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馬場伸幸 ·日本維新の会

衆議院憲法審査会(2026-06-11)での発言

第221回国会 ·第第9号号 ·1,616字
○馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸です。  前々回の本審査会で国民民主党の玉木委員から御質問いただいた件につき、お答え申し上げたいと思います。  まず、我が党が目指す緊急政令について、包括的な政令制定権を内閣に認めるものなのか、それとも、災害対策基本法百九条にあるような現行法の確認規定なのかとの御質問にお答えします。  緊急政令は、議員任期延長やオンライン国会などにより国会機能の維持を図ったとしてもなお国会が機能しないような、万が一の事態に備えるものです。本来、災対法等における緊急政令規定のように、個別法であらかじめ整備しておく方が望ましいですが、想定外が生じるのが緊急事態です。そうした事態に対応するためには、抽象的、包括的な委任に基づく政令の制定権を内閣に認める創設的な規定としておく必要があると考えます。  なお、緊急事態条項のイメージ案では「あらかじめ法律の定めるところにより、」としており、この法律の定め方次第では、個別法における緊急政令制度、つまり災対法や新型インフル特措法などの委任政令の枠内の制度に限定することも可能な制度設計になっています。その意味では、現行制度の確認的な規定として運用することもできます。今後、どのような制度とすることが望ましいのか、是非皆さんと議論を深めていきたいと存じます。  次に、九条改正に関して三点御質問がありました。  まず、我が党が目指す九条改正後の自衛隊は二項が禁止する戦力か否かという点ですが、我が党は、戦力の不保持を定めた二項の削除、自衛権の明記、自衛隊に代わる国防軍の創設などを打ち出しております。国防軍は紛れもなく戦力です。  第二に、九条改正後の当該国防軍は、現行憲法下の自衛隊と比べ、追加で何ができるのか、また、現下の厳しい安全保障環境下でいかなる安保上の目的のためにその追加の権能が必要なのかとの御質問ですが、二項の削除によって、国際法上主権独立国家に認められている集団的自衛権の全面行使が可能となります。我が国の存立危機に加え、同盟国の存立危機に対しても自衛権を行使し得ることになり、日本が対等な相互防衛協力の担い手として同盟国と肩を並べます。また、安保上の目的は、国家国民を守り抜くために抑止力を強化、確保することに尽きます。  第三に、一項、二項及びその解釈を維持したら厳しい安全保障環境に対応する自衛隊の権能強化につながらないという御懸念に対してお答えします。  人類の不戦の誓いと侵略戦争の禁止をうたう一項は維持すべきですが、日本の非常識性を象徴する二項は速やかに削除してしかるべきです。一項、二項を維持しつつ、九条の二を設け、自衛隊を明記するだけでは、抑止力強化という本質的な課題は解決しません。二項を削除し、世界基準の軍隊の権能、実力を備えなければ、自衛隊は永遠に張り子の虎のままです。  翻って、玉木委員自身は四月十六日の本審査会で、党の考え方について、一項、二項を維持し、二項の例外として戦力たる自衛隊を位置づける旨示されましたが、規範論として疑問を感じます。  二項を維持しながら同時に例外として戦力を保持するとは、規範と例外が同一の憲法的価値観を持つ矛盾した構造を意味します。原則は戦力不保持で、例外的に戦力としての自衛隊を持つなら、二項は事実上、死文化した装飾条文にすぎません。国際社会の普遍的な原則からも乖離しています。国連憲章五十一条に規定された、主権国家が持つ固有の権利たる自衛権を、憲法上禁止された戦力の例外などという奇妙な理論でゆがめることは、主権国家として地位を自らおとしめる行為に等しいのではないでしょうか。  いずれにしましても、今後の討議において、九条に軸足を置いた議論を加速させ、速やかに各会派間の溝を埋め、成案を得ることが不可欠です。各会派の御理解、御協力を切に求め、私の発言を終わります。

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