参議院国民生活・経済及び地方に関する調査会(2024-02-14)での発言
第213回国会
·第第2号号
·2,091字
○参考人(小国喜弘君) どうもありがとうございます。
すごい本質的な御質問をいただいて、僕がなぜインクルーシブ教育が大事だと思っているのかということをまず一つは話せというふうにおっしゃっていただいたというふうに理解しました。
私自身は、余り時間がないですからあれですよね、大阪の実は小学校に行ったときに、自分の価値観が全く変わる思いをいたしました。その学校は、障害を個性とみなして、様々な子供が、全ての時間、全ての子供が一緒に学ぶということを基本にした学校でした。
そこに行くと、例えば朝御飯食べさせてもらえていない子供がいて、なかなか朝起きられなくて、それを事務職員の人が迎えに行って、一緒になって手を引きながら、場合によっては地域のおじさんやおばさんが一緒に学校に連れてきてくれる。学校に来たら、やはりそういう子たちは、その子の場合は、すごく家でしんどい思いをしているので、やはり人を殴ってしまったりなんかする、攻撃性があるというふうに言われそうな子供なんですけれども、そういう子供たちの背景を、子供たちが丁寧に丁寧に一緒になって、じゃ、この子がどうしたら安心するのかということをみんなで一緒に考えたり、この子は暴力を振るっているけど本当は何を伝えたかったんだろうということを先生が一緒になって子供と考えたり、何かそんな空間でした。
予防措置という意味では、おせっかいなおじさんやおばさんがいっぱい入っていまして、そのことが、やっぱり子供の小さな変化みたいなものに本当に早い段階で気付けるようなそういう関係を学校の中につくっていたりしました。そのことによって、そこは団地の地域でしたけれども、地域の関係ができるということにも気付きまして、やはり今、子供たちは、地域で大人と出会っても、不審者かもしれないみたいな話になってしまってなかなか安全に出会えなくなってしまっている難しい時代なんですが、学校の中で出会っていると、実は地域で出会っても、こんにちはとかいろんな関係がつくれるという。だから、学校の中をどうそういうおせっかいなおじさん、おばさんとの出会いにするかというのは、実はその子供のトータルなウエルビーイングにおいて大事なんだみたいなことも学びました。
まさに、今日のこの会の趣旨に本当に何かばっちりする、そういう、その子供たちが本当に笑顔になって人間らしく育っていくということの意味をやっぱりもっと多くの学校で実現したいというのがこのインクルーシブ教育というものに懸ける思いということで、同時に、木村英子先生を始め、僕らは、またオンラインの会なんかを始めとして、いろんなしんどい保護者の方、いろんな差別の体験、当事者の方のお声を聞いてきています。やっぱりそんなことを二度と体験しないで済むような、そんな社会をつくりたいという思いからこの活動を続けさせていただいております。
その中で、やっぱり気付きましたのは、それぞれが分断されていると、ニーズを持っている人たちが分断されているということと、それから知識がつながっていってないという問題です。
その知識がつながっていってないということを二つ申し上げたいんですが、実は介護等体験という、これも是非お願いできたら有り難いんですけれども、つまり、教師になるためには障害者の生活を知らなきゃいけないというので介護等体験というのが義務化されているんですね。ところが、これが施設見学しか法的には許されてない状況にございまして、つまり、本来、インクルーシブ教育の教師を育てようと思ったら、地域で木村英子先生のように自立生活をしていらっしゃる、それから、今日来てくださった三井絹子さん、国立市の三井絹子さんも来てくださっているようなんですが、そういう方のような生活をやっぱりもっと我々が知らないと、学校の中でこんな力が必要だという、こんな力のイメージが実は付かないところがございます。
にもかかわらず、実は自立生活のところが介護等体験の対象に入らない、どう法律を解釈しても現状の法律では。これは、だけど、文科省の告知か何か、通知か何かのようなので、比較的文科省がその気になってくださればすぐに変わる程度の話らしいんですが、ただ、私どもには非常にバリアがあるという状況がございます。
そんな中で、やはり当事者団体が持っている知識とか当事者団体が持っている経験をもっと学校とつないでいかなきゃいけないという思いを持っています。それから、やはり我々が持っている知識なんかをもっと自治体と一緒に連携することで様々な実験ができたり、グッドプラクティスをつないでいったり、そんなことをしていきたいなと思っております。
ですから、なるべく今後、いろんな当事者団体とも提携をし、そしていろんな自治体とも提携をし、そして今、インクルーシブ教育の研究者も協力研究員として集めているような状況があって、我々のセンターがそういうこの運動のハブになれるような、そんな取組ができたらなと思っているところです。
以上です。