二割長く、年間所得は一割から一割五分低い現状は変わっておりません。
労働組合としては、こうした現状の改善を図り、年間労働時間は全産業と同水準になるよう、そして、年間総収入は全産業を上回るような水準となるよう、様々な課題にチャレンジをしていきたいと思います。
是非、今後も国、行政のこれまで以上の環境整備をよろしくお願いしたいと思います。
以上であります。ありがとうございました。(拍手)
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2024-04-23 · 参議院国土交通委員会
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○参考人(成田幸隆君) ありがとうございました。
なかなか統計を取ったところまでは行っていませんので感覚的なところがありますけれども、私たち、今六万三千社ある中ですけど運輸労連…
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○参考人(成田幸隆君) ありがとうございました。
先ほどから申し上げていますように、脳・心臓疾患等により労災支給決定件数がワーストワンということを続けている状態を何とかしていか…
2024-04-23 · 参議院国土交通委員会
○参考人(成田幸隆君) ありがとうございます。
職場の率直な声は、私ども現場に、終わった後オルグとか行くんですけれども、確かにあれだけメディアで一万五千円とか五%とかどんどん出…
2024-04-23 · 参議院国土交通委員会
○参考人(成田幸隆君) ありがとうございます。
トラックドライバー不足ということでありますが、先ほど馬渡さんからもありましたが、まずはやはり処遇改善だというふうに思っています。…
2024-04-23 · 参議院国土交通委員会
○参考人(成田幸隆君) ありがとうございました。
特段、今現地から急に物が運べなくなったということでは聞いてはおりませんが、これが九百六十時間始まったばかりですので、四月から、…
2024-04-23 · 参議院国土交通委員会
○参考人(成田幸隆君) おはようございます。
運輸労連中央執行委員長の成田でございます。
本日は、このような場で意見陳述の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=成田幸隆
MCP: search_diet_speeches(speaker="成田幸隆")