SEISAKU DB トップ
SEISAKU DB
吉良州司 ·有志の会

衆議院予算委員会(2024-02-26)での発言

第213回国会 ·第第14号号 ·2,251字
○吉良委員 このグラフは、日本国内で生み出した付加価値の総額であるGDPと、日本人、日本企業が世界のあらゆる場所で稼ぎ出した所得であるGNIの推移を表したグラフです。同時に、グローバル化している企業活動や企業収益の一端を表している図でもあります。GNIとGDPの差は、海外からの配当や金利収益である第一次所得収支とほぼ一致しているからです。  日本は今や投資立国となっており、この配当や金利収益は、二〇二二年で三十四兆円もあります。そして、円安により今や貿易赤字国になってしまった日本の経常収支黒字化に大きく貢献しています。  企業収益は、海外投融資をしている企業を中心に拡大していることは確かです。その背景には、今言ったように、海外で稼ぎ出したドル建ての配当、金利収益が、円安により、連結決算上大きく膨らんでいるということがあるのです。  総理が言われた企業収益の拡大自体は間違っていません。しかし、私の問題意識は、生活者優先という視点から、この企業収益拡大の恩恵が広く国民に分配されないこと、また、円安により輸入物価高騰に苦しむ一般国民から企業への所得移転の要素をはらんでいるということです。  企業は、生き残りを懸け、また利益を最大化するために、世界のどこでも事業展開します。企業として当然のことです。  しかし、政府としては、あくまで国民生活を豊かにすることが目的です。企業収益が拡大したとしても、それが所得移転という形で国民生活の犠牲の上の収益拡大であっては本末転倒です。  なお、現在進行中の株高について、資料の二枚目を御覧ください。  株高は、現在、売買比率の六割を占める外国人投資家が押し上げているものです。その主な原因はやはり円安です。外国人投資家が、円安により、日本は割安と判断しているからです。日本の優良株が一ドル八十円時代からすると半額セール、百二十円時代からも三割安ですから、買わない手はありません。  現在の株高は、円安以外にも、企業業績の拡大、今言いましたように、確かにあります。また、中国経済の減速でその分がこちらに回ってきているという要因もありますが、残念ながら、株価の上昇も、必ずしもその恩恵が広く国民に分配されるものではありません。  四点目。雇用を増進したということについてです。  安倍元総理も、アベノミクスの成果として、四十七都道府県全てで有効求人倍率が一倍を超えたということを強調していました。しかし、有効求人倍率の向上は、団塊世代の大量退職と少子化継続による人手不足が原因であり、アベノミクスの成果とは到底言えません。そもそも、人口減少と少子化の行き着く先として人手不足時代が来ることは、何十年も前から分かっていたことです。それなのに自民党政権は、この最重要国家課題に対して何ら有効な手だてを講じてきませんでした。その無策の結果として、現在、深刻な人手不足問題を抱えているわけで、それゆえ、有効求人倍率の上昇とか、生産性の低い低賃金分野での雇用拡大、それをアベノミクスの成果として強調することは、天に唾するようなものだと言えます。  今、賃上げ機運が高まっています。これは歓迎すべきことです。しかし、この機運は、岸田総理が賃上げ賃上げとハッパをかけているからではありません。無策の結果として、人手不足に苦しむ中、生き残りを懸けて、いい人材を確保しようとする企業の本能がなせる業です。  なお、私の主張は、円安や、円安により収益を拡大する輸出企業を目の敵にしているというように捉えられるかもしれませんが、そうではありません。私は、二十二年間勤めた商社時代、プラント輸出、そして海外投融資ビジネスの最前線にいました。それゆえ、我が国が生きていくための必要物資を輸入するため外貨を獲得する輸出企業がどれだけ重要か、身をもって体験してきました。輸出産業あっての日本だと言っても過言ではありません。  しかし、大手輸出企業は、優秀な社員の集合体です。そして、優れた経営者だらけです。それゆえ、円高に直面しても、現地生産や世界中にサプライチェーンを構築するなどして円高に耐える力、反転攻勢する力を備えています。政府の支援なんかなくても、自力で堂々と世界と渡り合える企業です。それゆえ、政府としては、JBICメニューの充実、自由貿易協定や経済連携、TPPなど多国間経済連携など、日本企業が不利な状況に置かれないよう、また優位性を保てるようなインフラを整備すれば十分事足ります。  私は、輸出企業の力を信じているからこそ、政府がやるべきことは、円安誘導など自力で世界と渡り合える輸出企業への支援ではなく、一般国民の生活向上政策に集中すべきだと申し上げています。  では、どうすれば国民生活は向上させることができるのか。もう時間がないので、本来は、業界主権から生活者主権政治にということで詳細を説明したいのでありますが、時間がありませんので、是非、資料、業界主権政治と生活者主権政治の対比を御覧いただきたいと思います。  以上、アベノミクスは、国民生活を向上させるという政治本来の目的に照らして、成果がなかったことを説明させてもらいました。  岸田総理には、吉良州司のアベノミクス検証結果を是非御理解いただき、日本再生のために一刻も早くアベノミクスと決別すること、そして、生活者主権政治にかじを切ることを強く求めます。いかがですか、総理。

吉良州司 の他の発言

2025-12-10 · 衆議院予算委員会
○吉良委員 今の総理の答弁の御認識については、私も全く共有するところであります。  ただ、私自身は、もう少しマクロ経済を考えた上で、このギャップがどこから来ているのかということに…
2025-12-10 · 衆議院予算委員会
○吉良委員 有志の会、吉良州司です。  高市総理に初めて質問させていただきます。  冒頭、地元大分市佐賀関の大火災害に当たって、多くの方々からお見舞いの言葉をいただきました。こ…
2025-12-10 · 衆議院予算委員会
○吉良委員 共有する部分もあるんですけれども、私の問題意識に対しては、正直、正面から答えてもらっていないと思っています。  為替については、おっしゃるとおり、円安のメリット、円高…
2025-12-10 · 衆議院予算委員会
○吉良委員 私があえて優先順位のことを言っているのは、円安を是正、抑制していけば、その分、物価高が和らぐわけです。そこを、あえて、今言った、一人でも自力で生きていける企業を政府とし…
2025-12-04 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○吉良委員 有志の会、吉良州司です。  もう皆さんお疲れだと思いますけれども、委員の皆さんも委員長もスタッフも、最後の十五分、おつき合いいただければと思っています。  今日は、…
2025-12-04 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。ただ、地方創生交付金も含めてですけれども、言い方は悪いんだけれども、ちまちまして、金額的にも非常に限られているんですね。それこそ、大…
2025-12-04 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。  私、大学時代にすごくショックだったのは、東京大学に七六年から八〇年にいたんですけれども、何と私が在学中に東京大学の親が慶応大学…
2025-11-26 · 衆議院経済産業委員会
○吉良委員 先ほど、円安というのは水膨れ、円安で水膨れするという話をしましたけれども、もはや円安イコール国益という時代は終わっています。物価高で困っているのも、最大の原因は輸入物価…

API / MCP 利用

国立国会図書館 国会会議録 API を構造化

REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=吉良州司
MCP: search_diet_speeches(speaker="吉良州司")