○吉良委員 有志の会、吉良州司です。
今日は、やはりトランプ関税対応、そして、しつこいですけれども、電力の安定供給、そして本題である下請法改正について質問させていただきたいと思います。
最初のトランプ関税については、自ら言うのもなんですけれども、いかなる環境変化もビジネスチャンスと捉える商社出身者としての経験とビジネス感覚を生かして、トランプ関税対応に少しでも役立つ提案をさせていただきたいと思っています。
その経験を少し話させていただきますと、私はニューヨークに五年半駐在していましたけれども、専門は電力プラントというか電力事業ということで、実際、メキシコ電力庁、CFE向けに二件、八百億円ぐらいの商談を決めたことがあるんですけれども、それは我々にとってマンモス、マンモスゾウ。けれども、マンモスゾウは毎年毎年仕留められるわけではないので、独立採算の採算責任者としては、常に黒字を出せるように鹿を追いかけ、そしてウサギも追いかけていくわけなんですね。
そのウサギの一つとして、実は私、日産メキシコ工場がありますけれども、日本でいうとサニーに当たる車をそこで造っておったんですけれども、その車を南米チリに輸出するという三国間貿易をやっておりました。もちろん、自分たちの会社がリスクを負っての話です。
なぜそうなのかというと、日本から直接輸出するとチリの関税が高いんです。けれども、南米南部は御承知のとおりメルコスルという貿易協定があって、メキシコは準加盟国なので、メキシコから輸出すると関税がぐっと下がって競争力がつくんですね。それでそういうことをやって輸出していました。
少し車種がよくなる、高級車になると、これはまあ時効なので今言っていいんだろうと思うんですけれども、実際は日本でほとんど、九九%造っているんだけれども、メキシコにあえて輸出して、そこでよくやるのは、ボルトを一本、二本つけて、そして原産地をメキシコにしてメキシコから売る、そうするとまた関税が安くなる、こういうようなことを経験しておりました。
このことについて、私がこの後ちょっと提案したいと思っているんですけれども、その前に一点、赤澤大臣が渡米され、そしてまた武藤大臣もカウンターパートとこれから交渉を重ねていくと思うんですけれども、私のちょっとまた経験を踏まえて、正規の交渉のテーブルにのる話ではないんですけれども、ちょっとコーヒーブレークだとか軽く食事をしたりする際に是非使ってもらいたいという話です。
それは、さっきマンモスのほかに鹿とウサギと言いましたけれども、鹿も必要だということで、私は、南米コロンビアとかペルーとかアルゼンチンに、米国製のキャタピラー、それを南米の鉱山会社向けに売っておりました。アメリカの会社というのは南米リスクを取らないですから、私の会社がそのファイナンスリスクを取って、南米リスクとその信用リスクを両方取るわけですね。ですから、キャタピラー社は売り渡しておしまい、リスクフリーでお金が入ってくる、こういうことをやっていたんです。
九〇年代の半ばでありますけれども、大臣も御存じのとおり、米国の中西部の州というのは日本からの企業誘致を一生懸命求めていることがあって、ちょっと何州だったか忘れましたけれども、カンザスシティーで、三つぐらいの州が一緒になって日本からの誘致を促進しようというセミナーがあって、私、まだ会社員時代ですけれども参加していて、その話をしたんです、実は。日本企業の対米投資もあるけれども、実は米国企業の製品を我々日本企業がリスクを取って海外に売っているんだという話をしたら、会場から拍手が起こりましてね。
ですから、今言った対米投資だとか関税を下げることに比べたらすごく小さな話かもしれませんけれども、さっき言ったコーヒーブレークのときとかに、そうやって日本企業がアメリカ企業のために貢献している、こういう話もあるんだという話は是非一つのネタにしていただきたい、このように思います。
それで、先ほどの、今度は鹿の話に関わってくるんですけれども、さっき言いましたように、商社もあらゆる環境変化をビジネスチャンスと捉える。ですから、商社のみならず多くの民間会社が、この変化を必ず自分の利益に変えてやる、そう思いながら今検討していると思うんですね。
私、誰からも話を聞いたわけじゃなくて、私自身が思いついた一つの方法があるんです。
それは、現在カナダに自動車を輸出するとたしか六・一%で、今TPPに入っているから段階的に下がっている最中ですよね。正確に今何%か知りませんけれども、少なくとも六・一から五年間でゼロになる、その過程にあるというふうに思っていますが、日本から、本来アメリカに輸出してもいい車をカナダに輸出するんです。
そして、米国の例えばトヨタならトヨタのディーラーとカナダにあるトヨタのディーラーとで、場合によってはジョイントベンチャーをつくってもいい、連携をするでもいい。アメリカ人が米国の自動車販売店に行って車を買いたいと思ったら、えらい高い、関税で。そのクレームを受けたアメリカのディーラーがカナダのディーラーに連絡して、うちのお客にカナダのおたくを紹介したから、そこで求める車を売ってくれと。
輸入しないんです。カナダからアメリカに輸入しない。日本みたいに車庫証明もないし。なので、カナダで買って、例えばオレゴン州とかワシントン州の人は、バンクーバーに行って、カナダのブリティッシュコロンビアのナンバープレートをつけたまま、ニューヨーク州とかミシガン州の、カナダのオンタリオ州と隣接したところは、オンタリオ州のプレートをつけたまま三年間でも四年間でも十年間でもアメリカ国内で使い続ければいいんです。そうすると関税はゼロなんです。だから、行くときだけツアーにするか。それは、二五%分、日本円でいえば百万、百五十万に比べたら、十万そこらの話です、カナダに行くまで。そうやると、多分これは合法だと思うんです。
同じように、カリフォルニア南部であれば、今度はメキシコのティファナならティファナに行って買って、メキシコ・ナンバーのまま乗り続ける。
そうすると、今言った六%以下、場合によってはゼロで事実上アメリカに輸出ができる、こういうことになるんですね。
もしかすると、そういう動きが出てきたら、それはトランプ政権として冗談じゃないということになるかもしれない。一方で、いろいろな理屈をトランプ政権に対してぶつける、これももちろん当然やらなきゃいけない。けれども、一方で、そうやって米国民は、この関税に辟易として、少しでも安い方法で、合法的な方法で車を求めているんだ、それがトランプ政権に対する圧力になるというふうに思っています。
それと、マキラドーラの話をしようかと思ったんですけれども、御承知のとおり、アメリカ、メキシコの国境では、マキラドーラという、メキシコ側にあって、保税加工地域がありますけれども、恐らく、トランプ関税が二五%のまま下りなければ、マキラドーラが事実上、今言った、米国のディーラーが結託した車の販売地域になってくると思います。
こういう具合に、これは私の思いつきではあるんですけれども、民間はありとあらゆる方法を検討してやってくると思っています。
いい意味で、政府として米国政府ににらまれるわけにはいかないというのは分かりますけれども、国と民間、いい役割分担をさせながら、時には、これは民間が勝手にやって、利益のため、生きていくためには仕方ないのでというようなことも踏まえながら、是非官民でスクラムを組んで交渉に臨んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
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